ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

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アレルギーが悪化傾向なのは何故か (1) 一般論

2013年09月15日 |  症例(その他)

〔更新履歴:9/21追記〕

 台風来たりて、3回休んで振り出しに戻り・・・


 適当に書き出してはみたものの、構成が悪いと同じことが何度も出てきて手間になりそうなので少し軌道修正して、振り出しに戻り書き直し。(スミマセン)


 先ずは、アレルギーとは何かというあたりから始めると、サイト「kotobank」から、

アレルギー
http://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC

 抗原にさらされた時、個体が正常よりも過敏な反応を起こし、組織障害を起こした状態。過敏症ともいう。アレルギーの原因になる抗原をアレルゲンという。・・・


 風邪で鼻水が出たというのは、病原菌・ウィルス(抗原)に対して免疫反応が起きているからで、それは鼻粘膜の障害の一つにあたるのだと思うが、これは正常な範囲だろうから過敏とはみなされないであろう。他方食パンなどの小麦製品を食べたら蕁麻疹が出たというのは、正常とはみられないだろう。(それでは、仮に一億総花粉症になってそれが常態化したらアレルギーでなくなるのかと混ぜっ返すこともできそうだが、そこは、海外にも日本人が沢山いるのでありそうもない、とかわしておこう。)

 
 アレルギーが何故起きるかというと、体内に取り込まれるのが増えてきた異物の処理に困ってしまった場合が多いのではないだろうか。例えば花粉症の場合は、花粉の処理が面倒になったのか鼻水を出して花粉を流し、目をしょぼしょぼさせて入ってくる量を減らしていると考えることができるだろう。このような状況なら、不要不急の外出を控えることもあるだろう。また、気管支喘息も似たようなものといえるだろう。(しかし、目の「しょぼしょぼ」と「しばしば」の違いを述べよと混ぜっ返されると、返答に困りそう。)


 次に、アレルギーの一般的な解説については、gooヘルスケアから、

アレルギーの治療法 - 分類ごとの病気の概論
http://health.goo.ne.jp/medical/read/desease/2802.html

アレルギー疾患の現況

 アレルギー疾患に悩む人は、近年世界的にも著しく増えています。日本の厚生省(当時)アレルギー総合研究事業の全国調査(1992~1997年)によれば、何らかのアレルギー疾患をもっている人は乳幼児で28・3%、小・中学生で32・6%、成人で30・6%と、ほぼ3人に1人という高率であることが報告されています。すなわち、日本には3000万~4000万人の患者さんがいると考えられます。

 しかし、アレルギー疾患が注目されるようになったのは、ここ30年くらいのことです。たとえばスギ花粉症は1960年代半ばに初めて報告されたのですが、今では全成人の25%を超す高い有症率とされています。また患者数の増加は現在でも続いており、近い将来には全国民の50%以上が、アレルギー症状に悩む可能性もあります。


 「スギ容器説」といのもありかという気もしてくるが・・・。妄想はさておき、有名どころのアレルギーを列挙しておくと、

食物アレルギー<アレルギー疾患>
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10S10100.html
 消化管アレルギー
 http://health.goo.ne.jp/medical/search/10161300.html

気管支喘息<アレルギー疾患>
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10S10800.html

アレルギー性鼻炎<鼻の病気>
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10C20900.html
アレルギー性結膜炎、春季カタル
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10A20600.html

アトピー性皮膚炎<子どもの病気>
http://health.goo.ne.jp/medical/search/101D0200.html
成人のアトピー性皮膚炎
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10O10500.html

9/21追記:
じんま疹<アレルギー疾患>
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10S11200.html

 
 次にここでは、アレルギーが悪化した例をチェルノブイリの事例などからあげていくべきだろうが、少し時間がかかりそうなので、この点は別の機会にすることにしよう。とりあえず、●の影響下ではアレルギーが悪化傾向にあるものとして仮定して話を進めていこう(タイトル自体が既にその前提なので・・・)。とはいえ、一つだけ関連の過去記事を思い出したので紹介しておくと、

大衆の誤認誘導報道の疑わしい例 (6) アレルギー(3歳児) 2013/1/14


 さて、アレルギーの悪化傾向は、どのようなメカニズムで起こるのであろうか(今回は少しマニアックな内容だけでお仕舞いになってしまいそうだな・・・)。

 結論を先に書いておけば、

●の影響 →酸化ストレスの亢進 →Th1/Th2バランスをTh2型優位へ誘導
→Th1/Th2バランスを回復できず →易アレルギー性


という流れで易アレルギー性(持病のアレルギーが悪化し易くなり、あるいは新たにアレルギーになり易くなるという性質。易過敏性)に至るものと考えられる。


 用語の解説をしておくと、先ず「Th1」と「Th2」については、それぞれTh1細胞、Th2細胞のことで、いずれもリンパ球の一種であるヘルパーT細胞に属している(リンパ球は白血球の一種)。他力本願でいくと、例えばサイト「脂質と血栓の医学」から、

Th1細胞とTh2細胞
http://hobab.fc2web.com/sub4-Th1_Th2.htm

 リンパ球には、T細胞と、抗体(免疫グロブリン)を産生するB細胞とがある。
 T細胞には、さらに、単球・マクロファージから抗原を提示され、免疫反応を調節する、ヘルパーT細胞(CD4抗原陽性)と、ウイルス感染細胞などを傷害する、キラーT細胞(CD8抗原陽性)がある。
 ヘルパーT細胞には、Th1細胞とTh2細胞とがある。


 次に「Th1/Th2バランス」については、再度他力本願でいくと、「酒井医院」(長野県所在)のサイトから(その目次は http://homepage2.nifty.com/fwkx2334/link41.htm)、

Th1/Th2細胞のバランスの乱れ
http://homepage2.nifty.com/fwkx2334/link33.htm

・・・通常、両細胞は相互にバランスを保ち免疫応答を制御しているが、何らかの原因でTh2細胞が過剰になるとカビやダニに対するIgE抗体が産生され、アレルギー疾患が生じる。一方,Th1細胞が過剰になると自己免疫疾患を引き起こすといわれる。

 簡単にまとめると、ヘルパーT細胞は機能的にTh1型とTh2型に分けられる。Th1型は細菌やウィルスなどの異物を攻撃、破壊して感染を防御し、さらにマクロファージをも活性化する。Th2型はカビやダニなどに反応し、B細胞にIgE抗体を作らせる。この2つは、免疫全体のバランスを保つために互いにけん制している。つまり、Th2型がつくるサイトカインはTh1型の増殖を抑制し、Th1型のつくるサイトカインは、Th2型の活性を抑制する。従ってアレルギー疾患を防ぐためには、Th1型と2型のバランスが大切であることが理解できる。


 上述の流れに戻ると、最初の矢印については、従来から何度も出てきているので説明は省略しておこう。2番目の矢印については、酸化ストレス環境においては、Th1/Th2バランスがTh2優位になるという報告が多いとされている。医薬ジャーナル社のサイトの記事から、

序:各種疾患におけるレドックス制御とその異常
アレルギー・免疫 2005年5月号(Vol.12 No.5)
https://www.iyaku-j.com/iyakuj/system/dc8/index.php?trgid=14783

 近年,オゾン,二酸化窒素(NO2),ディーゼル排気などの増加による大気環境の変化,食生活や室内環境の変化に伴い,アレルギー性疾患の発生頻度が増加している。こうした生活環境の変化自体,それにより促進される体内での活性酸素・フリーラジカルの生成は生体に酸化ストレスを与え,アレルギー性疾患の発生を助長すると認識されている。最近,細胞内のレドックス環境が酸化方向に傾くと,Th1/Th2バランスがTh2優位にシフトするという研究報告が増えている。


 酸化ストレス環境下においてTh2型優位になるのは、多分酸化ストレスが亢進していると体内で小さな異物が増えるので、これを液性免疫系で処理するためだろうと推測される。

 仮に酸化ストレスの亢進によってTh2型優位になった場合でも、Th1型がそれに見合う形で増強されればTh1/Th2バランスは回復すると思われるが、アレルギー症状のある人は何らかの原因によりこの回復力に問題が生じているのであろう。

 この回復力に問題が起こるのは、●の影響が(全身性の)免疫力の低下を招くこととも関連しているのかもしれない。免疫力の低下により、例えば、●の影響がない場合に比べてTh1型の系統に余裕がなくなるのかもしれないし、あるいはTh2型の系統が弱くなるにつれTh1/Th2バランスの乱れが激しくなるのかもしれない。


 目がしょぼしばしてきたので・・・(つづく)


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