そらち旅日記 Vol.2

北海道空知総合振興局の職員が集めた旬の情報を、そらちの風に乗せてお届けします。

お正月、おせち料理には黒豆 ~ 幻の黒大豆「黒千石(くろせんごく)」

2013年01月04日 | 空知の食
明けましておめでとうございます。
皆さまお正月はいかがお過ごしでしたか?
温泉でのんびり? 「おせち」を囲んで家族団らん?
お仕事の方もいらっしゃったのでしょうか。
いずれにしましても、今年が皆さまにとって
幸せな一年でありますことを心からお祈り申し上げます。

今日は空知総合振興局の仕事始め。
正面玄関には、昨年に引き続きトドマツ間伐材を活用した
職員手作りの門松が設置されています。
今年は巳年ということで、かわいいヘビ君も描かれていますよ。

  


さて、おせち料理といえば様々な伝統的なメニューがありますね。
そしてそれぞれには縁起を祝う意味があります。
子孫繁栄を祈願する「数の子」、腰が曲がるまでの長寿を願う「海老」、
「喜ぶ」に掛けた昆布で「昆布巻」、お祝いの水引をかたどった「紅白なます」などなど。
まめ(元気)に働けますようにとの意味を込めた「黒豆の甘煮」も定番。
我が家では、神棚にお供えするためにこんな小さな「おせち」の盛り合わせを作りますが、
黒豆もちゃんと入っています。お正月ですからね、金箔でちょっとおめかし。






黒豆はいわゆる大豆の一種ですが、
この黒い色には健康に良いといわれるアントシアニンや
ポリフェノールなどの有効成分が豊富に含まれています。
伝統的な「おせち」には、縁起とともに健康や身体のためになる
食材がしっかりと使われているんですね。昔からの日本人の知恵ってすごい!
ところで、この有効成分が普通の黒豆よりたくさん含まれているのが、
幻の黒大豆と言われる黒千石です。普通の黒豆に比べるとこんなに小粒。
煮豆にしたら、お箸でつまむのはちょっと大変かも。




黒千石大豆は、1970年以降その栽培の難しさから生産が途絶えていましたが、
関係者の皆さんの並々ならぬご努力により、最近になってその栽培が復活しました。
現在は、道内の黒千石生産者によって黒千石事業協同組合が組織され、
黒千石の栽培普及や安定的供給、またその高付加価値化に取り組んでいます。
黒千石に賭けた男たちのロマンが、今花開く。




黒千石事業協同組合では、様々な地域のイベントにも
積極的にブースを出店するなど黒千石の普及に努めています。
こちらは北竜町にある黒千石事業協同組合の事務所。
こんなかわいらしい建物の中で、日々エネルギッシュに活動されているんですね。




この黒千石大豆を使った豊富なメニューや開発された黒千石製品については、
かつてこのブログでもご紹介しましたね。
北竜町の道の駅にある「レストラン風車」のスープカレーやハンバーグなどのメニュー。
また製品としては、納豆やお茶、お豆腐、豆ご飯、きなこ、お菓子など。
写真は、道の駅で販売されている黒千石豆腐を練り込んだ「手ごね黒ちゃんハンバーグ」と、
あの「きのとや」さんの香ばしいフロランタン。どちらも好評発売中です。

  




さて、斬新な黒千石メニューを開発し続けている「レストラン風車」、
昨年秋の「さっぽろオータムフェスト2012」ではこんな新メニューをご披露しました。
希少な黒千石味噌を使った「黒竜辛味噌ラーメン」です。
何とスープも黒千石で取っているのだそう。
動物系のダシを使っていないとはとても思えない濃厚なコクと旨味、
それなのにカロリーは普通のラーメンの約半分でとってもヘルシー。
こだわりの四元豚チャーシューもおいしい。
お客さんにも大好評、現在はさらにバージョンアップした
「黒竜味噌ラーメン」として、レストランで提供中ですよ。




最近は、新しい黒千石製品も開発されていますし、
レストランなどでも黒千石を使ったメニューが増えてきているようです。
また、普通のスーパーなどでもごく当たり前に黒千石製品を見かけるようになってきました。
納豆売場と「きなこ」の売場もこの通り。確実に裾野が広がってきているのを実感します。






今の状況があるのは、まさしく栽培の復活と共にその普及に尽力をされてきた
関係者の皆さんのご努力によるものなのですね。
復活当初はほんの50粒だった種子ですが、そこから蘇った黒千石大豆、
今ではこんなにたくさんの素晴らしい可能性の芽が育ってきているのです。

最後に、黒千石大豆を使った「ちらし寿司」をご紹介してお正月の締めにしましょう。
お寿司も「寿」の字をあてるおめでたい食べ物ですね。
研いでから普通に水加減したお米2合に黒千石大豆40グラムを加えて炊いたご飯に、
分量のすし酢を混ぜると美しいピンク色のすし飯に。
白ゴマを混ぜて、上にお好みの具を散らして出来上がりです。
普通の黒豆でもできますが、小粒な黒千石は吸水の時間も短いし(お米と一緒に2~3時間)、
さらにお米とのなじみが良くて食べやすいんです。
ちなみに我が家では、「おせち」に飽きたお正月3日目にこの「ちらし寿司」をいただきました。




今年も黒千石大豆をはじめ、
おいしくてヘルシーな空知の食材で健康な一年をおくりましょうね。


黒千石事業協同組合
北竜町字壁水31-1
TEL. 0164-34-2377
http://www.kurosengoku.com/jigyou/

レストラン風車
北竜町字板谷163-2 サンフラワーパークホテル内
TEL. 0164-34-3321
11:00~20:00/無休
http://portal.hokuryu.info/sunflowerpark/restaurant

最新の画像もっと見る