
万が一、今後大災害が起き天皇陛下が被災地慰問をされなくとも誰も不満を言わないでしょう。
天皇の生前退位などを検討している政府の有識者会議が7日行った専門家ヒアリングで、5人のうち2人が天皇の生前退位について明確に反対した。政府は今の陛下に限って退位を認める特例法を軸に法制化の検討を進めるが、専門家の多様な意見は、有識者会議としての集約の難しさをうかがわせた。
反対を表明したのは平川祐弘東大名誉教授と大原康男国学院大名誉教授。
平川氏は、天皇の役割について「能力主義的価値観を持ち込むと皇室制度の維持が困難になる」との認識を表明。「象徴の務め」への不安を述べられた陛下のお言葉に対し、「ご自分で拡大された役割を絶対的条件にして、それを果たせないときは退位したいというのは、ちょっとおかしい」と疑問を呈し、摂政を置くことで対応可能との見解を示した。
大原氏も「(天皇は)ご存在の継続そのものが『国民統合』の要」と同趣旨の論を展開。高齢化社会と象徴天皇制を「調和」させる試案として、現行の摂政制度の要件に「高齢」を加えることを提案した。
残り2回のヒアリングでも、退位に慎重な識者が控える。14日の渡部昇一上智大名誉教授、ジャーナリストの櫻井よしこ氏、30日の八木秀次麗沢大教授、百地章国士舘大院客員教授と、保守論壇で名の知れた面々だ。
特に平川、渡部両氏からの意見聴取は安倍晋三首相が希望した。政府関係者は「議論をまとめるには、一家言ある人たちの発言の機会をきちんと設けたプロセスが必要」と狙いを説明する。
一方、退位を容認する考えを示した3人の有識者でも、陛下一代限りの特例法とすべきか、後世の天皇にも適用する皇室典範改正が望ましいかをめぐっては立場が分かれた。
古川隆久日大教授が、典範改正が望ましいとの考えを示したのに対し、作家の保阪正康氏と所功京都産業大名誉教授の2人は、まずは特例法で対応し、後に典範改正する2段階論を主張。この中でも温度差があり、典範改正に関して所氏が「時間的に可能ならば」と条件を付けたのに対し、保阪氏は改正が「前提」との考えを示した。
有識者会議の御厨貴座長代理は会合後の記者会見で「1回だけで『こういう傾向だ』と言うことはできない」と率直に認めた。同会議は年明けに論点整理を予定しているが、御厨氏は「16人全員(から意見を)聴いた時に、どの程度の相場観ができるかによる」などと言質を与えなかった。
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天皇が高齢になった場合のご負担をどうするか検討する政府の有識者会議。
メンバーに専門家が一人もいないので批判が集まっていましたが
専門家がいない事がかえって良かったのかもしれません。
というのも、専門家ばかりだと最終的に取りまとめる時に、中々意見が集約できないでしょうし、
それまでもお互い意見をぶつけ合うだけ、持論を主張するだけで毎回喧嘩別れみたいになりそうだからです。
という事で有識者会議が昨日、専門家5名にヒアリングを行い、
その内2人が、生前退位(この言葉が妥当に思えたので敢えて使います)に反対意見を述べました。
特に平川佑裕氏は反対を明言しています。
それは天皇が退位されなくても対応可能だとも述べています。
天皇陛下が会見で「高齢に伴う象徴の務めへの不安」を述べられた事について
「ご自分で拡大された役割を絶対的条件にして、それを果たせないときは退位したいというのは、ちょっとおかしい」
との意見で、不安なら摂政を置けば対応できるとの事。
天皇陛下に対して、不敬だからこの様な意見を控えている方もいるでしょうが
平川氏の意見はその通りだと思います。
高齢を押しての海外慰霊の旅。
そして強行日程での被災地御慰問。
特に海外への渡航は時差や気温差などで厳しい事だったでしょう。
昨年のフィリピン慰霊の旅でもうご納得されたと思いますし、
これで戦後の慰霊をひと区切りにしてもらいたいです。
そして今後は靖国神社に毎月参拝されれば英霊たちも喜ぶ事と思います。
もしも海外から批判されても頑として撥ね付けられたらいいのです。
それぐらい天皇という存在は大きく海外からも尊敬されているのです。
そもそも天皇の最大の務めは祭祀です。
平川祐弘氏は次のようにも述べています。(今月4日)
天皇が継承される神道文化とは 「祈る」ことにより祖先へと「続く」 東京大学名誉教授・平川祐弘
天皇家にとり「まつりごと」とは「祭事」が第一で、天皇は国民にとってまず神道の大祭司である。
大切なことは、万世一系の男子世襲の天皇は神道の文化的伝統の継承者であるということで、
だからこそ権力はないが権威がある。
天皇家が民族の永生の象徴であるのは「祈る」ことにより祖先へと「続く」からで、存在することに意味がある。
前後しますが先月12日にも平川氏は
政治利用の懸念も 「ご発言」退位に直結してよいか 東京大学名誉教授・平川祐弘
皇室は天照大神を祖神と仰ぎ、天皇は神道の大祭司である。
万世一系と続く天皇は民族の永生の象徴で、日本の不滅を信ずる民の心のよりどころである。
その陛下が祈ることにより死者と生者は結ばれる。
それが「国民統合の象徴」の真の意味で、いま生きている人の統合だけではない。
また渡辺昇一氏も同じような意見を述べられています。
「摂政」何の問題もない 渡辺昇一・上智大学名誉教授 (産経ニュース)
譲位されなくとも摂政という仕組みがあります。
安易に一代限りと、特例法で対応したら前例を作る事になります。
今後別の理由でまた譲位となると、天皇の政治利用などで混乱する可能性もあります。
海外の王室の方々、海外の首脳に対する儀礼も皇太子にその役目を譲っても許されるでしょう。
天皇陛下に会えることを最高の名誉と考えている海外の方もいるかもしれません。
しかし、ご高齢の天皇陛下です。
天皇陛下との面会が皇太子になれば少々落胆するかもしれませんが
誰も不満を述べる方はいないはずです。
勿論、皇太子、皇太子妃は慣れない事で戸惑う事があるでしょうが
誠実にそして高貴さを失わず面会して頂くことを望みます。
そして今までの様な勝手気儘な生活に別れを告げ、それなりの覚悟をもって頂きたい。
失礼ながらそう思います。
平川佑裕氏の意見はどこかの活字になった時に読んだ記憶があり、ヒアリングメンバーに選ばれて、
安堵した気持ちでした。
「摂政」をという論陣をはる方々が報道に上がってこない現実に不公平感をもってました。
昨日のNHK地上波7時のニュースで、この報道を見たのですが、
始めに平川佑裕氏のインタビューが流れ、この映像にどれほどの価値があるのか、と思い、
見入っており、次に大原康男(国学院大名誉教授)にもそういう思いで、聞き入っておりました。
産経記事には、平川氏の発言で、
「ことは陛下お一人でなく、今から位を継がれる皇太子殿下はじめ皇族方に関することである」
とあり、こういう時系列を提起されて事に近未来の皇室の姿(男系男子)を見出せます。
時事記事中の
>特に平川、渡部両氏からの意見聴取は安倍晋三首相が希望した。
(官邸メールなどでも要望が多くあったのかも?と・・・)
インタビューにしろ、首相官邸HPでの閲覧等、マスコミ報道のみに偏らず情報に接する機会が、
ある事は、受け手の側の判断要素を提供と意味では、政府の姿勢を評価したいです。
高橋和之氏(東大名誉教授)・園部逸夫氏(元最高裁判事)は対極の意見になろうかと、
思いますが、気にはとめています。
天皇陛下は譲位をお望みで、摂政はお考えではないようですね。
しかし次代の天皇陛下、現皇太子の事を考えると、譲位は心許ない気もします。
皇太子殿下に少しずつ天皇陛下の公務をご負担頂く方が安心です。
というのも雅子妃のご病気の影響なのか、皇太子ご自身の心構えなのか、
現状、秋篠宮家のご公務が非常に多いです。
大変失礼ではありますが、皇太子殿下が公務を全うできるのかとの不安もあります。
皇位継承順位が1位の東宮の公務が秋篠宮家と比較しても少ないのはなぜなのかとの疑問もあります。
皇太子妃がご病気で無理でも皇太子殿下だけでも公務をされたらいいのにそれをしない理由が何かあるのでしょうか。
次期天皇だとわかっているのにそうしないのはなぜなのか疑問です。
今後、渡部昇一氏、櫻井よし子氏、八木秀次氏、百地章氏らのヒアリングがあるとの事です。
彼らはどのようにお考えなのか非常に興味があります。