blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

自室の話から

2017-03-04 20:13:15 | 休日
私の住まいは、会社を通じて借りているアパートである。
見た目は悪くなく、最初見た時はけっこう新しい建物かと思った。
それが、仲介業者さんからは「それほど新しくはない、築10年越えたくらいかな」との話があった。
本当かなと思って入居後にいろいろ観察すると、風呂場のスイッチやキッチンの照明などに「National」のロゴがいくつか見える。
松下電器がパナソニックに改称したのはそう最近のことでもないから、本当に新しい物件なら「Panasonic」のロゴが見えるはずで、業者さんの言っていることはウソではなかったことになる。

家電に関しては、今でこそニーズに応じてメーカーを使い分けているが、昔は信者と言ってもいいくらいの「松下派」だった。
私の母が現役の時に小さな電子部品会社に勤めていて、松下行きのものは厳しいから特に気を使ったという話を再三聞かされていた影響が大きい。
昔も今も松下(パナ)の製品は他よりも少しずつ高いし、品目によっては値段の関係で他メーカーに流れたものもあるが、途中で変な壊れ方をしたものは全くないどころか、学生になる時(つまり30年近く前)に買った紙パック掃除機は今も現役、最も近いところでは車のバッテリーもパナ製のものに変えてしまったくらいで、製品に対する信頼感はずっと変わっていない。
近年は為替の影響や外国勢の台頭を受け、個人的には続けてほしかったプラズマテレビ生産から撤退するなど厳しい経験もし、直近のニュースでは富山県内の工場に勤務していた男性の死亡について労災認定が出るなど必ずしも明るいとは言えない話題もある。
創業者である松下幸之助翁の著書の一つである「事業は人なり」の精神が失われないことを祈りたい。

さて、我が国で松下電器のライバルとして長年トップを走ってきた東芝は現在大変な状況にある。
本欄でも上層部による過大な要求(=チャレンジ)で一時騒がれたことは書いたが今回はその比ではなく、米国での原発事業に大きく足を引っ張られた格好で債務超過回避のためのなりふり構わぬ資本調達策が練られているようである。
これだけの事態になっていても、やはり「ノートPCといえば東芝」など、製品への信頼はいまだ厚い。
せっかくいい製品を世の中に出しているのに、一事業の大損失でグループ会社の切り売りのようなことまでやらなくてはいけないのは、やはり時の原発事業に関わった人間が米国でどういう話をしてどういう見通しを立てたかに尽きると思う。
下々の、日々真面目に働いている社員の皆さんの苦労が水泡に帰すという意味では、やはり組織のトップが舵取りを一つ誤ることは大変に恐ろしいことだと分かる。

靴下やTシャツくらいなら中国やASEAN地域の製造でも構わないが、食べるものや長く使うものに関してはなるべくなら日本製を手にしたい。
値段は張っても信頼感は何物にも代え難い。
お金をケチって命や生活に関わる事態になったら、悔やんでも悔やみきれないのである。

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