降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★巧妙なSB全面広告ではないか。

2011年07月30日 | 新聞

「あ、ついにやったな……」と思った。
朝日新聞7月30日付オピニオン面「主筆若宮啓文が迫る」は、クレジットなしのソフトバンク全面広告ではないか。

「本紙編集長が□□社長に聞く!」は、業界紙がよくやる手法。あからさまな広告は読まれないことがあるが、記事扱いなら読まれる。

健康もの、高齢者マンション、旅行もの全面広告が多い朝日新聞。
記事広告には、左肩・右肩に「広告」という四角囲みの、ある一定の大きさのクレジットを入れないとならない(あるいは「企画編集=新聞社広告局」)。
でも、同じ効果を得る『対談』という形なら分からない。
かなり手が込んでいる。

「若宮 孫さんは3・11の直後に建設株を大量に売買して、100億円を大きく上回る利益を得たといううわさがありますが?」
「若宮 自治体が土地提供などで協力しても、発電事業の収益は9割以上をソフトバンクがとるそうで……」
「若宮 自民党の谷垣総裁が、日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)を買収した孫さんに持続的な経営を約束してもらったのに売り抜けられたと不信を語っていました(中略)
……今度もうまくいかなかったら、さっさと引き揚げちゃうんじゃないかと言う人もいます」
必ず、マイナスの質問を投げ、社長に否定させるパターン。
いやらしい。
記事のゲラ校正やりとりは多かった気がする(笑)


8月から、ソフトバンク広告の出稿に注目。
あるいは定期購読増か。




(;¬_¬)

★誰にもある「なぎさホテル」

2011年07月29日 | 新聞
生きていくのは、苦しみと哀しみの連続――
ということは分かっているけど、
ごくまれに、素晴らしく、心震えることがないわけではない。

伊集院静さんの『なぎさホテル』(小学館=写真)を読んで、
「伊集院さんのようではないけど、僕にも『なぎさホテル』がないわけではなかったよなぁ」
と思った。


なぎさホテル。
神奈川県逗子にあった渚ホテルが舞台。
1978年冬(伊集院さん28歳)~84年(同34歳)まで逗留した日々を綴ったもの。
酒、離婚、不義理を重ね私生活が荒廃した時代から、作詞家・作家デビューした時代の、人生のジェットコースターに当たる時期だから(読む側からみれば)面白くないわけがない。


「昼間、海のそばで飲むビールは美味しいもんでしょう」
支配人Iさんが、ひとり真冬の海を見ていた伊集院さんに声を掛けたことから、逗子生活が始まるが、
こんなに優しく、粋で、ダンディーで、
無償の心遣いをする優しい人々がいるのかぁ!
人生、捨てたもんじゃないなぁ!
と思った(でも、書き出しがあまりに小説的といえなくもないが)。


「いねむり先生」との時期もそうだけど、伊集院さんは
出会いと人に恵まれている。恵まれすぎているなぁ、これも人徳なのかなぁ(←夏目雅子さん含む・笑)
と読み進んだ。





(^o^)/

★徳間康快氏に捧げるコクリコ坂?

2011年07月27日 | 新聞/小説

【写真は本文と関係ありません。京都・四条大橋です】

スタジオジブリ最新作「コクリコ坂から」(宮崎吾朗第2回監督作品)を見た人は、
後半の「徳丸社長直談判」シーンをどう見ただろうか?

国鉄新橋駅から徳丸ビル、社内の様子など、かなりの尺をとって丁寧に描かれている。
「あれ? ここって徳間書店じゃん! 徳丸社長は徳間康快さん!」
と思った。

徳間康快さんは、ジブリの親というか、大スポンサー。
読売出身で、自民党はじめ政財界との交流が深く、音楽・出版から日刊新聞発行まで手がけていた昭和のメディアミックスさきがけ(現在の徳間書店は銀行管理下になったはず)。

徳間さんは日刊新聞「東京タイムズ」を発行していて、伝統ある七社会に加盟し、一時期は首都圏有力紙(だったと聞いた)。
東タイ印刷のほかにも、新橋駅近くに新聞編集&印刷工場を構え、政党機関紙や業界紙を作る(移転して、現在は読売新聞などを印刷するサテライトになった)など、新聞が好きだったようだ。


「なぜ、さほど重要ではないと思う『徳丸』シーンを、これほど丁寧に書き込んだのだろう? 宮崎駿さんは」
これがナゾだったけど、『ブルータス』ジブリ特別編集号を見て、少し訳が分かったような気がした(←吾朗監督って、アニメ描けないのに監督やっていたんだね。ある意味、すごい)。




\( ̄0 ̄)/

★最近デモ行進が多くない?

2011年07月26日 | 新聞
東京・渋谷駅頭で見た=写真。
新橋、日比谷のほか、「東京18区」でも見た。
最近、デモ行進をよく見る。いずれも異なる主催団体。

「鳩山前首相にペテン師と言われた菅直人は、日本を破滅させるぅ~」
「菅こそ最大の瓦礫だぁ~、放射能漏れより有害だぁ~」
「ソフトバンクに吹き込まれ、思いつき延命政治をやめろぉ~。ダダ漏れ放射能から子どもを守れぇ~」(以下シュプレヒコール)
さすが、市民運動家。支持率17%(共同通信調べ)菅首相批判が軸。

よく聞いていると、中には
「原発を勝手に止めるなぁ~。涼しくしろぉ~。電気代さげろぉ~」
「安全な原発をつくり世界輸出しろぉ~」(いずれも原文ママ)
というのもあったから、訴えは多種多様のようなのだ。




(* ̄O ̄)

★スゴ~イ丸谷才一センセイ。

2011年07月25日 | 新聞/小説

【写真は本文と関係ありません】
文壇長老、文藝評論界お目付け役の丸谷才一さんが、『絆回廊/新宿鮫X』(大沢在昌、光文社)の書評!
7月17日付毎日新聞「日曜書評/今週の本棚」には驚いた。

新宿鮫・鮫島が「東大法学部卒」というところから言及するのはコノ人らしいが、
「シリーズものの主人公として、新宿鮫は眠狂四郎、あの金田一耕助をしのぐほどのスターであろう。」
って古いよ、丸谷センセイ。

さらに、
「新宿鮫は、21世紀の市井風俗を題材とすると見せかけて実は日本近代史全体をとらえようとしている。」
考え過ぎ、あるいは読み間違いではないかなぁ? ただの上質エンターテインメント。
さすが大御所。

センセイの書評オチがスゴいのだ。
鮫島の恋人の晶が別れるという声明を出すが
「コナン・ドイルが、シャーロック・ホームズをモリアーティ教授と格闘させ、探偵を滝壺で死なせた事件以来の愚挙である。」
重ねて、すごく古いよ! さすが大御所。19世紀ぐらいで止まっていませんか?


ちなみに、大沢在昌さんの父親は中日新聞本社役員でした。




(-゜3゜)ノ

★伊集院静さん新刊新刊新刊新刊。

2011年07月23日 | 新聞
『大人の流儀』(講談社)
『いねむり先生』(集英社)
『作家の遊び方』(双葉社)
『なぎさホテル』(小学館、デジタルブックファクトリー)
『伊集院静の流儀』(文藝春秋ムック)=写真
立て続けに本を出している伊集院静さん。直木賞選考委員(2011年~)も始まり、すごいなぁ。

作家然としたたたずまいがビジュアル的に絵になるのか、新刊広告や雑誌のグラビアでもサマになる。
もう一つに絵になるのが、サントリー広告でもおなじみの、万年筆で書く文字。
達筆である。
モンブラン・マイスターシュテュック149だろうか。


文春ムック『伊集院静の流儀』を読んでいたら、藤原伊織さんとの対談があった。
ともに、広告業界とギャンブルの世界を生きた。伊集院さんと伊織さんの人間性が見えて、とてもいい対談だった。
伊織さんが存命なら
「今ごろは伊集院さんと直木賞選考委員だっただろうね……善キ人ハヤク逝クだね」
と広告会社の人と話した。




(-_☆)

★手抜き見出しを見た。

2011年07月21日 | 新聞
新聞では、つけると恥ずかしい見出しがある。
「感動をありがとう。」

陳腐である。手抜きである。読み手を小ばかにしている。
「お前は小泉元首相か?」「こんなのは何も仕事してないのと同じだ! 給料から引くからな!」とデスクなら言いたいくらいの「恥をしれ」見出しである。

朝日新聞本紙ではないからいいけど、朝日週刊誌はなぜか、この手抜き見出しが大好きなのだ。
加藤清史郎クンの表紙「週刊朝日」7月29日号=写真。
「なでしこジャパン/感動をありがとう!」。
突っ込み見出しとはいえ、見苦しい。BK100で「速報! なでしこジャパン」とかやればいいのだ。

ほかに、2010冬季五輪のときも金赤デカ文字で
「感動をありがとう。」
だったから、よほど好きなんだね。とにかくスポーツ記事には、この「感あり」使い回しなのだ、週朝とAERA。
今どき高校新聞、大学新聞でもつけないよ(たぶん)。




(`∀´)

★京都は喫茶天国どすえ=祇園祭編(4)

2011年07月20日 | 新聞
京都は喫茶店が多い街。
ドトール、スタバ、上島などメジャーもあるけど、やはり地元資本・個人営業の店の方が落ち着く。

有名なイノダコーヒ、前田珈琲本店、からふね屋はさておき、
「フランソワ喫茶室」「築地」「喫茶ソワレ」の名門乙女系有形無形文化財観光喫茶より、「やっぱ、地域密着型でしょ」なので、
河原町三条「六曜社1階」によく行く=写真。

街のど真ん中にある、伝統ある店。
各テーブルにマッチ&灰皿付きだから当然喫煙OK(←嬉しい!)。
京都新聞から日経、日刊スポーツまで主要9紙を完備(←新聞代だけでも大変だね)。
小腹がすいたら名物ドーナツ(100円)も。
珈琲は安いし、スタッフの女のコは気配りがいいし。
朝、地元客の話している京ことばを聞いているだけで楽しいし。


この三条界隈には、他に
美空ひばりが常連だった「寺町スマート珈琲」
店舗デザインが評判で最近赤丸急上昇の「直珈琲」
があり、街歩きのあとにちょうどいい。
京の喫茶店は、全面禁煙という喫煙者排除の店があまりないのが一番いい。





( ̄▽ ̄)

★京都新聞は巡行1面どすえ=祇園祭編(3)

2011年07月19日 | 新聞

「東北復興、京から元気発信/山鉾巡行に…万人」とかなんとか、震災と絡めた祇園祭巡行見出しだろうな……
と思っていた。あ、やっぱり。
京都新聞18日付一面「連なる山鉾、うなる観衆/巡行に20万人」=写真。
第2社会面「都大路の熱気、東北へ届け/京の被災者祈り重ね」。
ちなみに、同日の京都新聞は「溥儀の米国債投資詐欺」というラストエンペラー絡みネタが社会面トップ。


観光客向け祇園祭巡行が終わり、あとは地元の方々の、静かな祇園祭が行われる。
でも、平安神宮近くにいる知人は「祇園祭は八坂さんのお祭りで、こっちは関係あらへん」と言う。
京都は広いんだね。
むしろ、8月16日の五山送り火が近づいた~と、大文字山の準備の方が気になるらしい。

キーワードは「復興」。
送り火(8月16日)翌日の新聞見出しも、だいたい分かるね。





(^o^)/


★祇園祭巡行はアチチどすえ=京都編(2)

2011年07月18日 | 新聞
「京都の朝はイノダコーヒから始まる」と言ったのは池波正太郎さん。
「イノダコーヒ三条店カウンターで京都新聞を読むことから始まる」と言ったのは僕。


祇園祭クライマックス・山鉾巡行。
「エンヤラヤー、エンヤラヤー、エンヤラヤー」
午前9時、神と人間界の結界を切断する注連縄切りが行われ、長刀鉾を先頭に、山車32基が四条通から巡行をはじめた。
御池通の両サイドには観覧席(有料3100円~)が設けられ、観光客が座って見ているが、このサウナ的炎暑、命にかかわるほどと思うが大丈夫か? 高齢者。
ちなみに、ツウはKBS京都の生中継(写真)を少し見てから街に出るのです(笑)



知らなかったのだけど、巡行は17日の「前祭」(さきまつり)、24日の「後祭」(あとまつり)が本来の形と聞いた。
昭和41(1966)年、行政が一本化したが、再び「元の形に戻そう」という動きがあるという。
宵山も2回、巡行も2回楽しめるからいいかもしれない。





=ε=(ノ≧∇≦)アチチ