あちらこちら命がけ

血友病、HIV、B/C型肝炎等を抱えて生きる人のブログ。薬の体験記、海外の最新医療情報、サルベージ療法から日常雑感まで。

【借景庭園】圓通寺(円通寺)_京都

2007年08月10日 23時59分41秒 | 日常

 こんばんは。sunburst京都どす。
 いやはや、とんとご無沙汰してしまい、すいませんでした。どうにもこうにも忙しく、なかなか更新ができなくてと、いつもの言い訳でごめんちゃい。

 さて、その割に京都どす? なんだ、遊び歩いてるじゃないか! とお思いのみなさん、違うんです。今日(10日・金)は、京都への日帰り出張だったのです(涙)。
 新幹線「のぞみ」の車中は、いかにも「一足早くお盆休みをとったので、これから遊びに行きます」風な人たちであふれかえり、なんだかあちら側とこちら側の心模様のコントラストが痛いです。うぅ。遊びたいよー。
 ただ、私の京都での仕事は午後からだったため、早めに行けば午前中は自由に使える!ということで、朝9時半頃京都に着くように家を出て、前から一度は行ってみたいと思っていた圓通寺に行ってみることにしました。

  圓通寺入り口

 圓通寺は「借景庭園」で有名なお寺です。
 私は、仏教美術にはあまり興味はないのですが、昔から借景が大好きです。なんというか、借景という考え方そのものが好きなのだと思います。


圓通寺・借景1:ゴザ引きの室内から、枯山水庭園を近景に、遠く比叡山を望む風景。柱や鴨居も景色の一部になっている。(写真をクリックすると少し大きい画像が見えます)



圓通寺・借景2:同じ位置から、比叡山にフォーカスを。

 借景とは、文字通り景色をお借りしちゃうこと。盗むのでも、奪うのでも、自分だけのものにするのでもなく、あくまで「お借りしちゃう」こと。このしたたかで奥ゆかしい感じが、なんとも私の心をとらえるのです。

 私は今日、いろいろ思いめぐらしながら、1時間以上、この景色を見ていました。10時の開門と同時にお寺に入ってから、11時半頃まで、ずっとこの景色を見続けていました。

 近くでは、重機によるけたたましい工事の音が聞こえます。和尚さんの話によれば、この景色をいつまで保てるかはわからないとのことです。写真からは見えませんが、開発の波が垣根のすぐ向こうまで来ているのです。
 「目先の利益よりも、本当に美しいものを後世に残すことの方が大切だと訴え続けているが、どうにも話が通じない。最近では、もう、ちょっとあきらめています」 
 和尚さんはそう言うと、さみしく笑いました。

 自然を我がものにしようとする行為と、大切にお借りして守ろうとする行為と。

 借景とは、自然に借りを作ることに他なりません。自然に借りがあるならば、感謝の気持ちとともにお返しをするのが筋というものです。
 自然に借りを作るくらいの方が、豊かな気がするのは私だけでしょうか?


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
暑い盛りの (momo)
2007-08-11 12:20:55
出張、お疲れ様でした♪

借景・・・、なるほどですね~・・・。
この世に生きること自体も、「借景」な気がしてきました。。

人の手で作り出せないものを、大切に守ることの方が
ずっと値打ちのある重要なことだと、私も思います。。
momoさんへ (sunburst借景)
2007-08-13 00:40:57
おお、momoさん、深いですねー
一度壊してしまったら取り返せないものを、大切に守ること。ひいては、それが命を大切にすることにつながっていくような気がします。
また紅葉の頃に、もう一度、訪れたいと思っています。
sunburst紀行文シリーズ (ぴよたん)
2007-08-15 22:23:10
景色の選び方、愛で方、視点、
前回の神楽坂にひきつづき、
風雅の道を究めるというのも
いいかもしれない。
読む人がそこに行ったような
体験を味わえるので、
これシリーズ化しましょう。
たのしみ。
きばってはりますなあ (マドレーヌ@抹茶パフェ好き)
2007-08-17 13:00:25
8月の京都!
暑さを想像するだけで、くらくらきそう。

圓通寺、今度行ってみようかな。
デートするなら、こういう所がいいよね(笑)

>借りがあるならば、感謝の気持ちとともに
>お返しをするのが筋というものです。

いい表現ですね。
自然だけでなく、周囲の人に沢山借りのある
私なんぞは、これをしっかり肝に銘じたいと思います。

紅葉の季節に、ぜひまたおいでませ。


同感です☆ (tenten)
2007-08-20 12:03:15
長~いお休みが終わり、でもまだ現実に戻りきれないでいるダメな私
出張のあとは夏休みとれましたか?
久しぶりにブログを読めたこと、とっても心落ち着く私がいました。
自然に借りをつくるくらいのほうが豊かな気がする・・・私もそう思います!人間の勝手で生きている命を絶やすことなんて許されることではないです。
自然も人間と同じように命があるのに、
気づけないんですね…。
今回はmomoさんのコメントと、それに対するsunburstさんのコメントにもやられました。
この環境をお借りできていること、私って
めっちゃ幸せ者です

お返事遅れてごめんなさーい (sunburst紀行文)
2007-08-22 17:25:11
ぴよたんさんへ
 逆に最近しんみりした文章が多く、もっとバカ話が読みたいというご批判もいただいております
 でも、好きな場所や雰囲気を人に伝えるのが好きなので、このシリーズ、今後も書いていきたいと思いまーす。

マドレーヌさんへ
 確かに! 独りよりデートがいいでござるな。
 でも借景庭園なので、部屋は吹きさらし。暑い時期は暑く(この日も写真の涼やかさとは裏腹に、ひたすら暑かった)、寒い時期は寒いというわかりやすい状態なので、やっぱりねらい目は紅葉のころかもしれません

tentenさんへ
 お盆休みでしたか? 休みの後はリズムがおかしくなりますよね。
 こちらは今年はお盆休みもなく。うぅー、うぅー。でもこの景色を見ることができたから良しとします。
 文化とか、自然とか、守ろうとしなければ消えていってしまう時代に生きていることを実感します。本当の豊かさは、多様性の中にしかないと思うのですが。いろんな生命が、在り方が、つくろうことなくあるがままに存在できる社会がいいですねー。