鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

生きてることは紙のよう

2017-04-03 | 
+++++++++++++++++++++++++++++++
鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
+++++++++++++++++++++++++++++++

新学期が始まります。
この詩手紙にはこんなコメントがありました。

「教育って大切なものです。なんかないがしろにされている気がします。
 こどもたちを中心にしてほしいです。」

大阪の小学校の認可をめぐって世の中が大騒ぎになっています。
大人たちの思惑ばかりが前へ出て、子供たちのことは置き去りにされているように見えます。
教育が政治の道具にされてはいけないのです。


         生きてることは紙のよう
                                        2008年4月

生きてることは、すこしの風で飛ばされて
生きてることは、すこしのちからで破れてしまう
そんな紙のような弱いものにみえるけど
それほど心もとないものだから、助け合うのかもしれない
それほど確かでないものだから、支え合うのかもしれない
そこに、なにか浮かんでこないでしょうか
わたしは、人の「弱さ」と「強さ」が浮かんできます
あなたは、なにが浮かんでくるでしょうか

生きてることは、いつか出会う、それぞれのかなしみを
生きてることは、いつか出会う、それぞれのしあわせを
紙が、こぼされた水を吸うように
すべてを取り込み、それぞれの人をつくってゆく
すべてをうつして、それぞれの命をえがいてゆく
そこに、なにか浮かんでこないでしょうか
わたしは、人の「はかなさ」と「美しさ」が浮かんできます
あなたは、なにが浮かんでくるでしょうか

   詩手紙2008.7.10
   

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« トマトのまるかじり | トップ | こころの磁石 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事