ファミリーアシスト あすなろ教室(輝く瞳と素敵な笑顔を求めて)

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言葉で伝えること

2015-11-18 | 育児
 私たちは、言葉を通して、相手に自分の意図を伝えようとします。

 例えば、親が、子どもに言葉で表現できるように子どもを躾ける時には、
「ちゃんとその事を言葉で伝えなさい。」
「それでは相手に伝わらないよ。」
などという事があります。
 子どもにも言葉で相手に自分の意図を伝えられる力をつけたいと思っているからです。

 この場合、子どもの伝えたい意図がわかっているからこの言い方ができることになります。

 もし、子どもの意図がわからなければ、この言葉を使わずに、まず、親は子どもの意図を探ろうと

 「どういうこと?」
 「よくわからない。」

と、子どもに尋ねることになります。

 
 これは、親が子どもを育てようと、子どもの意図を探る努力するからできることです。


 ところが、表現力が豊かになった大人同士の場合は、これとは、少し違っています。

 自分の思いと相手の思いとが、異なる時には、このような会話にはならないことが多々あります。それは、親子のような上下の関係ではなく、対等の関係になるからです。

 この場合、自分が正しいと言う立場になることが多くなります。そこで、自分が正しいと主張したり、説得しようと働きかけたりします。

 また、時には、相手の考えの中に否定できる材料を探したりします。

 自分を優位にすることで、自分の立場を守ることになるからです。
 (優位にするには、自分を相手より上げるか、相手を自分より下げるかしかありません。)

 相手が自分の考えを受け入れない状況が続くと、次第に感情が湧き上がってきます。

 これの感情があると、相手とトラブルに発展することにもなりかねません。

 これは、子ども同志の言い争いが、最後には喧嘩になってしまうという状況と似ています。

 その時の攻め方は、次のようになることが多いようです。

 相手の言葉の問題

   ↓

 その言葉を使う相手の能力を否定する

   ↓

 その能力を作り上げた価値観・信念を否定する
  
   ↓ ※自分一人で攻めきれなくなると仲間を巻き込むことがあります。 

 その価値観・信念をもった人間(アイデンティティ)を否定する
    

 このように攻めるところが意識の深いところへと言葉を通して迫っていきます。
 これは意識的というよりも無意識的です。感情がそうさせます。脳は、自分を守るために相手の深い部分へと攻めていく傾向があるようです。

 これが、子どもの場合ならば、攻められた子どもは、いたたまれなくなって攻撃に転じ、力でねじ伏せてしまい、喧嘩になることがあります。

 大人でも、身につけた価値観・信念やアイデンティティを否定された時に爆発することがあります。
 
 このように対立した時の対応が大切になります。

 相手を否定し始めたら要注意です。
  感情が奥へ奥へと攻めていきます。

 ここで感情のコントロールをしなければ、互いに認め合えない関係までになってしまいます。(自分を守るために拒否することになります。)


 この時に大切にしたいのが、最初に挙げた親の子を躾ける時のあの視点になります。

 つまり、相手の意図を探り、理解しようとする視点です。

 もともと違う人間です。違って当たり前です。自分の考えを通そうと力を入れて、相手との壁を作ったために、理解できなくなっただけです。

 相手を理解しようとすれば、互いの違いをどのように埋めようかと考える新たな視点を作り出すことができます。
 
 互いに認め合える新たな視点が見つかれば、攻撃し合うことはありません。

 私たちは、感情の動物ですから、すぐにうまくできるようになるとは限りません。失敗を繰り返しながら、学んでいくしかありません。

 私も日々失敗の連続です。幸せな人生を送るためには、子どもを理解して対応しようとする母親のような視点が重要だと感じます。