sweet キャンディキャンディ

伝説のマンガ・アニメ「キャンディキャンディ」についてブログ主が満足するまで語りつくすためのブログ。海外二次小説の翻訳も。

小説キャンディキャンディFinal Story あのひと考察7 手紙の時期

2011年06月20日 | FSあのひと考察
 

小説キャンディキャンディFinal Story上・下巻 名木田恵子 (著) 祥伝社 (2010/11/1) の考察です
注:物語に関するネタバレがあります


「あの人はどんな人」を考察している途中ではありますが、その前に、検証しておきたいことがありました。

手紙のやりとりの時期---これは、ぜひやっておかねばなりません。

まずは、キャンディとアルバートさんの手紙のやりとりから検証していきます。

エピローグにはキャンディとアルバートさんの一連の文通が収録されていて、下巻P286~P316の手紙は、それぞれが前の手紙への返事となっています。

これらの手紙の中で、キャンディはアルバートさんこそがウィリアム大おじさまであり、丘の上の王子様であったと知った時の驚きや、これまでにウィリアム大おじまさとして支えてきてくれたことへの感謝を示しています。アルバートさんは手紙の中で、自分の正体を隠さなければならなかった理由や、なぜ17歳の少年の時にポニーの丘にいたのかを説明しています。

これらの手紙が書かれた時期は、アルバートさんが正体を明かした直後のやりとりであると言って間違いないでしょう。

キャンディの誕生日に関する記述も見られるので、季節は5月前後です。

この一連の文通とは切り離された一通の手紙があります。キャンディからアルバートさんへ宛てた、(小説中での)最後の手紙です(下巻P317~P322)。アルバートさんと初めてレイクウッドを訪問した直後に、その時の興奮と感謝を記した手紙です。

この手紙の冒頭で、キャンディは"ハッピー・マーチン診療所で働いたあとに子供たちを寝かしつけた"と書いていますので、この診療所はシカゴの診療所ではなく、ポニーの家の村に新しく建てられた診療所だと推測できます。

小説の中で、キャンディはクリスマス前、マーチン先生にアルバートさんからの援助の件を打診し、マーチン先生からクリスマスに、ポニーの家の村に新しく建てるのであれば受け入れる、との返事をもらっています。

さらに、レイクウッドへアルバートさんと訪問したのは春先であることが、手紙の中の自然の描写からうかがえます。

このキャンディのアルバートさんへのお礼の手紙は、アルバートさんが正体を現し、マーチン先生に援助を申し出、翌年春に診療所が建った春頃のことであると推定できます。

エピローグ最後に収録されているアンソニーに初めて宛てた心の手紙も同じ時期に書かれたものですね。

では、次はテリィ系列のお手紙。

エレノアベーカーに宛てた「ハムレット」への招待を断る手紙。これが書かれた時期はいつでしょうか?

手紙の中で、キャンディは"ロックスタウンの町で声をかけて頂いてから、もうずいぶん時が流れたのですね"と書いています。

ずいぶん時が流れたとはどのくらいの期間をさすのでしょう?辞書によると、「ずいぶん」とは「程度が(それ相応に)著しいこと。かなり。相当」とありますから、最低でも3~4年は経っている表現ではないでしょうか。テリィは一度、劇団を捨て失踪してしまいました。一から出直して、また主役をやれるようになるまでには、それ相応の時間が必要であったろうとも推測できます。

ロックスタウンから最低3年と考えたとしても、アルバートさんの正体発覚からも2年以上の歳月が流れていることになります。

その手紙の後に収録されている、キャンディが書いたテリィへの未投函の手紙は、ハムレットの成功やロングランに次ぐロングランを受けて書かれたものですから、エレノアベーカーへの手紙からさらに時が流れています。

テリィのハムレットのイギリス公演が決定したことについてもふれられていますが、これは第一次世界大戦が終わった後、1918年以降の出来事になると思われます。アルバートさんの正体発覚が1915年として(パティがアメリカへ来たのが1914年8月のイギリス参戦直後となっているので、そこから推測しています)、やはりその位の時は経っているとみて間違いないでしょう。

手紙が書かれた時期を時系列に沿って並べてみましょう。

アルバートさんが正体を明かす

キャンディとアルバートさんの文通スタート(5月前後)

ハッピーマーチン診療所が翌年の春先にポニーの家の村に開業

同春キャンディとアルバートさんがレイクウッドを訪問

キャンディからアルバートさんへ感謝の手紙/アンソニーへの心の手紙

数年後、エレノアベーカーからハムレットの招待状

キャンディ、エレノアベーカーへ招待を辞退する手紙

キャンディ、テリィへ手紙を書く(未投函)

スザナ死亡

1年半が経過
テリィから手紙が届く

こう整理してFinal Storyを読み返すと、キャンディの愛の物語がまたすっきりと見えてくるではありませんか。


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2 コメント

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ものすごく、納得です (なつみ)
2011-09-29 20:50:38
他の考察でも、すっかり納得できたのですが、アルバートさんとの親密そうな手紙に、ちょっぴり心配になりますよね。

いまが幸せなら、テリィの手紙が届いても、スザナが死んだからといって、連絡をとるわけにはいかないと、返事は出さないかもしれないと。

けれども、こうして時系列に並べてくださると、テリィからの手紙以降の心境は語られておらず、30代のいまのキャンディの独白まで飛んでいることがわかるんですね。

それで、なんだか安心して、納得できました。

自分では、このように並べてみるという発想がありませんでした。

そして、長いストーリーが必要になる。

想像になりますが、二次ストーリーのように、テリィを慰めようと、鈍感なお返事から始まったのかしら~。
そして、ロックスタウンで見たのはまぼろしではなかったこと、どんなにキャンディが悲しんでいたか、等を知り、お互いの気持ちを知り合っていくなかで、愛は成就していくのかしら~、と妄想するのです。

ありがとうございました。
なつみ様 (ブログ主)
2012-01-10 20:09:41
考察へのコメントありがとうございます。お返事が遅くなり大変失礼しました

ブログ主も手紙をこうして時系列に並べたことで、物語がよくクリアに見えました。

特に、アンソニーへの手紙が書かれた時期を特定することで、「生きていても、会うことがかなわない運命があることも知ったのです」というキャンディがアンソニーに伝えた思いの後にこそ長い物語(そこには当然テリィからの手紙の物語も含まれています)があって、そしてキャンディは「生きいればまた巡り合うことができる。もう別れを怖れない」という境地に達したのだと理解できました。

キャンディ妄想……いろいろ楽しめますよね

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