大変ご無沙汰していますうちに、夏も秋も過ぎ、今年は早い冬が訪れました。
前回ブログを更新した後に、エネルギー戦略2050を巡る国民投票は無事に可決されました。このテーマについては、また別の機会にブログでご報告したいと思います。前回の更新以来、次の共著本の執筆に取り組んでおり、余力がすべてそちらに吸い取られていました。ようやく原稿が出来上がり、これから校正作業に入ります。「100%再生可能へ!」シリーズの第三弾となる本で、ポストFITの再エネビジネスを紹介する内容です。出版は来年の春先となる予定です。
さて今日は、この夏に日本語版が発刊された冊子「フォーアールベルク州における持続可能な建築」の紹介です。日本でも注目されている持続可能な建築の先進地域である西オーストリア・フォーアールベルク州の取り組みの概要を、美しい写真や具体的な事例と共に解説した約30頁の冊子です。著者はエネルギー研究所フォーアールベルク。同研究所からの依頼により翻訳は私が行いました。
日本語版の発刊は、東北地方からフォーアールベルク州のエネルギー自立・省エネ・エコ建築の取り組みを取材するために何年も通い続けていられるドットプロジェクトの長土居正弘さん、岩手県中小企業同友会の菊田哲さん、もるくす建築社さんやイーシステムさん、オオツカヨウ建築設計さんの支援により実現されました。この場を借りて御礼申し上げます。
冊子「フォーアールベルク州における持続可能な建築」は下記より、お取り寄せが可能です(一冊500円)。
ご注文先: 岩手県中小企業同友会 info@iwate.doyu.jp
TEL 019-626-4477
フォーアールベルク州では、エネルギー研究所が中心となって(長年をかけて)地域内で構築してきた仕組みとツールによって、レベルの高い省エネ・エコ建築が面的に普及している点が特徴です。地域の建設業界全体のレベルが底上げされており、こういった建築を実現できる工務店・職人、建具屋、設計者、そのような建物をしっかり発注できる施主・自治体が、例外ではなく、普通のことになっています。また省エネ性能だけでなく、建材のエコロジー評価を早くから助成制度に取り入れてきたため、地域のエコ建材を用いた(木造)省エネ建築が普及しています。
この冊子はもともとフォーアールベルク州や周辺地域向けに書かれたものですので、日本の読者を想定した内容にはなっていません。それでも仕組みの概要や建設事例を通じて、フォーアールベルクの風を感じて頂けると思います。
その他のお知らせ
●スイスの木造建築の部位別の遮音構造カタログの日本語版を下記ウェブサイトから閲覧することができます。
http://bauteilkatalog.lignum.ch/?lang=ja
2016年に、スイスの木造建築推進団体である木産業連合LIGNUMの依頼を受けて、オンライン版遮音構造カタログに使用されている500語ほどのメインの建材用語の翻訳を行いました。このサイトでは、木造建築の外壁、屋根、床などの遮音構造を閲覧することができます。ただし、構造カタログの中には私が翻訳した単語以外にも1000語以上(?)の単語があり、それについては予算の関係で依頼者による機械翻訳になっています。そのため日本語がおかしいところが多くあります。それでもおおよその構造は伝わると思いますので、建築関係者でスイスの現代木造に関心のある方に、このカタログをご参照頂ければ幸いです。
●ソーラーコンプレックス社の日本語版ニュースレターを下記リンクから読むことができます。
南ドイツの市民エネルギー会社であるソーラーコンプレックス社のニュースレターを翻訳しています。下記リンクから最近のニュースレターを読むことができます。
秋号 http://48787.seu1.cleverreach.com/m/6917410/
夏号 http://48787.seu1.cleverreach.com/m/6859956/