道端鈴成

エッセイと書評など

CO2の地中貯留について

2008年08月22日 | 時事
CO2の地中貯留技術、2020年までに実用化 政府が行動計画案

 地球温暖化防止のための国内対策を盛った政府の行動計画案が18日、明らかになった。温暖化ガスの排出削減に向け、石炭火力発電所などから出る二酸化炭素(CO2)を回収して地中に貯留する技術(CCS)を2020年までに実用化する目標を明記。今秋からの国内排出量取引の実験開始に備え、検討チームを設ける方針も示した。

 7月下旬に閣議決定する。6月に福田康夫首相が発表した温暖化の総合対策「福田ビジョン」や首相官邸の温暖化に関する有識者懇談会の提言を受け、関係省庁が具体策をまとめた。(NIKKEI NET 19日 07:00)



一定の温暖化にはプラス面も多く(逆に寒冷化の弊害も多い)、IPCCなどの依拠する地球温暖化のシミュレーション結果が過大で不確かすぎ、不安をあおる根拠となる気温データの信頼性にも問題があり(90年代のソビエトの寒冷地区の観測点の閉鎖、都市地域の局所的ヒートアイランド現象(地球温暖化とはなんの関係もない)の混入など)、人為的CO2排出が温暖化へどの程度影響しているかの因果関係があやしく、CO2排出削減による実質的効果の見込みが少なくとも、CO2排出削減対策は化石燃料への依存を減らす効果はあるので有益という意見もあるが、この記事に示されるように、間違った前提での対策ではやはりだめだ。

京都議定書のCO2削減の基準年は、1990年に設定してあるが、1990年は東西ドイツ統合の年、その後、ドイツは旧東ドイツの古い共産圏のエネルギー効率の悪い工場を閉鎖し、エネルギー効率を高めた、またイギリスではサッチャーによるエネルギー産業の自由化により石炭への依存から脱却し効率化が始まった年だ。1990年というのはEUにとってははなはだ都合の良い年だ。日本では1990年には二度のオイルショックをうけ、省エネが十分に浸透しており、さらなる削減はコストがかかりかなりきつい。EUはこれを機に、アメリカ、日本、新興産業国を牽制し、次代のイニシアティブをとろう、その格好の舞台というところ。アメリカ、カナダ、オーストリア、中国、インドなどは距離を取っているが、日本政府はそれにのせられ、あげくの果て、地中にCO2をなどという、京都議定書対策にしかならないだろう苦し紛れの計画案をだす始末だ。CO2を大気に出さないためだけで、代替エネルギーの開発や効率化にはつながらない。資金や技術開発力など将来のためのリソースを地中にむざむざ捨てるようなものだ。

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