相当不謹慎な感想でーす。へへ
テロリズムへの怒りと、“目には目を”の対テロ政策への疑問を投げかける社会派サスペンス。
イスラエルのやり方に苦言を呈するかのようなストーリーで、スピルバーグが勝負に出た・・・と感じさせる一方で、社会的政治的な重いテーマの中でスピルバーグは遊ぶ遊ぶ。
殺しのシーンをいかにかっこよく、美しく、斬新なものにするかってところに腐心している。世界一の監督が腕によりをかけた、めくるめく“殺人ショー”と化していて、大満足。
・ミルクの白とワインの赤のコントラスト。
・少女もろとも爆弾で吹っ飛ばすのか?少女がいることに気づくのか?気づいたが中止の指示は間に合うのか?(完璧ヒッチ調)
・香水の香りという映像と音響で表現不可な感覚をどう表現するか
・女を殺す時のもったいつけた感じ、見慣れない凶器
・ラストの貿易センター(真ん中すぎてちょい露骨だが)
そんなこんなで、申し訳ないけど一つ一つのアイデアが面白すぎて、メッセージ性はどっかにぶっとび、娯楽サスペンスの面白さを堪能。巨匠の力を見せつけられた。
「プライベート・ライアン」が嫌いなのと同じ理由で「ミュンヘン」が好きです。
だからこそ、アカデミー逃したのも納得。
****************
その昔、フランソワ・トリュフォーがヒッチコック映画を「殺しのシーンを愛のシーンのように描き、愛のシーンを殺しのシーンのように描く」と形容した。ヒッチコックもトリュフォーも敬愛しているハズのスピが、上のトリュフォー発言を拡大解釈てゆーか間違って解釈したかのようなクライマックス。
セックスシーンに、人質たちがテロリストに殺害される場面がフラッシュバックされていく。しかも殺害シーンとともに主人公オーガズム!!
愛と殺しの混同、まさしく愛のシーンを殺しのシーンみたく・・・つってもトリュフォーはこういう意味で言ってるんじゃないけど
国のため正義のためなら人殺しは肯定されるのか?と苦悩し、殺しを嫌悪する主人公だが、嫌悪やら憎悪やら感じるほどに強く惹かれていくという精神の矛盾の中で、憎悪対象が性の対象へと転化していく。スピルバーグ流「変態の作り方」講座。(スティーブン・キングとかジェームズ・エルロイとかの本で読んだような気がする)
ジョーズの死体趣味、レイダースの殺害趣味・・・しばらくレイティングを気にしてか抑えに抑えていた感じもするが、「シンドラーのリスト」「プライベート・ライアン」と自身の残酷性を作家性に取り込むことに成功。そして社会派映画なハズの「ミュンヘン」では・・・
死体死体死体。もっと死体を、もっと死体を、とテロへの怒りより、殺しの恍惚を感じる。
富と名誉と実力と人気と自由を手に入れた監督が狂気に堕ちていく。そんな本物の狂気が支配しているみたい。
インディ4なんかより、ミュンヘン2を作って欲しい。殺人と性が結びついた主人公のあの後はどうなる?気になって仕方ない。
*******
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自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
テロリズムへの怒りと、“目には目を”の対テロ政策への疑問を投げかける社会派サスペンス。
イスラエルのやり方に苦言を呈するかのようなストーリーで、スピルバーグが勝負に出た・・・と感じさせる一方で、社会的政治的な重いテーマの中でスピルバーグは遊ぶ遊ぶ。
殺しのシーンをいかにかっこよく、美しく、斬新なものにするかってところに腐心している。世界一の監督が腕によりをかけた、めくるめく“殺人ショー”と化していて、大満足。
・ミルクの白とワインの赤のコントラスト。
・少女もろとも爆弾で吹っ飛ばすのか?少女がいることに気づくのか?気づいたが中止の指示は間に合うのか?(完璧ヒッチ調)
・香水の香りという映像と音響で表現不可な感覚をどう表現するか
・女を殺す時のもったいつけた感じ、見慣れない凶器
・ラストの貿易センター(真ん中すぎてちょい露骨だが)
そんなこんなで、申し訳ないけど一つ一つのアイデアが面白すぎて、メッセージ性はどっかにぶっとび、娯楽サスペンスの面白さを堪能。巨匠の力を見せつけられた。
「プライベート・ライアン」が嫌いなのと同じ理由で「ミュンヘン」が好きです。
だからこそ、アカデミー逃したのも納得。
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その昔、フランソワ・トリュフォーがヒッチコック映画を「殺しのシーンを愛のシーンのように描き、愛のシーンを殺しのシーンのように描く」と形容した。ヒッチコックもトリュフォーも敬愛しているハズのスピが、上のトリュフォー発言を拡大解釈てゆーか間違って解釈したかのようなクライマックス。
セックスシーンに、人質たちがテロリストに殺害される場面がフラッシュバックされていく。しかも殺害シーンとともに主人公オーガズム!!
愛と殺しの混同、まさしく愛のシーンを殺しのシーンみたく・・・つってもトリュフォーはこういう意味で言ってるんじゃないけど
国のため正義のためなら人殺しは肯定されるのか?と苦悩し、殺しを嫌悪する主人公だが、嫌悪やら憎悪やら感じるほどに強く惹かれていくという精神の矛盾の中で、憎悪対象が性の対象へと転化していく。スピルバーグ流「変態の作り方」講座。(スティーブン・キングとかジェームズ・エルロイとかの本で読んだような気がする)
ジョーズの死体趣味、レイダースの殺害趣味・・・しばらくレイティングを気にしてか抑えに抑えていた感じもするが、「シンドラーのリスト」「プライベート・ライアン」と自身の残酷性を作家性に取り込むことに成功。そして社会派映画なハズの「ミュンヘン」では・・・
死体死体死体。もっと死体を、もっと死体を、とテロへの怒りより、殺しの恍惚を感じる。
富と名誉と実力と人気と自由を手に入れた監督が狂気に堕ちていく。そんな本物の狂気が支配しているみたい。
インディ4なんかより、ミュンヘン2を作って欲しい。殺人と性が結びついた主人公のあの後はどうなる?気になって仕方ない。
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但し、続編によくあるように、1作目より低予算で、しかも、監督も別の人らしいです。『ヒストリー・オブ・バイオレンス』という続編とはわかりづらいタイトルらしいです。
残念ながら『ヒストリー・・・』は近所でやってなくて、まだ見に行ってないため詳しいことはわかりません。
なので、スピルバーグからクローネンバーグがダブルバーグってマックの期間限定メニューみたいで面白そうだとしか書けません。
てなわけで、TBありがとうございました。
「ヒッチコック トリュフォー映画術」の本、持ってるけど、未だに全部読んでない・・・。重たいんですよ。
面白く読ませていただきました。
私も観ているうちに、面白いほどに暗殺を楽しませてくれるスピルバーグに快哉を上げつつ、長尺を乗り切った者のひとりです。
吹矢の件、確かに毎回変わる暗殺方法って何なんでしょうね・・・暗殺団もエンターテナーか?
また訪れますノシ
殺しが好きな奴ほど人気が出るし才能もついてくると思います
にしても、素晴らしい殺人ショーでした。モサドは才能の宝庫ですね。きっとモサドに入るには独創的な殺しの実演とかさせられるんでしょうね