降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★CTS会議は踊りまくった=僕的『メディアの興亡』(5)

2012年10月07日 | 新聞
【10月4日付の続きです。写真は本文と関係ありません】
1990年代、新聞社の編集整理部員としてCTS(コンピューター組み版)開発委員会に携わった僕。
大きな声では言えないが、社外アルバイトで手がけていた新聞は既にフルページCTSだった。
だから伝票の書き方や「U」【注】、オペレーションも多少知っていたので、どんと来い!だった。
人生に無駄なし、である。

本業(←こらっ)新聞社のCTSホストはIBM製。
これは『メディアの興亡』(杉山隆男)にも書いてあるとおり、1970年代からの技術集積と朝日・日経新聞のソフトがあるから、それぞれの新聞社に応じた要請と手直しで済む段階にまで来ていた。
(←だから、ゼロからつくりあげた朝日・日経の大先輩がた、日本IBMのエンジニアは本当にスゴいのだ!)

電算室、印刷局、製作局、配送部、工務室、広告局、画像部、データ室、編集整理部、同出稿部などが会したCTS開発委員会。
初めは、技術部が各局各部から「システムで、こうしてほしいとかありませんか?」と意見吸い上げをしていたが、
まぁ、会議は踊る踊る踊る踊る踊る踊りっぱなし――。
ふだんはあまり口もきかない編集出稿部と、コソコソボソボソ
「こりゃ長いぞ~。間に合うのか、社屋工事して1年半後CTS稼動」。

なんとしても、1年半でCTSに移行し、活字組みを終了させる。問題は、ホストコンピューターや機器・端末を設置するため、社屋工事をしながら、新聞を鉛活字で日々発行するというダブリ期間をどうするか――といってもやるしかないのだけど。

この日、「1年半後全面移行」も大変だが、僕たち編集は「翌日」の朝刊編集準備も抱えていたから、
「長いな~会議。もう午後4時だぜ、明日の出稿準備しないとなぁ」
会議ばかり、あと何回も何回も何回も続くのかと思うとイライラした。
ところが、あとで考えると、技術部はすでに…………。
――長くなったので、後日(書くかも)。
【U・ユー】ユニット(単位)のこと。新聞編集は活字組み時代は「ミルス」を最小単位とし、「1倍」を88ミルスとした。例えば当時、段組み前文は少し広めの行間「行間1倍アキ」と指定した。
CTS化で11ミルスを1Uとして、「1倍」を8Uに置き換えた。
現在、人事異動欄などで使う小さな偏平文字が1倍活字で、縦8U横10U。


(o・・o)/

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