「HUM」とはダニエル・ユメール(ds)、ルネ・ユルトルジェ(p)、ピエール・ミシェロ(b)の3人によるトリオのこと。僕が大好きな3人がピアノ・トリオを組んだ盤が3枚集大成されているわけだ。それだけでも嬉しい。しかし先日までこの盤の存在を僕は知らなかった。過日ディスクユニオンお茶の水に行った時に見つけてこっそり買ってきた。どうも1999年にリリースされているようなのだが、僕には初体験である。ちゃっかり中古でこの盤を手に入れることができて、とても嬉しい。あまりの値段の安さに思わず「これはもしかして駄目盤か?」とも思ったくらいなのだ。
さて、この盤はこのトリオが残した1960年9月5,6,7,8日パリの『クラブ・サンジェルマン』でのライブ録音であるVega(Calyne)盤、1979年6月パリ録音のCarlyne盤、そして1999年2月にブーローニュで録音されたSketch盤という構成で約20年ごとの記録を3枚組にしたものだ。本作を聴いていると、なぜか大河ドラマを見るようにしてフランス・ジャズの歴史を垣間見ることが出来るようにもなっている。
ユルトルジェは50年代からパウエル直系のピアニストとしてフランスを訪れるミュージシャンと共演するなど、フランスでも一目も二目も置かれるミュージシャンであり、フランス・ジャズ界を代表するピアニスト。60年代のプレイを聴いても全く色褪せないジャズの真髄をこの盤でも随所に感じさせてくれている。
同様にドラムスのユメールも大好きなミュージシャン(昔はそんなに好きじゃなかった)だし、ミシェロ(ジャック・ルーシェのトリオ時代も大好き)にしても僕の大、大、大好きなベーシストである。大好きな3人が集まった作品が僕にとって悪かろうはずがないのだ。
収録されている順から言えば1999年の作品から聴くのが順当だろうけれど、僕はやっぱり60年のクラブ・デートから聴いた。バンガード・ライブの名盤も多いけれど、このサンジェルマンでのライブ名盤も多い。この1作もまさに名作・名盤である。なにせクラブの臨場感タップリなのだ。エバンス盤を引き合いに出すまでもなく、この雰囲気だけでとても嬉しくなってしまう。この60年ライブは、まさにパウエル直系をひしと感じさせてくれるものだ。今、ピアノ弾きが忘れてしまっている「なにか」がここでの演奏にはある。<想い出の種><バイ・バイ・ブラックバード><ウェル・ユー・ニードント><ローラ><エアージン>など8曲(46分)は堪りません。
約20年後の79年の1枚には僕の大好きな<ザ・デューク><エアージン><イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー>など9曲(36分)、そして99年録音から<帰ってくれれば嬉しいわ><セレナ>(ルネの名曲)<エブリタイム・ウイ・セイ・グッドバイ><エアージン>など12曲(48分)が納められている。
今回の3枚にはなぜかこの<エアージン>がちゃんと収録されていてその時代ごとのプレイが聞き比べられる趣向となっている。図らずもそうなったとしか言いようがないのではあるが・・・。
それにしてもこの盤、寺さんの「JAZZピアノ・トリオ名盤500」(だいわ文庫)に入っていないようなので「それはちょっとないんじゃないの!」と思った次第。
なおこの盤はとびきり音がいい。60年ライブもまさに今甦るっていう感じだし、79年の作品はまさに時代の音がしている(とはいえ、最近の録音?と間違う人も多いと思う)。99年の作品は、もう極上だ。それにしてもドラムスもベースも録音年代に関係のない好録音。やっぱりピアノの音にその時代、その時代の音は出ているけれど、それも歴史の一こまのようにあたかも響いてくるのは、僕にはとても好ましい。聴いていてとても和めた。
さて、この盤はこのトリオが残した1960年9月5,6,7,8日パリの『クラブ・サンジェルマン』でのライブ録音であるVega(Calyne)盤、1979年6月パリ録音のCarlyne盤、そして1999年2月にブーローニュで録音されたSketch盤という構成で約20年ごとの記録を3枚組にしたものだ。本作を聴いていると、なぜか大河ドラマを見るようにしてフランス・ジャズの歴史を垣間見ることが出来るようにもなっている。
ユルトルジェは50年代からパウエル直系のピアニストとしてフランスを訪れるミュージシャンと共演するなど、フランスでも一目も二目も置かれるミュージシャンであり、フランス・ジャズ界を代表するピアニスト。60年代のプレイを聴いても全く色褪せないジャズの真髄をこの盤でも随所に感じさせてくれている。
同様にドラムスのユメールも大好きなミュージシャン(昔はそんなに好きじゃなかった)だし、ミシェロ(ジャック・ルーシェのトリオ時代も大好き)にしても僕の大、大、大好きなベーシストである。大好きな3人が集まった作品が僕にとって悪かろうはずがないのだ。
収録されている順から言えば1999年の作品から聴くのが順当だろうけれど、僕はやっぱり60年のクラブ・デートから聴いた。バンガード・ライブの名盤も多いけれど、このサンジェルマンでのライブ名盤も多い。この1作もまさに名作・名盤である。なにせクラブの臨場感タップリなのだ。エバンス盤を引き合いに出すまでもなく、この雰囲気だけでとても嬉しくなってしまう。この60年ライブは、まさにパウエル直系をひしと感じさせてくれるものだ。今、ピアノ弾きが忘れてしまっている「なにか」がここでの演奏にはある。<想い出の種><バイ・バイ・ブラックバード><ウェル・ユー・ニードント><ローラ><エアージン>など8曲(46分)は堪りません。
約20年後の79年の1枚には僕の大好きな<ザ・デューク><エアージン><イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー>など9曲(36分)、そして99年録音から<帰ってくれれば嬉しいわ><セレナ>(ルネの名曲)<エブリタイム・ウイ・セイ・グッドバイ><エアージン>など12曲(48分)が納められている。
今回の3枚にはなぜかこの<エアージン>がちゃんと収録されていてその時代ごとのプレイが聞き比べられる趣向となっている。図らずもそうなったとしか言いようがないのではあるが・・・。
それにしてもこの盤、寺さんの「JAZZピアノ・トリオ名盤500」(だいわ文庫)に入っていないようなので「それはちょっとないんじゃないの!」と思った次第。
なおこの盤はとびきり音がいい。60年ライブもまさに今甦るっていう感じだし、79年の作品はまさに時代の音がしている(とはいえ、最近の録音?と間違う人も多いと思う)。99年の作品は、もう極上だ。それにしてもドラムスもベースも録音年代に関係のない好録音。やっぱりピアノの音にその時代、その時代の音は出ているけれど、それも歴史の一こまのようにあたかも響いてくるのは、僕にはとても好ましい。聴いていてとても和めた。