Sugarのちょっとお寄りなさいよ

ジャズ、クラシック、オーディオ、そしてコーヒーの話題をお届け

Humair--Ultrager--Michelotボックス・セットのお楽しみ

2006年08月31日 | Jazz
HUM」とはダニエル・ユメール(ds)、ルネ・ユルトルジェ(p)、ピエール・ミシェロ(b)の3人によるトリオのこと。僕が大好きな3人がピアノ・トリオを組んだ盤が3枚集大成されているわけだ。それだけでも嬉しい。しかし先日までこの盤の存在を僕は知らなかった。過日ディスクユニオンお茶の水に行った時に見つけてこっそり買ってきた。どうも1999年にリリースされているようなのだが、僕には初体験である。ちゃっかり中古でこの盤を手に入れることができて、とても嬉しい。あまりの値段の安さに思わず「これはもしかして駄目盤か?」とも思ったくらいなのだ。
さて、この盤はこのトリオが残した1960年9月5,6,7,8日パリの『クラブ・サンジェルマン』でのライブ録音であるVega(Calyne)盤、1979年6月パリ録音のCarlyne盤、そして1999年2月にブーローニュで録音されたSketch盤という構成で約20年ごとの記録を3枚組にしたものだ。本作を聴いていると、なぜか大河ドラマを見るようにしてフランス・ジャズの歴史を垣間見ることが出来るようにもなっている。
ユルトルジェは50年代からパウエル直系のピアニストとしてフランスを訪れるミュージシャンと共演するなど、フランスでも一目も二目も置かれるミュージシャンであり、フランス・ジャズ界を代表するピアニスト。60年代のプレイを聴いても全く色褪せないジャズの真髄をこの盤でも随所に感じさせてくれている。
同様にドラムスのユメールも大好きなミュージシャン(昔はそんなに好きじゃなかった)だし、ミシェロ(ジャック・ルーシェのトリオ時代も大好き)にしても僕の大、大、大好きなベーシストである。大好きな3人が集まった作品が僕にとって悪かろうはずがないのだ。
収録されている順から言えば1999年の作品から聴くのが順当だろうけれど、僕はやっぱり60年のクラブ・デートから聴いた。バンガード・ライブの名盤も多いけれど、このサンジェルマンでのライブ名盤も多い。この1作もまさに名作・名盤である。なにせクラブの臨場感タップリなのだ。エバンス盤を引き合いに出すまでもなく、この雰囲気だけでとても嬉しくなってしまう。この60年ライブは、まさにパウエル直系をひしと感じさせてくれるものだ。今、ピアノ弾きが忘れてしまっている「なにか」がここでの演奏にはある。<想い出の種><バイ・バイ・ブラックバード><ウェル・ユー・ニードント><ローラ><エアージン>など8曲(46分)は堪りません。
約20年後の79年の1枚には僕の大好きな<ザ・デューク><エアージン><イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー>など9曲(36分)、そして99年録音から<帰ってくれれば嬉しいわ><セレナ>(ルネの名曲)<エブリタイム・ウイ・セイ・グッドバイ><エアージン>など12曲(48分)が納められている。
今回の3枚にはなぜかこの<エアージン>がちゃんと収録されていてその時代ごとのプレイが聞き比べられる趣向となっている。図らずもそうなったとしか言いようがないのではあるが・・・。
それにしてもこの盤、寺さんの「JAZZピアノ・トリオ名盤500」(だいわ文庫)に入っていないようなので「それはちょっとないんじゃないの!」と思った次第。
なおこの盤はとびきり音がいい。60年ライブもまさに今甦るっていう感じだし、79年の作品はまさに時代の音がしている(とはいえ、最近の録音?と間違う人も多いと思う)。99年の作品は、もう極上だ。それにしてもドラムスもベースも録音年代に関係のない好録音。やっぱりピアノの音にその時代、その時代の音は出ているけれど、それも歴史の一こまのようにあたかも響いてくるのは、僕にはとても好ましい。聴いていてとても和めた。

エンリコ・ピエラヌンツィの『ballads』に聴くイタリアン・サウンド

2006年08月26日 | Jazz
「このアルバム,最初はピンときませんでしたが,2回目,3回目と聴くうちに,響いてきましたよ。」と書かれたのはクリスさんですが、私も購入してきたその夜にアンプに灯を入れてすぐに聴いたときは「ちょっと眠い音だし、同じテンポばっかりだし、な、な、なんだ、これ!」って感じました。
で、この盤を聴かずに1週間ほどほって置いた(駄目盤候補にしていた)わけですが、本日、マーカス・ミラーでアンプを温めた後に聴いてびっくり。凄い音しているじゃないの!!!もしかして!
なにせ一番驚いたのは、曲が終わった後のピアノの余韻。フェードアウトしないで「ずーーと収録されている」のです。こんな盤は初めて。それも数秒じゃなくて20秒近い余韻。8曲目なんて聴いていて大丈夫?と思ったくらいです(ゆえに曲間がめちゃくちゃ長く感じます)。また最初に聴いたときのマーク・ジョンソンのベースがとても眠い音がしていたので、かなりガックリしたわけですが、今日はそんなことは全くなくて「力感たっぷり」のベース・ラインが堪能できました。こんなに印象が違うなんて、本当に盤の良い悪いを見誤る可能性が大です。気をつけなくてはいけません。
この盤は、お手元にあるオーディオのクォリティがあればあるほど楽しめる盤だと思います。今日は2回目に突入しておりますが、聴き飽きませんねぇ。それにしてもイタリア録音というのは、左右の音場いっぱいに拡がるピアノ、ドラムスという定位(逆に言えば超モノラル的)が多いのはなぜ? またステレオ音場内に音が充満しているっていう感じがとても快感ではあります。これを気持ちいいととるか、気持ち悪いととるかで、この盤の評価が違ってきそうではありますけれど。
スペース・ジャズ・トリオ以来に聴いたエンリコ・ピエラヌンツィですが、Blogの皆さんがご紹介されている他の盤も聴きたくなってきました。

フォープレイ2年ぶり、10作目のアルバムを聴く

2006年08月24日 | Jazz
さて、今日はフォープレイである。9月にリリース予定の新作『X』だ。
このフォープレイ名義の作品でさえも、もう10作目になるというのだから月日の経つのは早いものです。なんせ参加アーチストの写真を見ると、みんな頭が・・・。というわけでベテラン4人の妙技がお楽しみな1枚ではあります。バンド・デビュー作が1991年だったから、15年だもんなぁ。うーん、光陰矢のごとしです。
さて、この新作は各々の曲も楽しめましたが、僕はパット・メセニー・ライクな<イースタン・スカイ>、大好きなマイケル・マクドナルド(vo)をフィーチャーした<マイ・ラブズ・リービン>(これってスティーブン・ウィンウッドのアルバムに入っていた曲なんですよねぇ、なんでだ?)、カールトン十八番の泣きのギターが本当に堪らない<サンデイ・モーニング>など、各々聴き所もあって僕は気に入りました。でもアルバムとしての「芯」がないような感じもいたしましたが、どうでしょう。
またオーディオ・フリークの方が今作にまた期待をしているとするならば、ちょっと肩すかを食らうかもしれません。オーディオ的にドキリとさせてくれるのは7曲目の<トワイライト・タッチ>。この曲はいかにもボブ・ジェームスぽい演奏で、音質的にも音場感があって、オーディオ的にはこの曲が一番いいかもしれません。
そういえばネーザン・イーストがスティック・ベースを弾いている<スクリーンプレイ>は、とてもいい曲なんですけれど、イースト先生、ちょっとなぁというプレイで残念ではありました。借りてきた猫のようでキレがありません。
区切りのいい10作目にしては、もうちょっと「力」を入れて制作してくれるとなぁ、と思うのは僕だけ? これまたどうなんでしょう? スムース・ジャズの宿命?

ジェシ・バン・ルーラーの新作が凄い!

2006年08月23日 | Jazz
成田さんのお宅で聴かせていただいたジェシ・バン・ルーラーの新作『探求』を自宅でじっくり聴いている。
これは本当に素晴らしい。なにが素晴らしいってルーラーのギターの音色がである。まさにジャズ・ギターの王道を往く“音”なのだ。寡聞にしてこのギタリストについての詳細を知らないが、すでに何作もの作品を出しているようだ。彼の名前が頭に引っかかっているのは、彼がモンク・コンペの優勝者だったからかもしれない。いずれにしても、この新作はピアノとのデュオによるもので、2006年6月1日吹込みのスタジオ録音7曲と、2006年5月6日録音のライブ2曲で構成されている。なんと録音されたばっかりのほやほや盤です。  
1曲目が<ヒア・カムズ・ザ・サン>とクレジットされているのを見て、ビートルズもやるのか!と思ったのは僕の浅はかさで、ルーラーのオリジナルであった。この盤には彼のオリジナルが3曲納められている。そのどれもがなかなかいい曲なのだ。まさに「お主なかなかやるな!」である。
その他は、いわゆるジャズマン・オリジナルにスタンダードという構成だが、その解釈(編曲)もこの盤の聴き所だろう。デリケートなタッチで迫る<エスターテ>もいいし、<アイ・ヒア・ラプソディー>のエバンス=ホールへのトリビュートを感じさせる演奏も秀逸だ。<グッド・ベイト>でもなかなか噛みごたえのある性根の座ったプレイを聴かせてくれている。
デュオ相手のベルツ・ヴァン・デン・ブリンクについても実は全く知らないのだが、どうも盲目のピアニストらしく感性豊かな演奏が随所に光っている。出しゃばらないサポートの旨さがこの盤でも随所に聴かれるので、このピアニストによるトリオ作品などというのも思わず聴いてみたくなる。いずれにしてもこの盤は、ギター好きの方は当然としても、広くジャズ・ファンの人に聴いて欲しい作品だ。正直言ってギター作で久しぶりに興奮した。クールなデュオの中に二人のパッションがそこはかとなく漂っているという、この作りは間違いなくジャズ・ファンの話題となるに違いない。
また録音も実に優秀で、スタジオ録音部分での音場感がまず素晴らしい。スタジオ内のエアボリュームがしっかり感じられるのだが、実は最後の2曲のライブがスタジオと同一の定位ながら、音場はもっと広大で、スタジオの3倍くらいの空気感がしっかり感じられる。拍手がなかったら、スタジオを変えたの?という位に雑音が少ない。このスタジオとライブの聴き比べがしっかり出来るチェック盤としても本作は楽しめると思う。なお、ピアノの音像が大きいのが、僕にはちょっと不満ですが。
55Recordsも本当にいい作品を出すなぁ。五野さん、頑張ってくださいね。

天国に上る階段の夢心地『Contradictions/Christian Jacob』

2006年08月21日 | Jazz
もう1曲目の<Looking Up>を聴いた瞬間からこの盤の虜になりました。本当に名曲です。ペトちゃんが“名曲作成の達人”であることを再認識させてくれる盤もあります。そしてここでのクリスチャン・ヤコブ(ジェイコブ)も端正にペトちゃんの名曲に取り組んでいます。それも真摯なまでに。
クリスチャンのピアノ・プレイは実は初体験でした。ブログの皆さんが挙って取り上げていらっしゃる。ましてや酷評など1行もない。うーん、凄いのではないの、と思って購入して大正解でした。こういう作品に出会えるだけでも音楽聴いていてよかったなぁと本当に思えました。ブログの皆様ありがとうございます。
さて、このアルバムを聴いて、このピアニストのタイム感覚が尋常じゃないのがよく分かります。演奏がまったく縒れない。黒人ピアニストに多いのがこの縒れるという感覚で、これがアーシーだったりファンキーだったりするわけですので、けして悪いことではないのですが、彼はそういう部分がメトロノームの様に正確です。それはソロ・ピアノで演奏される<Colors>や<Memories of Paris>でも顕著で、ちょっと怖い位のタイム感覚。やっぱり若き日にクラシックをみっちりやったピアニストは違います。体内時計感覚ともいうのでしょうか。この盤を聴いてそう思いました。
今、<Brazilian Suite No.2>が流れています。もうウットリ。言葉を失いますね。ブログを見ていますと、この3人はかなり一緒に演っているとのこと。まさに阿吽の呼吸なわけですが、ここで敢えて苦言を一つ。
ここでのベーシスト、アンリさんは、もしかしてエレクトリック・ベースが本業なのでは? ましてや何曲かはエレベを引いてませんか? 僕にはそう聴こえます。ご存じでしたらお教えください。どう聴いてもラインがエレベ系のラインを弾いているんですよねぇ。<My BeBop Tune>なんかはその典型のように聴きました。果たして。
というわけで、買って大正解の盤、あっという間に57分が終わってしまいます。
雨の日はJAZZを聴きながら
<Contradiction>(矛盾)は,全曲よりも壮大なスケールで緻密に編曲されており,従来のジェイコブらしいアレンジの妙を十分楽しめる素晴らしい楽曲に仕上げています。
週末JAZZのページ
ぺトルチアーニへの尊敬の念と自身のピアニストとしてのポテンシャルがしっかりと刻まれた作品として、最近のジェイコブの代表作といえる作品になったのではないだろうか?

今日はアッサム・ペコーにしようかな 成田邸の新規導入SP試聴記

2006年08月20日 | Audio
ここ2週間ばかりは仕事がとても忙しくて、ジャズをじっくり聴いている時間が取れていなかったのですが、その割りにはCDを買いに行く時間はあったりして、なんだかなぁーという日々を過ごしておりました。
そんな折もおり、評論家の成田正さんから「新しいスピーカー入れたから遊びに来ない?」とのお誘いが・・・。これは聴きたい盤を放り投げてもお邪魔しなくてはなりません。というわけで、本日お邪魔して参りました。
購入されたスピーカーというのが、ソリッドアコースティック社製のASSAM pekoe(+専用イコライザー/CDP→EQ→Amp接続)という代物。紅茶みたいな名前ですが、これが12面多面体スピーカーなのです。古いオーディオ・ファンなら「あぁ、ボーズのやり方ね」と理解も早いのですが、逆に今のボーズの音を知っていると「これは一体何?」という反応が返ってくると思われます。(私もWhat?でしたから)
当初このスピーカーを購入されたと聞き、ソリッドアコースティックのHPを見に行きました。私「うーむ」と唸って何でこんなスピーカーを買うの?って成田さんの真意を測りかねました。ただ絶対に面白いだろうなぁとは正直思いましたけれど。
なんせ成田邸でのメインシステムは●CDP:ソニーXA7ES(XLR出し) ●AMP:サンスイAUα907XR ●SP:KEF LS3/5A + Rogers AB1 ●Analog:Thorens TD320Mk3+Shure V15VxMR ●CT:ソニーKA7ES ●DAT:パイオニアD-C88という実に正統的なシステムを組んでおられるので、なんで?というのがやはりあったわけです。
まずは丸テーブルの上に鎮座したアッサム・ペコーから試聴を開始。ダイアナ・クラールの新作『フロム・ジス・モーメント・オン』から。今回はクレイトン=ハミルトン・ビッグ・バンドとの競演で、ジャズ・スタンダード集。整然と居並ぶビッグ・バンドの上にぽっかりと乗っかるようにしてボーカルが浮かびます。
いわゆる普通のスピーカーで聴くような音とはまるで違って、音に包まれてしまう感覚で音楽が聴けるというのがとても「新感覚」。このアッサム君の最大のお楽しみは机上でのニアフィールドもかなり楽しいのですが、やっぱり音場はミニチュア・サイズ。というわけでスピーカーの間隔を開けて空中に(高めに)上げてセッティングしてみると面白いのではないの?と二人の認識(思惑)もピッタリ合って、L字型に設えてある成田さんの仕事机の両サイドにセッティングしました。これが大当たり。部屋中が音圧で満たされるとはまさにこのことです。「音圧で満たされる」と書いてしまうと「五月蠅くて喧しい」というイメージに受取られるかもしれませんが、全く正反対で二人の会話もちゃんと相手に届くのです。この相手のしゃべりがちゃんと聴こえるというのが、このスピーカーの興味が尽きないところかもしれません。このスピーカーは驚くほど能率も良いようですし、定格入力80W、最大入力も300Wと耐入力もプロ仕様といっても良いほど。能率良しで耐入力良しというパワーリニアリティがあるスピーカーではあります。

持参した『コントラディクションズ/クリスチャン・ヤコブ』をこの状態で聴きましたが、まだエージングが進んでいないせいか、艶ピアノがちょっとささくれている感じがありました。でも各スピーカーのストロークが取れてくれば、滑らかなピアノも堪能できる素質は十分に感じられました。というのも『グルービー/レッド・ガーランド』(xrcd)を後で聴かせて貰いましたが、その時はかなり良い感じで鳴っておりましたので(モノラルが立体感を伴ってセンター定位するっていう感覚も普通のスピーカーでは体験できないと思います)。
      
圧巻だったのは、フォープレイでカールトンのギターも、メーソンのドラムもそれはそれはリアリティのあるプレイバックぶり。これには私も完全にノックアウトされました。実体感のある音場というのは、まさにこういうことをいうのかもしれません。超リアルな音群と音場ではありました。
そしてこのリアルさを支えているのが実はサブウーハーのAKIMなんですねぇ。フライングモールのデジタル・パワー・アンプもなかなか滑らかな音を出しています。このサブウーハー単体で鳴らしている音も聴かせていただきましたが、ドスンバスンと鳴っているわけではないのですねぇ。本当にさじ加減というぐらい。でもこれが有るのと無いのとでは大違いというのが、今回のこのSP最大の隠し味(妙味)のような気がします。
なお成田さんはこのスピーカーを鳴らすために別系統でオーディオを組み上げています。共通のところもあるのですが、以下はアッサムを鳴らす為のシステム。
●CDP:ソニーXA7ES(RCA出し) ●プリメイン・アンプ:オンキョーA-933 ●SP:ソリッドアコースティックASSAM pekoe ●サブ・ウーファー用パワー・アンプ:フライングモールDAD-M100Pro HT ●サブ・ウーファー:ソリッドアコースティックAKIM ●自作卓上スタンド:マンフロット209+482の雲台をはずし、トモカ電気のショート・ポールと変換ネジで製作。改造が嫌な人には、延長ポール付きのマンフロット345を推薦 ●床置きスタンド:K&M 26010B(870mmタイプ)◎SP匡体に直接雌ネジが切ってあるため、スタンドの付け替えを頻繁にやる場合は、3/8同士のつなぎネジをかませないと駄目 ●SPカバー:学校の給食当番用の白帽子を100円ショップでふたつ購入とのこと。普通のSPと違って、毛ぼこりとか積もったら掃除が大変だから。
とのことでした。うーん、オンキョー+フライングモールというデジタルアンプ構成なのですねぇ。この辺は流石のマッチングでございました。
というわけで、このスピーカー購入の“真意”は聴かせていただいて見えてきました。一つは部屋中がこのスピーカーで音で満たされること(ボリュームを上げていっても五月蠅くない!のが素晴らしい)、もう一つは仕事で原稿を書きながらでもいい意味で音楽に集中(普通のスピーカーだとどうしても正対して聴いてしまう)出来ること。これがこのスピーカーをチョイスした理由なのかなぁと思いました。
それにしてもこのスピーカー、ジャズ・バーや喫茶店などに導入されるといいなぁと思いましたね。店の隅にいても音楽が楽しく聴けるというのは、素晴らしいことではないのかなぁ。そう言う意味でも一度は聴いてみる必要があるスピーカーですので、オーディオ好きの方は一聴をオススメいたします。
PS
それにしてもメインシステムのKEF LS3/5A + Rogers AB1の音は素晴らしいです。あの小ささであのスケール感。サンスイのアンプも名機中の名機だし。CDPも思っていた以上に帯域も広いし。うーん、考えさせられました。
それにしてもアッサムの音も2時間ぐらい聞いた後の音は、とてもKEFの音と似ていました。やっぱりオーナーの好みの音というのがちゃんと鳴るんですね。だからオーディオは辞められないのかもしれません。
とても楽しい時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。今度、壁コンを導入したら、また聴かせてください。

AK-5000からパイオニア製SPケーブルへ

2006年08月13日 | Audio

結論から言うと、スピーカーケーブルは、またもやパイオニア製極太ケーブルへ戻しました。
DenonのAK-5000は、かなりいいところまで来たなぁ、と思わせるパフォーマンスぶりでしたが、どうしても低域の再現性に納得がいかなかったからです。
500Hz前後の充実は認めるにやぶさかではないのですが、その下の方がどうしても良い感じで出ないわけです。ブライアン・ブロンバーグの『ウッド』などを聴くとやっぱり分かっちゃうんですねぇ。ですので低域のマッスがしっかりある最新録音盤だと低音が出ていないのがバレちゃうって感じでしょうか(スタジオのエアー・ボリュームなんかもやっぱり出てこない!のです)。
たぶん、もう少しエージングすると激変したりする可能性は感じられるのですが、そこまで、やっぱり待てなかったということなのでありました。
ちなみにこのパイオニア極太ケーブルの構造を調べるべく分解したところ、予想通り4芯で最後がスタッカッドして2芯になるというものでした。1芯当たりの線数はAK-5000と同じでしたので、芯線だけでも約倍(4芯)ということになり、この辺にこのパイオニアのケーブルが持つ低域の制動と力感の原初がありそうです。


AK-5000とCORIANのその後

2006年08月06日 | Audio
(=゜ω゜)ノ!!さんにも「かんぴょう巻き」といわれたデノンのスピーカーケーブルですが、約1週間のエージングを経て、その実力の程を垣間見せてくれるようになってきています。 
それにしてもこのAK-5000というケーブルは、エージングしていく度によく鳴るようになってケーブルでありました。まぁ、スピーカーケーブルもRCAケーブルもそうですなのですが、今までの経験則で言えばケーブルというのはエージングによって1)あまり変わらない。 2)徐々に変わって行く。 3)急に変わる。 4)最初からかなり良い感じで終末努力的にちょっとよくなるという変化パターンで進む思っていましたので、今回もご多分にもれずに2)の「徐々に変わって行く」という形でエージングが進みました。またエージングの仕方によって、特定の周波数帯(例えば高域)が徐々に改善されていくということが多いのですが、今回は全帯域で少しずつよくなるという形でエージングが進みました。
エージング開始当初は、帯域の広さは感じたものの、特定の帯域が突出したり、へこんだりという感じの表現(振る舞い)があったのですが、その凸凹がなくなり、フラットな帯域を確保しつつあります。現時点では常用ケーブルであるパイオニアの極太ケーブルに負ける部分もありますが(例えば最低域・重低音:50~200ヘルツ前後)、各楽器の厚みもほどほどに再現してくれるところを見るとなかなかコストパフォーマンスはいいケーブルかもしれません。中域の充実度もあってトランペットの抜け(実音とエコー)やサックスの音の厚みなどもエージング直後と違ってかなり再現出来ているので、ジャズをお聴きになる方にはこのケーブルは相当CPがいいのでオススメできるケーブルの一つです。とはいいつつなかなか売っていないのですけれども。
なお、もう一つ欲を言えばシンバルの厚みや押し出し感が出てくれると嬉しいのですが、まだかなり薄めです。エコーなどの分離もいいので、もう少し鳴らし込まないとこの辺は出てこないかもしれません。
もう1週間鳴らし込んでみて、戻すか、続けるかを決めるつもりでいます。
さて、もう一つのCORIANのインシュレーターについてですが、前回も書いた様に“滑らかなのに粒立ち”があるという印象は変わっていません。ちなみに外してピアノ・トリオ作品を聴くと、ちょっと“へなちょこ”トリオになるようなところがあって、音に力強さや切れ味がなくなります。ただしクラシックを聴かれる方は、今回のインシュレーターはちょっと音が強めに出てきてしまうので向いていないかもしれません。このCORIANインシュレーターを外すととてもよく分かることなのですが、もしかするとマランツ・トーンというのは、この辺を含めて音決めしているような感じが聴いていてとても感じました。
いずれにしても、もっと音に艶が欲しい時には、以前にご紹介した強化ガラス製のアロマ・キャンドル・フォルダーの方に利があります。例えばキースの『ケルン・コンサート』などでは、このキャンドル・フォルダーで聴くとピアノは「艶々」でホールの空気までが「トロリと甘い」空気感が再現されます。というわけで、インシュレーター有り、無しは、聴く音楽次第ということかもしれません。好きな音楽がポピュラーというのなら、明らかにCORIANインシュレーターは有りですけれども。この辺はいい悪いというよりも明らかに好みという範疇ですね。
←左写真は大阪シリコンハウスで売っているもの。
安いです。オススメ。