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映画作りの糧とすべく劇場鑑賞作品中心にネタバレ徹底分析
映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

2008年度国内映画賞総括

2009-03-17 00:52:51 | 映画賞
2008年度の映画賞がほぼ出そろった(※1)ところで、ひそかに毎年(といっても2005年度から)行っている、「全映画賞の結果を勝手に集計してみよう」の結果を発表します。

今年は50年近い歴史のあった朝日ベストテン映画祭が終了し、30年くらいの歴史があったロードショー誌が廃刊となり、ついでに4回続いた文春きいちご賞もどうやら終了したらしく、映画賞的には少しさびしい年となりました。
映画賞というのはめちゃくちゃ文句言われようと、非難されようと、それでも続けることが大事だと思いました。某テレビ局の傀儡のような某アカデミー賞もそうはいっても32年もつづけてすごいなあと思ったりもしました。
本家アカデミーだって最初は批判の声もかなりあったらしいですしね。続けていくうち偽者も本物にばけるかも知れません。

(※1)ほぼ出そろった
他に、日本映画批評家大賞と日本映画プロフェッショナル大賞という賞があるんですが、批評家は毎年5月くらい、日プロにいたっては1年おくれぐらいで発表されるので、待ってられないので集計から除外します

→2009/5/18 日本映画批評家大賞、第1回映画館大賞、日本映画プロフェッショナル大賞の結果を踏まえて再集計
大勢は変わりません

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【2008年度映画賞総括 集計結果】
さておき、2008年度映画賞の総括です。
対象となる賞は、【2008年度国内映画賞一覧】に記載した28の映画賞になります。
一般投票形式の映画賞は探せばもっといっぱいあるのですが、きりがないので、「キネ旬」「映画秘宝」「スクリーン」の三誌の読者選出と、「日本インターネット」と「オンラインムービーアワード」と「ぴあ満足度ランキング」とブログ友のaq99さんとこ『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記で独自集計した「ブロガーたちのベストテン」に絞りました。

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映画賞集計ルール
・ベストワンor最優秀賞10点
・順位が明示されている賞は、2位9点~10位1点で配点
・ノミネート式の賞はノミネート数に応じて点数配分
  ノミネート数5程度・・・7点
  ノミネート数10程度・・・5点
  ノミネート数20程度・・・2点
・ワースト映画賞も同様に配点し、ベスト得点からワースト得点を減算した総合得点でランキングを決める
・得点が同じ場合、ベストワン獲得数の多いものを高順位に
・それも同じ場合ベスト得点の多いものを高順位に
・賞によって対象期間や対象作品が異なったりするが、気にしない

結果は以下の通りでした
2008年度日本映画 全賞集計結果
1位 おくりびと (157点)
2位 ぐるりのこと (114点)
3位 歩いても歩いても (78点)
4位 実録連合赤軍 あさま山荘への道程 (69点)
5位 トウキョウソナタ (60点)
6位 接吻 (47点)
7位 闇の子供たち (44点)
8位 クライマーズ・ハイ (41点)
9位 母べえ (31点)
10位 アフタースクール (26点)
次点 容疑者Xの献身 (24点)

2008年度外国映画 全賞集計結果
1位 ダークナイト (167点)
2位 ノーカントリー (106点)
3位 ゼア・ウィル・ビー・ブラッド (67点)
4位 ラスト、コーション (65点)
5位 レッド・クリフ Part1 (37点)
6位 イースタン・プロミス (33点)
7位 つぐない (30点)
8位 ミスト (25点)
9位 アイアンマン (23点)
9位 イントゥ・ザ・ワイルド (23点)
次点 WALL・E (22点)


(もっと細かい詳細集計表はこの記事の下の方に)

【日本映画総括】
「おくりびと」の圧勝でした。個人的にはそんなに好きではないんですが
ベストワン12冠、ついでにアカデミー外国語映画賞のおまけ付き。
「ぐるりのこと。」「接吻」が2冠、「歩歩」「トウソナ」「クラハイ」などが1つずつ。
ほぼ根こそぎ「おくりびと」がもっていきました。そんなに差がつくほどの映画??石ッころの無理矢理さとか「けがらわしい」とか笑えね? と思いつつ・・・アカデミーの錦の御旗を賜わり、反おくりびと派は賊軍となって肩身の狭い想いをしております。
なお「ぐるりのこと。」(←私にとってのベストワン)は、6つの映画賞で2位を獲得。2007年の「天然コケッコー」に続き、2008年度「あれがなれりゃ1位総なめだったのに」大賞を勝手に差し上げたいと思います。
ちなみに、総合集計にもっとも近い結果だったのはキネ旬の批評家選出で、順位違いで10作品全部がかぶりました。4年間やってきて初めてでした。

【外国映画総括】
こちらも最初のうちこそ「ダークナイト」と「ノーカントリー」が競る形でしたが、次第に差が開いていき、終わると「ダークナイト」の圧勝でした。
ヒットしたでもなく大きい賞を獲ったでもないのに上位につけている8位の作品が気になります。(私は未見)
10作中7作がアメリカ映画。英語映画とくくれば8作品。中華圏が2作品。
アメリカ制作でなくてかつ英語作品でもないヨーロッパ映画がランキングの下の方まで見ても少ししかありません。2009年度はヨーロッパ映画の奮起を期待したいところです。
こちらは総合集計に一番近かったのは、「この映画がすごい」と「キネ旬読者選出」で、10作中7作がかぶりました。

【ワースト】
5つのワースト賞の得点を合計
日本映画でワースト点を11点以上あげた映画は以下の7つ (ワースト点/ベスト点)

 少林少女 (-54/0)
 20世紀少年 (-24/0)
 ICHI (-20/0)
 L change the worLd (-16/0)
 私は貝になりたい (-14/+7)
 崖の上のポニョ (-21/+28)
 ザ・マジックアワー (-13/+22)


こちらでは「少林少女」のぶっちぎり。こういう結果見ると、逆に観ておけば良かったと思います。

外国映画ではワースト点を11点以上あげた映画は1つだけ
 インディ・ジョーンズ (-25/+31)

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【個人賞総括】
日本映画個人賞で、2つ以上獲った方々を列挙(もっと詳細な一覧はこの記事の下の方に)
監督賞
 滝田洋二郎 6冠(ヨコハマ、日刊スポ、キネ旬、日インタ、日アカ、批評家)
 黒沢清 2冠(おおさか、高崎)
 是枝裕和 2冠(ブルーリボン、高崎)
 若松孝二  2冠(毎日、日プロ)

主演女優賞
 木村多江 6冠(ブルーリボン、おおさか、高崎、日インタ、東スポ、日アカ)
 小池栄子 5冠(ヨコハマ、毎日、高崎、批評家、日プロ)
 小泉今日子 3冠(山路ふみこ、報知、キネ旬)

主演男優賞
 本木雅弘 5冠(キネ旬、ブルーリボン、日インタ、東スポ、日アカ)

助演女優
 樹木希林 5冠(報知、キネ旬、ブルーリボン、日インタ、東スポ)
 夏川結衣 2冠(日刊スポ、高崎)
 余貴美子 2冠(ヨコハマ、日アカ)

助演男優
 堺雅人 5冠(報知、日刊スポ、キネ旬、ブルーリボン、毎日)
 山崎努 2冠(東スポ、日アカ)

まとめると、監督:滝田、主女:木村、主男:本木、助女:樹木、助男:堺・・・の年でした。

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【映画賞集計結果 詳細】









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2 コメント

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Unknown (aq99)
2009-03-20 23:17:24
ライフワークご苦労様です。
木いちごも終わっとたんですね。
とりあえず続けることは大事ですな。
私も5年で満足せず、最低10年は続けないとあきませんね。
お互い、頑張りましょう~。

邦画10の雑感ですが、私の「ブロガー~」より「トウキョウソナタ」「母べぇ」がランクインしてるこっちの方が、好みに近いです。
万田監督の「接吻」は、やっぱり見とかなあかん映画やったんですね。
「マジックアワー」のワーストもうれしいです。


返信する
コメントどうもです (しん)
2009-03-25 02:07:28
>aq99さま
私もなんとか文春きいちごよりもたせたいと思ってます

私も「接吻」は見逃し
「連合赤軍」も
返信する

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