21世紀の最大の懸念は、世界がより発展して平和で豊かな社会に進んでいけるのか、先進国の人たちに不安が広がっていることである。
その原因には、貧富の格差が拡大する状況が続き、最下層に沈んだ人たちの不満の鬱積が、地下に潜って広がっている。
イギリスでは、格差拡大の原因と想定した「EUの理念の人の移動自由」から、解き放たれる選択をしている。
しかし、移民の制限ができたからといって、すぐに格差の拡大が防止できて、最下層の人の不満が和らぐわけではない。
現実に、イギリスでのEU離脱の政策を、強化しようとする総選挙期間中に、大きなテロ事件が増発してしまった。
イギリスが、現代の病気の基本的な原因を抱え込んでいる状況を、皮肉にも代表しているのだろう。