22日(日曜)は、GRFのある部屋さんのご自宅にお邪魔してきました。
都内某所にあるGRFのある部屋さんのリスニングルームは3階にあった。通されて、その広さに怯んだが、床といい天上といい実にしっかりとした作りがなされていて驚かされた。部屋の広さは20畳超(やや長方形)あって、置かれているのは多くのオーディオ装置とCD&アナログ盤のみで、広々としてとても居心地がいいものだった。
その部屋に置かれたスピーカーは言うまでもなくタンノイのGRFである。CDプレーヤーはソニー製のCDP-MS1でサウンドデザイン社によってカスタマイズされたもの。アンプはサウンドデザイン社の旗艦SD05というラインで構成されている。このシステム以外にもマッキンの弩級パワー・アンプやエソテリックのトランスポートなどハイエンドな機器がずらりと鎮座しておりました。そうそう、涎が出そうなアナログ・プレイヤーもしっかりとございました。そしてこれらの機器は、当然ながら「以前は」使われていたシステム達である。そのメイン・システムの座をSD05が完全に奪ったということなのだから、もうこれは聴かせていただくしかないだろう。
実際、拙ブログでもサウンドデザイン社のSD05というアンプの「驚愕の音」についてはすでに書いている。しかし、イベントやホールで聴かせていただいただけであり、いわゆる普通の家でどの様に鳴っているかが知りたいと思っていた。そんな矢先にGRFのある部屋さんからお誘いのメールを頂いたわけで、まさに聴く前から天にも昇る心地だったわけではある。
ハンコックさんも訪問されて「私の知る限りでこれ以上の音楽を聴いたことがなかった」と述べられているし、AcousticTaoさんも「音は確かに衝撃的であった。その生命感の次元の高さは圧倒的であった」と書かれている。私の書くことがない。お二人の評がまさに的を射ているのである。
まずはGRFのある部屋さんの十八番であるクラシックから聴かせていただいた。馥郁たる響きがジワジワと僕を責め立ててくる。あまりの凄さに呆然とした。まさにクラシックのコンサート会場の一等席で聴く音なのだ。蕩々と繰り出されるホール・トーン。各楽器の一つ一つが見えるような音場感、そしてオーケストラの奥行きとパースペクティブ、どれもが驚愕である。マジで「この部屋に居着いてしまおう」と思ったくらいだ。ストリングスの艶、これである。グランカッサの「ドシン」、これである。クラシックを聴くための最高の舞台がここに揃っていた。
「あまり持っていないけれど」というジャズも聴かせていただいた。まずGRFのある部屋さんが聴かせてくれたのは、マンハッタン・ジャズ・クインテットの初期のもの。チャーネット・モフェットがベースで、スティーブ・ガッドがドラムスのものである。ここでも驚かされた。ガッドのドラミングが原寸大なのだ。バスドラ、タムなどが超リアルで、ルー・ソロフのトランペットの響きは、ジャズ喫茶や自宅では鳴り得ない音がしていた。これはSD05も凄いのだろうが、GRFというスピーカーの底力を見せつけられた瞬間だった。タンノイを聴いて本当に驚かされたのは、一ノ関の『Royce』とGRFのある部屋さんで、まさに双璧だと思う。
次々にジャズを聴かせていただいたが、おもむろに出された盤に二度驚いた。ウォルター・デイビスのスティープルチェイス盤『スコーピオ・ライジング』だったからである。GRFのある部屋さんの部屋(?)で、デイビスのトリオ盤が聴けるとは思わなかったのだ。これがまたとてつもなくいい音でピアノが“鳴る”のである。ラルフ・ピーターソンのドラムは聴いていて怖くなるほどで本当にリアルなのだ。
褒めちぎるばかりでは嘘に聴こえるので、気がついたことを書いてみたい。
まずは、やはりポピュラー系(今回はジャズ)で低域の被りがあり、ブーミーに響く瞬間があったこと。これは、GRFの部屋さんも承知しておられた。クラシックに合うようにチューニングされているのだから、これはしょうがないことだ。
もう一つ、スピーカーに近い左壁の反射音が右壁とは違っていて盤によっては音像が乱れること。たぶんこれもお気づきの筈と思う。この部分にタペストリー(そんなに大きくない)を1枚垂らすだけで改善されるような気がする。いずれにしても、大音量でのプレイバック時であるので、日常で聴かれている際は、まったく気にならないものだと思う。
いずれにしてもハイエンドな機器を使われて培われてきたGRFのある部屋さんならではの匠の技がいろいろなところに附されていた。その一つ一つを実際に錬磨されてきた方ならではの音の豊かさがここにはあった。「オーディオは人を写す鏡」とはまさにこのことなのである。温故知新、時空を超えた音が鳴っていたのだ。
また言葉の端々から経験と実証ということを繰り返されてきたことが伺えて、たった半日お邪魔しただけで、物凄く勉強させていただきました。ましてや音楽を聴いて「疲労感」が皆無というのは、なかったこと。いかに歪みが少なかったかの左証でもある。本当に良い経験をさせていただきました。心からの御礼を申し上げます。
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Sugarさんも経験されましたか、MS1+SD05+GRFの音はやはり衝撃的ですよね。今までの既成概念が壊される「ガラ、ガラ、」という音が音楽と同時に私の耳には聞こえてきました。
刷り込みというか、思いこみというか、そういったものが、いかに不確かであるかということが分かる経験でした。
> バスドラ、タムなどが超リアル
ですね。TANNOYからこの音出るんだとびっくりしました。ラッパも飛んでくる感じがありました。
TANNOYのスピーカが、SD05にぴったりはまっているんですよね。
> 「疲労感」が皆無
そうですね。あのソフトはどう鳴るんだろう?このソフトは?と、自分のソフトを何枚も聴いていたい、そんな気分にさせられます。
ご購入おめでとうございます。
月末まで飾っておくだけというのももったいないです。試聴記を期待しております。
【ハンコック】さん
色々なスピーカーであのアンプを聴いてみたいと本気で思いました。低インピーダンスかつ低能率なスピーカーでのパフォーマンスがどうなるのかが今は一番知りたいと思っています。ハンコックさんのはいつ搬入されるのでしょうか?
来月上旬にはきますよ。今CDプレーヤを探し中です(嬉)。
濃い音がしそうだなあと、今から勝手に期待しちゃってます(嬉)。
機器が揃いましたら、早速皆さんをお呼びしますので、今のシステムの聴き比べをしましょう。私としては、今のシステムはかなり愛着がありますので、こちらにも頑張ってもらいたいところではありますが...
濃い音になるか、スペクタクルな音場になるのか、否が応でもなってきますねぇ。他人事ながら。
Taoさんも、陳列品状態から抜け出ていると思いますが、皆さんがほぼ一斉に試聴大会に突入する記事を楽しみにしております。
本日はダイナのマラソンに参加。
先日はコメントありがとうございました。
クラッシック、女性ボーカルがメインなのでジャズは素人なんですが宜しくお願いします。
宜しければリンク貼らしてもらってもいいですか?
リンクさせていただきました。
よろしくお願いいたします。