日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

太りにくい油脂(分子模型)

2007-06-30 | 分子模型図鑑

世はなべてダイエット・・・

太るのが嫌だったら

運動を増やすか

食べるものを減らせばいいのだが

どうやらそれは嫌らしい

そこで甘味料や油を

人工の物にする商売が成り立つ訳だ

人工甘味料についてはこちらを参照の事

本日は人造脂質のご紹介

 

まずは油というものの分子構造をおさらい

脂質の例(トリオレイン)

Photo_250

グリセリンに脂肪酸3個が結合したものだったね

 

これらの脂質は体内で消化酵素の働きで

三つに分解され吸収される

それは改めて細胞で自分の体用に

合成される訳だ

 

太らない油の開発競争で

各社の回答はどうだっただろうか

 

エコナクッキングオイル

Photo_251

花王の回答である

3本の脂肪酸を2本に減らしてある

アシルグリセロールと呼ぶ

2本の脂肪酸がグリセリンとくっついている

普通の油脂は分解すると

真ん中の脂肪酸がグリセリンとつながったままで

その1本を中心に脂質の生合成が行なわれる

ジアシルグリセロールは分解されると

端っこの脂肪酸にグリセリンが残る

だから脂肪になりにくいという理屈だ

 

ヘルシーリセッタ

Photo_253

日清オイリオの回答

脂肪酸の1本を中鎖脂肪酸に変えている

分解された中鎖脂肪酸は

脂肪としては再合成されにくいので

太りにくいという理屈だ

ホームページでは

「ヘルシーリセッタは、トリアシルグリセロールという油本来の分子の形で」

と仮想敵「エコナ」に対するライバル心あらわである

 

オレストラ

Photo_254

P&G社がポテトチップスのために使用した

代替油脂「オレストラ」

日本で発売のプリングルズには含まれていない(筈)

グリセリンの代わりの単糖類に

3本でなく6本の脂肪酸がくっついている

ここまでくると人間は消化不可能

つまり太らない

でも消化できないので

下痢をする等の副作用がアメリカで問題になった

 

食べても太らないということは

栄養分ではないということだ

貧しい国の餓死寸前の子どもたちに

太らない油を望んで買う人たちのいることを

知らせたくないものだ・・・

 

健康オイルと呼ばれて販売されているけれど

自然界にほとんど存在しない形の脂質を

大量に摂ることは

自分の体で人体実験をしているのだということを

心して取ってほしい

私はこれらの油を摂ることに不満はないが

自分の子供には食べさせたくないなとも思うのだった

コメント
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