すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第408号 52歳宰相の時代

2006-09-23 21:57:56 | Tokyo-k Report
【Tokyo】自民党の総裁選に安倍晋三氏が当選し、週明けには首班指名を受けることが確定した。【安倍氏を新総裁に選出、464票獲得し圧勝=自民総裁選 (ロイター) - goo ニュース】このこと自体はすでに織り込み済みで、世の中はポスト小泉へ着々と動き始めているが、世の中とは無縁な私が一人感慨に耽っているのは、「とうとう、私より若い総理大臣が登場することになった」という事実である。歳をかさねて行けば、いずれこうした形になることは当たり前のことなのだが、いっきに8歳年下にまで若返ることは、やはり感慨深いものがある。このことが日本社会の若返り、ひいては社会の再活性化への引き金になって欲しいものだ。

明治の元勲の時代を別にして、戦後生まれの私にとって、総理大臣というのは常に「おじいさん」という年恰好であった。長じるにつれ、しだいにその年の差は狭まって入ったものの、やはりはるか年上の世代の権力奪取者であった。今回も、麻生、谷垣のいずれかの候補者が勝利していれば、世代はほぼ同時代という範疇に入るところまで接近したものの、「年上」ということに変化は無かったことになる。

私は団塊世代の入口世代というあたりの生まれで、今回の総裁選で団塊世代はいっきに首相の座を跳び越されてしまったようなものである。超高齢化社会に向かっている日本が、50代そこそこの「若手」を政権トップに据える意味は大きいと思われる。欧米社会のように40代のトップリーダー誕生までには間があり、いずれは世代の揺り戻しもあるとしても、企業社会にもじわじわと影響を広げていくだろう。

安倍氏の政策を聞いていると、私とはずいぶん考えの違う人だという印象で、なにやら岸信介元首相の考えを耳にしているような気分になった。東京オリンピックはまだ小学生だった「脱戦後世代」とでも言う人たちには、案外、保守的な(「保守」の意味を分解することは、この際パスすることにして)考えが強いのかもしれない。ずいぶん発想の異なる人だから、その政治には期待はしていないが、「若い」という事実だけは無駄にしないで欲しいと、関心を持って眺めていようと思う。
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