常識について思うこと

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高めるべき成田の役割

2010年10月21日 | 社会

今日から、羽田空港の新国際ターミナルが運用開始ということで、ずいぶんと話題になっているようです。羽田は、首都圏でのアクセスも良いですし、これまでの成田空港に比べたら、格段に使いやすいと言えるのではないかと思います。

一方で、成田空港では、羽田空港の動きに対して、発着枠を増やす等の対抗策をとることによって、利用客の確保を図っているようです。私自身、こうした努力自体、それなりに評価するべきだろうと思います。しかし一方で、これによって、成田が盛り返すというのは、いささか楽観論に過ぎるのではないかとも考えます。それは、業界が業界なりの努力をすべきながらも、その枠組みの中だけでは、問題の解決に至らない局面があるということも、また事実だからです。

つまり、この首都圏の交通インフラを巡る問題に関して言えば、交通インフラそのものの問題というよりも、そもそも、当該交通インフラを使いたい(あるいは使わざるを得ない)環境になっているのかという点が、より重要なのではないかと思うのです。そうした観点からの施策は、成田空港のみならず、社会実験と称して、わざわざ行政が予算をとって値下げをしている、東京湾アクアラインのような交通インフラにとっても共通して言えることでしょう。

この点、既に本ブログの中でも述べている通りです(「値下げ以上の知恵」、「負担から投資への発想」)。即ち、自ずとその交通インフラを使いたくなるような環境作り、社会投資が、より重要になってくるのではないかということです。具体策については、既に繰り返し述べている通りですので、詳述はいたしません。端的に述べるならば、日本のコンテンツを最大限に活かした一大観光エリアを造成するということです(「別世界の演出ができる国」、「観光立国日本へのヒント」、「コミケとディズニーランド」等参照)。

こうした施策によって、成田空港は観光というテーマで差別化ができるようになります。羽田空港は、首都圏からのアクセスが申し分なく、その利便性は覆しようがありません。したがって、成田空港は、羽田空港にはない別のテーマを掲げるわけです。つまり、成田空港を日本観光の玄関口として、外国からの大勢の観光客を招き寄せる拠点として活用し、一方で、首都圏からのアクセスについては、東京湾アクアラインのようなインフラを最大限に活かして、その近さを訴えるわけです。

もちろん、こうした計画の実施には、膨大な投資を必要とします。しかし、この問題は小さく成田だけの問題には留まりません。これから、世界のリーダーともなるべき日本という国が、いかにして世界に対して自国の文化を発信していくか、さらにはそれをどのようにしてビジネスに繋げていくかということとも大いに関係することなのです。これは、とても重要な世界的テーマです。そうした問題意識に立った上で、日本が持っている資産を最大限に活用するための投資と考えれば、その膨大な投資も十分に合理的なものとなり得るでしょう。

蛇足ですが、先日、箱根に行ってきた弟がお土産として買ってきたのは、エヴァンゲリオンのクッキーでした。これは、エヴァンゲリオンというアニメ作品が、箱根を舞台にしているからですが、アニメをひとつの資産として活用している一例だろうと思います。もちろん、この程度では、まだまだ不十分です。本来ならば、エヴァンゲリオンのオブジェが(等身大ではなくとも)ひとつくらいあってもいいのではないかと思います。観光という視点から考えた時、日本には、とてつもなく良質かつ大量な資産が眠っていると言えるのです(「日本に眠る宝物」等参照)。

本日、羽田空港の新国際ターミナルがオープンしましたが、私なりには、そんなことを考えつつ、成田空港も大いに役割があるのではないかと思うのでした。

《おまけ》
個人的には、房総半島に日本のコンテンツを活かしたテーマパーク群があって、その中には、例えばガンダムワールドのようなものができたらと思っています。一攫千金のアメリカンドリームを象徴するレジャー都市・ラスベガスには、巨大なホテル群があります。そこにはピラミッドのかたちをしたホテルもあり、その中で泊まれるようにもなっています。翻って、このガンダムワールドには、お台場に出現したような等身大のガンダムはもちろん、ジオン軍のモビルスーツもずらりとあって、ホテルはホワイトベース(戦艦)というのが面白いでしょう。ホテルの中に入ると、戦闘員の居室のようなルームに宿泊できるようになっていて、浴衣の代わりに連邦軍の軍服が着られるとか・・・。まぁとにかく、こういう施設があったら、とっても楽しいと思うのです。

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