2011年12月に公開されたフランス映画
『サラの鍵』を観ました
世界中で300万部を売り上げた
タチアナ・ド・ロネの原作を基にした作品です
ナチス占領下のパリで起きたユダヤ人迫害を題材に、
パリで暮らす現在の
ジュリア・ジャーモンドと、
1942年の戦時下に検挙された、
ユダヤ人の娘
サラの人生を交互に映し出していくストーリーです
アメリカ人ジャーナリストの
ジュリアを、
『フォー・ウェディング』で英国アカデミー賞助演女優賞受賞し、
『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた
実力派イギリス人女優
クリスティン・スコット・トーマスが演じています
ユダヤ人の娘
サラ・スタルジンスキに、フランス人の
メリュジーヌ・マヤンス
ジュリアの夫
ベルトランに、フランス人俳優
フレデリック・ピエロ
サラの世話をした
ジュール・デュフォールに、フランス人俳優の
ニエル・アレストリュプ
サラの息子
ウィリアムを、アメリカ人俳優の
エイダン・クインが演じています
ストーリー
パリで、夫と娘と暮らす
ジュリアは、45歳で待望の妊娠を果たします
しかし、今さら子育てをする気など全く無い夫は、
ジュリアが産むことに反対します
人生の岐路に立ち、思い悩む
ジュリアは、
ある取材を通して、衝撃的な事実に出合います。
それは、夫の両親から譲り受け、住み始めたアパートにまつわる過去・・・
以前住んでいた住人が、ユダヤ人迫害事件で、
アウシュビッツに送られた家族だったという事実でした!
1942年にパリで起きたユダヤ人一斉検挙について調べはじめる
ジュリア・・・
その一家の長女
サラが、収容所から逃亡していたことを知り
手繰り寄せるように、事件を紐解いていきます・・・
サラの足跡をたどる
ジュリアの前に、次々と明かされる秘密・・・
その真実こそが、彼女を揺さぶり、人生さえも変えていきます。
一斉検挙の朝、
サラはすぐに戻れると信じて、弟
ミッシェルを納戸に隠し、
「絶対迎えに来るまでここにいて!」と、鍵をかけました。
数日間にわたる監禁で、家に戻ることが出来なくなった
サラは、
弟を救いたい一心で、収容所からの命懸けの脱走を試みます
果たして、弟を助けることができたのか・・・
「弟を助けたい」ただそれだけが、サラの生きる力だったのです・・・
胸を締め付けられ、切なくなるストーリーです
約1万3000人ものユダヤ人が、アウシュビッツなどの収容所に移送される前、
競輪場ヴェロドロームディヴェールに、数日間、劣悪な環境で監禁されたという、
“ヴェロドロームディヴェール大量検挙事件”
ナチスからの命令で動いたとはいえ、
フランス警察が実行したのは、紛れもない事実ということ・・
1995年に、シラク大統領が謝罪するまで、
フランス政府は、一切の責任を認めていなかったらしい・・・
自分とは接点のない、過去の出来事を掘り返していくうちに、
夫の家族が、迫害されたユダヤ人家族と接点があった事実が明らかに
全く別々の時代に生きる
ジュリアと
サラの人生ですが、
繋がりを持つ一瞬があることに感動します
すべてが明かされた時、
ジュリアが見出だしたものとは・・・
美しくも力強い感動の物語、涙が止まりませんでした
観てよかったです