第32回goodシネマ予告
『晩春』 2014.09.27
小津安二郎監督が広津和郎の小説「父と娘」を原作に父娘の絆を描いた名作ホームドラマ。
大学教授の周吉は早くに妻に先立たれ、娘の紀子と2人きりで鎌倉に住んでいる。
いまだに独身の紀子を心配する周吉だったが、周吉の妹まさが縁談を勧めても紀子は頑なに受け入れようとしない。
周吉はそんな紀子に、自分も再婚を考えていると告げる。
小津監督が娘の結婚や親の孤独を題材にした初めての作品で、その後の小津作品の作風を決定づけた。
原節子が紀子役を演じる「紀子3部作」の第1作にして、原が初めて出演した小津作品でもある。
小津監督が野田高梧と共同で脚色も手がけた。
晩春 (Late Spring - Yasujirô Ozu)
結婚することが幸せなんじゃない。新しい夫婦がひとつの新しい人生を作り上げてゆくことに幸せがあるんだよ
幸せは、待っているもんじゃなくって、やっぱり自分たちでつくりだすもんだよ。
お互いに信頼するんだ。お互いに愛情をもつんだ。曾宮周吉
小津の戦後3作目で作品評価の高さとともに興行的成功も収めた。
やもめの父を気遣って結婚をためらう娘とそれを見守る善意の人々の物語は、その後の小津の作風を決定づけ、
復活した脚本家野田とのコンビは遺作の『秋刀魚の味』まで続く。
杉村の演技が絶妙。
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