ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

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アレルギーが悪化傾向なのは何故か (2) 免疫増強(アジュバント)作用

2013年09月18日 |  症例(その他)

 早速詰まってしまったのでお茶を濁しておこう・・・

 前回(ココ)は途中でぶった切りのようになったので、おさらいから。

 アレルギーは、体内で異物(異種のタンパク質)の処理に困ったときに起こる正常より過敏な免疫反応だろう、という点に触れた気がする。この点は、多分松本仁幸氏(漢方科 松本医院院長)の言説だっただろうか(うろ覚え)。同医院(大阪府所在)のサイトから、

漢方科 松本医院について
http://www.matsumotoclinic.com/index.html

アレルギーとは何でしょうか?

 アレルギーとは環境汚染物質を体内から排除する働きであります。何故アレルギーは増えたのでしょう?環境を汚染する農薬をはじめとする化学物質が極めて多く作り出されるようになったからです。実はリウマチもアレルギーのⅢ型であります。


 このように理解するならば、タイトルに掲げた疑問はわりと簡単だろう。何故なら、●の影響によって全身で免疫力の低下が起きることから体内での異物の処理能力も落ちることになり、処理に困る機会が増え易いからだ。

 この議論だと納得する人も少ないだろうから、この点を少し免疫学の知識で述べれば、前回でも触れた流れになるだろう。この点は、●の影響には、アレルゲン(抗原)に対する免疫応答を刺激する性質があるとも言えるだろう。

●の影響 →酸化ストレスの亢進 →Th1/Th2バランスをTh2型優位へ誘導 
→Th1/Th2バランスを回復できず →易アレルギー性


 さて今回は、この辺りのことを免疫学の概念(アジュバント)を使ってもう少し整理しておこう(●の影響の話でなく言葉遊びになりそうな予感が・・・)。

 用語の定義については、サイト「kotobank」から、

アジュバント
http://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%88

(1) 広く薬物などの活性を補助する物質,混合物.
(2) 免疫補助剤,免疫アジュバント,免疫助成剤ともいう.免疫応答を非特異的に刺激する物質.・・・


 「アジュバント」は、ワクチンの効果を高める目的で添加される物質を示すことに使われる機会が多いようなので、これに引っ張られた定義が多いようだが、もう少し一般的にいえば、

抗原に対する免疫応答を増強させる物質(免疫増強物質)

というのことであり、これから派生させれば、

「抗原に対する免疫応答を増強させる作用」が「アジュバント作用(免疫増強作用)」、
「抗原に対する免疫応答が増強する現象を引き起こすこと」が「アジュバント効果(免疫増強効果)」

ということに多分なるのだろう。そうすると結局、

●の影響は、アレルギー疾患の増加にアジュバントとして関与している
あるいは
●の影響にはアジュバント作用がある

というようにまとめることができるだろう。中々短く覚え易くなるのである。


 言葉遊びはこれ位で御仕舞いにして(記事もここで御仕舞いにしたい位眠いのだが・・・)、とりあえずアジュバントの具体例を眺めておこう。アジュバントと言えば、最近だとワクチンの話がタイムリー(適時)という気がするけど長くなりそうなので別の機会にすることとして、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎、同結膜炎)らしきものの話でみておこう。

 行きがかり上、疑わしい例の方を先にあげておくと、某掲示板の緊急自然災害板から発掘しておくと、

877 : 地震雷火事名無し(関東・甲信越)[] 投稿日:2011/12/05(月) 13:35:30.84 ID:SzMF8c/eO [1/2回(携帯)]
  くしゃみ・鼻水・目の痛がゆさ・咳・痰が止まらない
  症状出始めたのが瓦礫燃やし始めた時期と一致する@中央区

880 : 地震雷火事名無し(関東地方)[] 投稿日:2011/12/05(月) 13:55:10.22 ID:PuevlomOO [1/2回(携帯)]
  >>877さんのご近所だけど、家族みんな先週の金曜日頃からやけに体調悪いよ。
  311後からずっといろいろ気を使ってるし、西へ避難もしたりしてなんとかやってきたけど、ここ最  近のダルさは半端ない。身体中痛いわ手はしびれるわ、うっかりミスが多くなった。
  今日はなぜか少し良くなった。

882 : 地震雷火事名無し(関東・甲信越)[sage] 投稿日:2011/12/05(月) 14:31:32.34 ID:SzMF8c/eO [2/2回(携帯)]
  >>880
  自分は花粉症なんだけど、アレルギーのない弟も鼻水と咳が出てる
  風邪薬飲んでも鼻炎薬飲んでも症状が治まらない
  杉本彩は咳のし過ぎで肋骨折れて京都に引っ越すらしい

885 : 地震雷火事名無し(中国地方)[sage] 投稿日:2011/12/05(月) 18:39:12.46 ID:HoF5oPZp0 [1/1回(PC)]
  ブタクサの花粉だってベクレてるよね?

915 : 地震雷火事名無し(東京都)[sage] 投稿日:2011/12/05(月) 23:16:28.34 ID:9t4NtXvT0 [2/2回(PC)]
  >>885
  多分。
  ベクレる原因の放射性降下物も、花粉症を悪化させる(花粉症のアジュバントである)可能性が高い
  (アジュバント:抗原と混合して生体に投与されたとき、その抗原に対する免疫反応を非特異的に増強する
  作用を持つ物質)。

  なぜなら、ディーゼル排気微粒子(DEP)は、花粉症のアジュバントとされている。

   アジュバントが凶悪化させた“都会の花粉”が“田舎の花粉”よりヤバイ理由~もっと知りたい花粉の話
   2010年12月27日
   ttp://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20101221/1033996

  他方、DEPの健康被害は、主としてそれが活性酸素を生成するためらしい。

  論文紹介:Biological Effects of Diesel Exhaust Particles. I. In Vitro Production of Super oxide and In Vivo Toxicity in Mouse. (1993)
   ttp://www.nies.go.jp/kanko/news/13/13-5/13-5-05.html

  以上の2点から考えると、生体内で活性酸素を産生する放射性降下物も、DEPと同様に考えられる。
  アジュバント効果がある場合には、従来症状のなかった人(>>882)でも・・・  


 とりあえず、上記の最後のレスで言及された2つの記事をみておこう。1つ目は、3.11前のもので花粉症に関連した日経トレンディの記事から、

アジュバントが凶悪化させた“都会の花粉”が“田舎の花粉”よりヤバイ理由~もっと知りたい花粉の話【第1回】
2010年12月27日
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20101221/1033996/ (全文6頁)

「アジュバント」で都会の花粉が凶暴化!

 なぜ、そんなことが起こるのか?
 理由は、“都会の花粉”に「アジュバント」と呼ばれる物質が付着・吸着するからだという。

  [写真省略]田舎のスギ花粉(左の写真)に比べて、都会の花粉(右の写真)には、
       花粉以外の物質が多く付着している。これが「アジュバント」と呼ばれる物質だ。[1頁]

   [中略]

 高野領[筑波大学大学院教授も務める独立行政法人国立環境研究所環境健康研究領域の域長]の話によると、アジュバント物質の代表格であるディーゼル粉塵の花粉症への影響については、1980~90年代に指摘され始めたという。 [2頁]
   [中略]

 そう高野領域長が説明するように、「アジュバント(Adjuvant)」とは、抗原と一緒に生体に投与することで、投与した抗原に対する免疫応答(反応)を増強する物質。ラテン語の「adjuvare(助ける)」に由来し、「抗原性補強剤」とも呼ばれている。

「ですから、アジュバントとは、もともとアレルギーを念頭に置いた言葉ではありませんでした。ただ、今はもう少し広い意味で『アレルギー反応(免疫応答)をより活性化する(強くする)作用があるもの』という形で使われています」(高野領域長)。 [3頁]


 ここでは、ディーゼル排気微粒子(diesel exhaust particles、DEP。いわゆるディーゼル粉塵)が花粉症のアジュバント物質の代表格として位置づけられている。

 2つ目は、国立環境研究所のサイトから、DEPと喘息の関連を扱ったものだが、

論文紹介(ディーゼル排気ガスの生体への影響について) (1994年度 13巻5号)
http://www.nies.go.jp/kanko/news/13/13-5/13-5-05.html

 私[嵯峨井 勝氏]たちは,DEPを懸濁液として,マウスに気管から肺の中に投与すると,1.0mg DEPですべてのマウスが死亡し,この死因は肺水腫という肺の血管の内側をコーティングし,水分が血管外に漏れないように働いている「血管内皮細胞」が損傷を受けることによることを見いだした。この細胞は活性酸素に非常に弱い細胞である。・・・

   [中略]

 このようなことから,DEP の細胞毒性の本体はこのヒドロキシラジカルをはじめとする活性酸素であることが判明し,これまで考えられていたこととは異なる様式で毒性が発現する機序があることを明らかにすることができた。

 その後の研究により,少量のDEPをマウスに1週間に1回ずつ繰り返し気管内に投与すると,ぜん息の3つの基本病態すべてが発現することが分かり,活性酸素消去酵素(SOD)を投与しておくと,上記病態が発現しなくなることも認めた。さらに,DEPから生じるヒドロキシラジカルは DNA 損傷を起こすことや,DEP 投与によるマウスの肺がん発生は活性酸素消去物質の投与で著しく低下する傾向があることも認めた。このように,本論文は,ディーゼル排気ガス中の粒子状物質であるDEPから生じる活性酸素が広く肺疾患の発症に関与していることを示す私達にとって記念すべき論文となった。(強調は引用者)


 なお、●の影響と酸化ストレス(活性酸素)の関連については、過去記事をどうぞ(電離の直接障害と酸化ストレス障害  2012/5/9)。


 最後に、花粉関連の2012年シーズンの報道を東京新聞から、

スギ花粉のセシウム 林野庁試算「ごく微量」
2012年4月17日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/tohokujisin/nattokuqa/list/CK2012041702000161.html

Q 今シーズンの調査方法は?

A 福島県内は原発に近い双葉郡や南相馬市などを中心に百三十二カ所、他は青森から静岡までの十五都県五十カ所の計百八十二カ所のスギ林で、立木の枝葉を切り落とし、花粉が入っている雄花を採取してセシウム濃度を調べた。

 最も高かったのは、福島県浪江町のスギ林の雄花で、一キログラム当たり二五万三〇〇〇ベクレル(空間線量は一時間当たり〇・〇四ミリシーベルト)。福島県以外での最高は、栃木県矢板市の同一六四〇ベクレル(空間線量は未調査)だった。 (強調は引用者)


 「スギ花粉容器説」を考える前提は満たしていると思われるような数値といえるかもしれない。また、2013年シーズンについては、林野庁のサイトから、

スギ雄花に含まれる放射性セシウムの濃度の調査結果について
平成25年2月8日
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/kenho/130208_2.html

 農林水産省は、昨年度に引き続き、スギ雄花に含まれる放射性セシウムの濃度を調査しました。
その結果、放射性セシウム濃度の最高値は平成23年度の3分の1程度のスギ雄花1キログラムあたり約9万ベクレルでした。・・・(強調は引用者)


 おまけで噂話をツイッターから、

@manukahany 6月16日
@snoopymaygon @etosha0824 @onodekita 近所の長年お世話になっている耳鼻科の先生が「今年は、いつもと違う花粉症が多くて、毎日朝から晩まで診察。疲れたよ。」と言ってました。とても儲かったので、クルマ買い換えました。その先生。関東です。 (強調は引用者)