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マスタリングを終えたKUNIZO BIG BANDのお楽しみはこれからだ!

2008年01月25日 | Jazz
19日には、最終マスタリングを終えたばかりのCD【Kunizoビッグ・バンドの新作『Introducing The KUNIZO BIG BAND』(TJC-001)】を、何と御茶ノ水の『オーディオ・ユニオン』の3階で聴いてきた。ほんのちょい聴きだったけれど、思わずニヤニヤしてしまいそうな素晴らしい出来である。
こりゃ、凄い、とても素晴らしい出来だ。なんと言っても各楽器のリアリティが格段に素晴らしい。特にサックス・セクションのハーモニーは抜群である。思わずウットリ聞き惚れてしまうような曲が続いていく。どの楽器もリアルだが、特にバリトン・サックスのソノリティは本当に素晴らしい。分厚いハーモニーのなかでも一頭地ヌケたその音のテイストに脱帽である。その他にもトロンボーン群のチームワークにも驚かされるだろう。ただしバス・トロンボーンの音がまだ遠い。もう一歩前へという感じだ(この収録をご覧になった方には分かりますね。ワン・ポイント録音だからなのです)。
残念ながらトランペット・セクションの音のヌケがもう少しいいとメリハリが付いて「キラキラ感」が横溢する音となる筈ですが、やはり着座のままの演奏が裏目に出てしまったかも。トランペット群のブリリアントな咆哮というところまでは、残念ながら至っていません。これは、小さな瑕瑾ですが残念ではありますね。
このビッグ・バンドは、以前も書きましたが強者揃いのメンバーを擁しています。また本物のビッグ・バンドをPA無しで聴く機会なんていうのも、滅多にないことだったわけで、個人的にも注目度はとても高いコンサートでした。そして出来上がったCDは巷間に数多存在するビッグ・バンド盤に一歩もひけを取らないどころか、それらの名盤を遙かに凌ぐ、名録音盤に仕上がっています。素晴らしい演奏と録音が味わえる名盤誕生を素直に喜びたいと思う。
ちなみにオーディオ好きの方は、この盤は、まさに音場情報の宝庫といっていい盤なので、座右の一枚として強くオススメしたい。
なお今月29日には、再び杉並公会堂小ホールで、このバンドのレコーディング及びコンサートが予定されている。滅多に体験出来ない録音風景も再び公開されるし、コンサートももちろん楽しめるという一石二鳥の美味しい体験が出来る。こちらも「レコーディングなんて見たことない」という方には、必見必聴間違いなし。
ちなみに今回聴いたのはマスタリングを終えた音源のCD-R焼きの盤。従って実際の生録された音源を100とするとこのCD-Rは、情報量から言っても2割方は落ちている。29日に引き渡される本盤は、果たしてどの位に仕上がっているか、お楽しみはこれからだ。

SD05ユーザー御用達のリラクサを自宅で聴いてみる

2008年01月21日 | Audio
SAPのリラクサ4をお借りしたので、今日はサウンドデザインのSD05を、このリラクサ4の上に載せて色々と聴いている。
え?CDプレイヤーを乗せるんじゃないの?との声が、SD05ユーザーの方々から聞こえてきそうですが、それは常道に過ぎて面白くない選択だと思うので、ちょっと天邪久かもしれませんが、まずはSD05をリラクサ4の上に載せて聴いているわけです。
なんといってもこのリラクサは、SD05ユーザーの定番の一つ。いままでも色々なところで何度も聴いてきたアクセサリー。しかし、自宅で聴けるなんてなんて思ってもいなかっただけにとても嬉しい。
というわけで、私のヘビー・ローテーション盤の一つであるキース・ジャレットの新作『マイ・フーリッシュ・ハート』の表題曲を中心に聴いている。一言で言えばSD05をリラクサ4の上に載せただけで、情報量がアップした音になって驚いた。音の立体感というのか、音場情報の懐の広さがしっかり見えてくるような音になっている。こりゃ、皆さんが外せないわけだわなぁ。リラクサ4ってやっぱり凄いかも
調子に乗って電源ケーブルの比較試聴や、デジタル・ケーブルの比較試聴、果てはアナログ接続にしてインターコネクト・ケーブルの比較試聴まで行ってしまったわけだが、今までのセッティングである親亀の背中(CDPが親亀でSD05が小亀です)に載せていた時と比べると、各々のケーブルの持つ強み、弱みが手に取るように分かる。微弱信号が巧くアンプへ伝わっているからだろうか、その微妙な違いを良くスピーカーへ伝えて音にしているという感じなのだ。
それにしてもケーブルの抜き差しする時にグラリとくる揺れは、とても気になるものだが、それを越えて余りがある音が出ている。けして美音調になるわけでもなく、CDに入っている音がそのまま出てくれているような感じ。やっぱりマスキングされていた音が出てきているのだろう。情報量が相当増えている。
うちの場合、情報量が増えると、聴こえ方にパターンがあって、明らかに音が滲んで聴こえるのだが、今回もその例にならって、初日はしっかり音が滲んで聴こえた。しかし今日、帰ってきてから聴いた感じでは、その滲みが相当減っている。よしよし、良い感じだぞとほくそ笑む私。もう2,3日もすれば、この滲みもしっかり解消するはずだ。そうすればまた週末になるので、今度はリラクサ4の上にCDPを載せて試聴してみよう。大いに楽しみではある。
とはいいつつ、今週中にうちに各種ケーブル(インコネ系)が届く予定。その中に、デジタル・ケーブルも含まれており、非常に楽しみにしていたりするのだが。

アイソレーション・レギュレター(CSE製RK-100)を聴く

2008年01月14日 | Audio
成田さんの所からCSE製のアイソレーション・レギュレターが届いた。クリーン電源というやつである。1ヶ月ばかりお貸しくださるというので、いろいろと遊んでみたいと思っている。今日は、CDPの電源のみをこのレギュレターを通して、どういう音になるかを一つ一つ詰めていこうと思う。
1)スルー・モード:すなわち、レギュレーションしない電源がスルーの状態で聞いてみる。ただし電源はこの機械を通っているという状態。
2)50Hzと60Hzの違いはどの様に聴こえるのか。ハッキリさせたい。
単純に言えばこの2つである。実際は、まったくレギュレーターを通さない今まで通りの音との比較である。
1)での違いはアイソレーションするか、しないかという違いしかないのだが、この機械を買うような人であえてアイソレーションしないでスルーにする設定で使っている人はいないだろう。
スルーとはいえ、この機器の中を電源が通っているので、出てくる音にやはり「覇気」がない。鮮度が落ちる音なのだ。しかし、これは、アイソレーションしたときの落差を示すためには好都合なのかもしれないからなのか、などといらぬ事を考えてしまうぐらいの違いである。つまりスルーするならこのアイソレーション・トランスを入れていない今までの通常の電源接続の音の方が、余程いい音なのである。つまり余計な夾雑物を通しているのが実によく分かる音で、音楽がまるで生気のない音と化す。当たり前といえば当たり前だが、スルーするなら使わない方がいいだろう。
2)は、アイソレーションしての使用なのだが、実際に50ヘルツと60ヘルツでのオペレーションの違いがどういう風に聴こえるかというのが眼目だろう。前述したようにアイソレーションするのとしないのはかなり音楽を聴くという観点からも、全く違う音楽に聴こえるくらいに違いは、ある。毎度で恐縮だがクインシー・ジョーンズの<ブラジリアン・ウエディング・ソング>でのコーラスの人数が、明確に見えるように鳴るのがアイソレーションを入れたときである。ハービー・ハンコックのエレピもコーラスのも格段に高いところに定位して聴こえるようになる。またジョージ・ベンソンの弾くピッキングのタッチが、以前のうちの環境では、軽く弾いていると思いこんでいた音なのだが、実はかなりストロークを強めにピッキングしているのが初めて分かった次第。そういう意味では、音楽的に鳴っているのは、明らかだ。
では、50Hzと60Hzの違いはいかに!と意気込んで聞いてみたが、正直小生の駄耳にはその違いがよく分からない。強いて針小棒大に言うならば、左右の音場が広いのが60Hzであるのは、間違いないが、各楽器の音色などが、大きく変化しているか?と問われると、その違いはほとんど感じられないと言わねばならない。ただしこの左右の音場の違いはしっかりあって、この60Hzの左右の音場感を聴いてしまえば、50Hzには戻せない体になってしまう。
もう一つ60Hzでは最低域での解像度が向上しているのが分かる。バスドラの皮の張り具合までがよく分かるのだ。この違いはクラシックのオーケストラのベースのピチカートなどを聴くととても違いがよく分かる。また出てくる音全体を包括して書けば、音のザラつきが減っているということに尽きる。音の粒状化現象ともいうべきか。正確にはパウダー現象ということかもしれないが、とても滑らかな質感を音楽にもたらす。つまりある意味、鮮度が上がっているように聴こえる。これがアイソレーションしている音なのであろう。しかし、逆に言うと音が丸くなったという人も出てくるのではないか。
というわけで、粗探しの様な聴き方になっているのだが、この機械は定価が89000円で、実売が7万円強ということだが、マンションや共同住宅というような電源回りが良くない場合には、相当有効な機械ではないか、と思う。しかし、うちの場合は分電盤から直接壁コンに引いてきているからか、「激変」という変わり方には達していない。この辺がコストパフォーマンス的にどうなのよ、という感じがするところだ。
ちなみに使いこなし的には、要点が3つあって、一つは110Vと117Vが変更出来る仕様になっているので、当然ながら117V使用の方が、音的にはビビッドであり、鮮度も向上する。機器的には無保証ながら、この聴き方がうちではベスト。またこのトランスへの電源供給ラインがプアだと、それなりの音になるので、注意が必要だ。うーーん、そうなるとまた電源ケーブルの代金がかかりそうで怖い。そして明らかに硬い物の上に置くこと。今回は大理石の上で試聴。これは全体の鮮度に影響があったことを書いておこう。そうそう、またしても大理石の花瓶が、このトランスの上に鎮座したことも付け加えておこう。