犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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盆踊り曲としての「アンパンマンのマーチ」 枠打ち篇

2017年07月27日 | なりもの
アンサンブルの肝は、タテとヨコを合わせることだ。
ヨコは音の高さや音程であり、タテはリズムやタイミング、言い換えれば呼吸である。

金管アンサンブルにおいて、それが具体的にどんなブレスやトレーニングを経たもので、
どう譜面を読んで、どう演奏するか、という話は別に書こう。
今日言いたいのは、「アンパンマンマーチ」を盆踊りでかっこよく叩くことについてなんだ。

西洋音楽の"リズム感"と、日本の"音頭"の感覚は、まったく異なるものだ。
同じ「リズム」という範疇のものだと思ったら、大間違いだ。

日本に「リズム」なんてもんは無い、と思ったほうが早いし、
現実に即している。

盆踊りの太鼓の基本中の基本のパターンがある。
小学校によっては、これしか教えないところもあるように思える。
もし、これしか教えられないからこれしか教えていないんなら、
人材不足だな。

余計な批判は措いて。

日が暮れかかって来ると、どこからか太鼓が響いてくる。
「ド・ドーンがドン! ド・ドーンがドン!」
辻々で立ち止まって、音のする方へ向かって進む。
音が近付いてくる。
こっちなら、あの神社かな?
と思って進むと、当たり。
浴衣の人が歩いて行く。
人の声が聞こえてくる。
提灯の灯りが見える。
櫓が見える!

ここまで来ると、枠を打つ音も聞こえる。
「ド・ドーンがドン!カララッカ!ド・ドーンがドン!カララッカ!」

はい、これが基本パターン。
これさえ叩いていれば、踊れるし、裏表がズレたってさしたる問題じゃない。

しかし!
ここで私は言いたいことがある。
西洋音楽の譜面に書いたような譜割りに正確なリズムと、
盆踊りの太鼓の枠打ちは、まったく異質なのである。


「ドンカララッカ」
は、決して
「八分音符、十六分音符、十六分音符、八分音符、八分音符」
ではないのである。

「八分音符、十六分音符、十六分音符、八分音符、八分音符」
は、カナで書けば
「タカタッタ。」である。
一つ一つの音が明瞭で同価値である。

枠打ちの「カララッカ」は、流れてしまっていい。
「ララ」とラ行で言えるくらいの軽さで良いのだ。
「カララッ」はひとかたまりになってかまわない。

これは、西洋音楽では絶対やってはいけないことだ。
これは、リズムの感じ方の違いとしか言いようが無い。

"正確に"音符の長さを取って「タカタッタ。」と
"リズム"を"刻む"と、まるで行進曲のようになる。
ザッザッザッザッ、と軍靴を履いて足並みを揃えて行進する様子が目に浮かぶようだ。

あっ・・・・・・
曲は「アンパンマンのマーチ」だっけ。
マーチなら、西洋的な「タカタッタ。」でいいのか。

いやいや、櫓の上で太鼓叩くなら、やっぱり音頭の乗りで
「カララッカ!」といかなくちゃ。

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