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サンスクリットの韻律 帝釈天のいかづち篇

2021年02月22日 | 梵語入門
19日に書いたのに、うっかり「下書き」の設定のままにしてしまったものです。

[こころざし] カーリダーサの詩を読めるようになりたい。
[あらすじ] サンスクリットの詩は音の数で韻律を作るよ。
そして、音節には1拍分の長さのlaghu(軽)と2拍分の長さのguru(重)が有るよ。
軽重の組み合わせでいろんなリズムのパターンが有るよ。
「たたんたたん」というリズムがよく出てくるよ。
音節を三つずつに区切ったものを「gaṇa」(ガナ)と呼び、
その軽重8種類のパターンに一文字の名前を付けて、
यमापाराजभानसलगाः
yamātārājabhānasalagāḥ
ヤマーターらージャばーナサラガーは
と憶えると、य(ya)から読めばyamātā:軽重重などと、
リズムが分かるよ。インド人すごいよ。
そういった、音節の数と音節の軽重の組み合わせによる様々な韻律に、
いちいち名前を付けている。その数600以上。インド人すごいよ。
その韻律を定義する韻文自体、その韻律で作られている。

इंद्रवज्रा
Def. स्यादिंद्रवज्रा यदि तौ जगौ गः ।
Sch. G. त, त, ज, ग, ग (5. 6)

本日取り上げるのは、इंद्रवज्राインドラヴァジラーという韻律。

ガナのパターンはत, त, ज, ग, ग タタジャガガ、だという。
त 重重軽
त 重重軽
ज 軽重軽
ग 重
ग 重
なので、全体で
重重軽重重軽軽重軽重重。
「たんたんたたんたんたたたんたたんたん」というリズムである。

定義の詩はこう。
स्यादिंद्रवज्रा यदि तौ जगौ गः
syādiṁdravajrā yadi tau jagau gaḥ
スヤーディンドラヴァジラー ヤディ タウ ジャガウ ガハ
たんたんたたんたん     たた  たん たたん  たん
意味は、「インドラヴァジラーってもしかしてत, त, ज, ग, गってやつ?」という感じかな。

聞いてみてください。
https://youtu.be/RlPSFipu9U8?t=69
「iṁdravajrāsya lakṣaṇam bhavati,(インドラヴァジラーの特徴はこう、)
syādiṁdravajrā yadi tau jagau gaḥ
punar vadāmi,(もう一回言うよ、)
syādiṁdravajrā yadi tau jagau gaḥ」



इंद्रवज्राインドラヴァジラー

インドラとは神様の名前で、はるばる日本まで辿り着いた頃には
帝釈天と呼ばれるようになっていた。
寅さんで有名な帝釈天のあの帝釈天である。
で、ヴァジラーというのは稲妻という意味。
インドラは強くって、電撃を発することができる、
その力の象徴が金剛杵ってことのようだ。
金剛杵というのは、両側が爪になっている短い棒、アレね。
日本でも帝釈天は右手に独鈷杵や剣を持っている。
あすこっから電撃が出るわけね。コワ

んー。
で、
この「たんたんたたんたんたたたんたたんたん」に
なぜ「帝釈天の稲妻」って名前を付けたのか。
そのインド人のココロが私は知りたい。

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