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ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

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福島の健康調査 (7-2) 「健康診査」

2012年09月22日 |  症例(報道ベース)

 いきなり脱線してどうでもよい話から。ファンでもないのだけど、何か引っかかっていて・・・

レディー・ガガ、激太りは父親のレストランのせい!…妊娠説は否定
2012年9月21日 11時25分
http://www.cinematoday.jp/page/N0046188 (リンクはココ

 レディー・ガガが、30ポンド(約13.6キロ)の体重増ともいわれている激太りの真相について語っている。ガガによると、父親のレストランでの食べ過ぎが原因だという。・・・

 ガガの激太りは妊娠のためだと一部で報じられたことも話題になったが、ガガの発言は妊娠説を否定するものとなった。

 記事に掲載された写真(リンク先参照)は、衝撃的とは言わないけど、最も写りの悪いものを選んできて更に画像ソフトで縦に縮めたのかと思わせるもので、ちまたでは「肉ドレス写真」と呼ばれているらしい(少し小太りの方が長生きできるとのデータもあるみたいだから、これでもよいと思うけど、芸能人だと・・・)。

 彼女については、「青い目の中川翔子」と個人的には理解しているのだが(実際に青いかどうか知らないけど)、米国ベースだからセンスは凄いわな。印象としてはトータル・パッケージ路線の人だから、これが本当ならやはり何か不味いだろうと思うけど、このままだと、これが貴重なPVとなるのであろうか。

Lady Gaga - Poker Face http://www.youtube.com/watch?v=bESGLojNYSo (リンクはココ

 つべを旅してみると、知らなかったけど歌唱力はあるみたいだから(http://www.youtube.com/watch?v=ZwuoJK3CY0M、ココ)、路線変更して歌唱力路線もあるのかもしれない。声も出やすいだろうし。


 さて、前回記事は途中でぶつ切りにしたので、ついでに大きく脱線してみたけど、福島県の県民健康管理調査の詳細調査の一つである「健康診査」についての続きに戻ろう。

 福島県は、先週11日に「健康診査」の2011年度(H23年度)の実績と評価を公表した。実績については、同県のサイトから(「県民健康管理調査」検討委員会第8回会合(2012年9月11日開催)の当日配布資料
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/240911kentouiinkaisiryou.pdf。pdfファイルでリンクはココ)、


         表2 県民健康管理調査「健康診査」の2011年度(平成23年度)実績
          (出典:上記リンクの資料の25頁)

 2011年度の対象者は210,189人で、受信率は35%程度であったらしい(ちなみに2012年度の対象人数は、何故か少し増えて計211,987人となるらしい(15歳以下27,077人、16歳以上184,910人))。

 実施体制の概要については、同県のサイトから(「県民健康管理調査」検討委員会第6回会合(2012/4/26開催)の当日配布資料  http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/240426shiryou.pdf。pdfファイルでリンクはココ)、

◆県内に居住している対象者◆
 16歳以上については、既存の健診と県民健康管理調査「健康診査」を一度で受診できるよう、市町村の実施する特定健康診査等において、追加項目を上乗せして同時に実施するとともに、受診できなかった方を対象に県内29会場述べ104回、集団健診方式で健康診査を実施した。
 15歳以下の小児については、小児の特性に対応できるよう、小児科医に協力をいただき、県内102の医療機関において健康診査を実施した。 (同資料の16頁)

 40歳以上でサラリーマンでない人(農家など)は、市町村の実施する特定健康診査(いわゆる「メタボ健診」)があるので、これに上乗せするような形になるらしい。15歳以下については小児科で実施しているようだけど、小学生・中学生は学校で実施した方が効率がよさそうな気もする。強制にならないよう配慮しているものなのか、あるいは小児科医のビジネス機会に配慮したものかどうかはよくわからない。


 前置きはさておき、検討委員会では、今回評価として具体的な検査結果と過去の健診データとの比較分析を実施したらしい。比較の対象者は、市町村が実施したメタボ健診に上乗せしたものを受診したグループ(8,798人)から選ばれたようだ。その詳細については、前者のリンクの資料から、

   平成23年度 県民健康管理調査「健康診査」結果解析
   (過去の特定健康診査・後期高齢者健康診査との比較)

【経過】
平成23 年度に避難区域等の市町村が実施した特定健康診査・後期高齢者健康診査において検査項目を上乗せして同時に県民健康管理調査「健康診査」を受診した方の健康診査結果を、避難区域等の市町村(双葉町・浪江町以外)において平成20~22 年度に行われた特定健康診査及び後期高齢者健康診査の結果と比較した。

   [中略]

【対象者】
 対象者数は、平成23 年度は約7,822 人(男性約3,268 人、女性約4,554人)、平成20~22 年度は26,309~27,215 人(男性12,033~12,293 人、女性約14,275~14,996 人)であった。

 年齢は、平成23 年度は平均64.3 歳(男性65.6 歳、女性63.4 歳)、平成20~22 年度は66.2~66.6 歳(男性66.4~67.0 歳、女性65.9~66.2 歳)であり、男性は約1.1 歳、女性は約2.6 歳、平成23 年度受診者が若年であった。 (以上26頁から)


【まとめ】
 男女両者において、肥満(腹囲、BMI)、糖代謝異常(空腹時血糖、HbA1c、尿糖)、脂質代謝異常(LDL-C、中性脂肪、HDL-C)、肝機能異常(AST、ALT、γ-GT)の割合が、震災前の平成20~22年度と比較して、震災後の平成23年度においては高い数値を示しており、その傾向は特に男性において顕著であった。
 これらの要因を推定すると、余儀なくされた避難生活による運動量の減少やアルコール多飲などを含む食習慣の変化、精神的ストレスや睡眠障害に伴う生活環境全般の変化などの可能性は否定できない。

 しかし、今回比較した平成20~22年度と平成23年度の受診者では、元々の母集団の相違により、対象地域や受診者年齢層が異なっていることから、元々の母集団の疾患頻度の相違の問題が存在する。

 さらに、平成23 年度は震災が起きた直後の年度であり病気が心配な人がより多く受診したと考えられることや避難生活に伴う生活不活発病の影響など、多くの修飾要因が存在するため、現時点では平成20~22年度と厳密な意味での比較はできない。 (以上37頁から)


 上記引用のまとめによれば、3.11前の実績に比べて4項目(肥満、糖代謝異常、脂質代謝異常、肝機能異常)で数値が悪化したとされているので、記録のためデータを抜粋して掲げておこう(男女別を示すと長くなるので省略して、男女全体のみとしよう)。

(a) 肥満(腹囲、BMI)

          表3 2011(H23)年度「健康診査」と過去健診との比較(肥満)
(注)BMI(ボティマス指数、体格指数)で「>=25」は肥満に、「<18」は低体重に対応(なお、低体重の基準は通常「18.5未満」が多い模様)。

(b) 糖代謝異常(空腹時血糖、HbA1c、尿糖)


          表4 2011(H23)年度「健康診査」と過去健診との比較(糖代謝異常)
(注)空腹時血糖の「110mg/dl以上」は「耐糖能障害を示唆する空腹時血糖値110mg/dl 以上」に、同「160mg/dl以上」は「血糖管理が不良とされる空腹時血糖160mg/dl以上」に、HbA1cの「6.5%以上」は「日本糖尿病学会が示す糖尿病治療目標値HbA1c (JDS 値)6.5%未満」を超えるものに、同「8.0%以上」は「糖尿病の血糖管理不良とされるHbA1c (JDS 値)8.0%以上」に対応。

(c) 脂質代謝異常(LDL-C、中性脂肪、HDL-C)

           表5 2011(H23)年度「健康診査」と過去健診との比較(脂質代謝異常)
(注)LDL-Cの「120mg/dl以上」は境界域高LDL コレステロール血症に、同「140mg/dl以上」は高LDLコレステロール血症に、中性脂肪の「150mg/dl以上」は高中性脂肪血症に、同「300mg/dl以上」は高度な中性脂肪血症に、HDL-Cの「40mg/dl未満」は低HDLコレステロール血症に対応。

(d) 肝機能異常(AST、ALT、γ-GT)

           表6 2011(H23)年度「健康診査」と過去健診との比較(肝機能異常)
(注)AST(あるいはGOT)及びALT(あるいはGPT)の「31 U/l以上」は保健指導判定値に、同「51 U/l以上」は受診勧奨判定値に、γ-GT(あるいはγ-GTP)の「51 U/l以上」は保健指導判定値に、同「101 U/l以上」は受診勧奨判定値に対応だろうか(メタボ健診において)。

 ちなみに検査項目に関しリンクを置いておくと、基準値の範囲については、例えば、順天堂大学医学部附属順天堂医院のサイトから(サイトによって微妙に少しずつ違うけど)、

臨床検査値の基準範囲(血液・生化学検査) [一覧]
http://www.juntendo.ac.jp/hospital/support/rinsyo_kensabu/patient14.html (リンクはココ

ちょっとした解説を含むものだと、例えば、(管理者不詳だけど)サイト「検査結果とその見方」から、

血液生化学検査 このカテゴリの一覧

http://kensa.hirarara.com/19/ (リンクはココ。閲覧したい項目をクリツク)


 さて、検討委員会の分析(上記引用のまとめ参照)によれば、4項目で数値が悪化した要因として、

ア) 余儀なくされた避難生活による運動量の減少
イ) アルコール多飲などを含む食習慣の変化
ウ) 精神的ストレスや睡眠障害に伴う生活環境全般の変化、など

が挙げられている。しかし、この手の分析のほとんどでみられることだが、何故か●の影響は考えないらしい。避難区域等の住民であれば、事故初期にはかなり濃いものに遭遇した可能性が高いので、この重要な論点を考えないのは片手落ちと言わざるをえないだろう。

 付け加えれば、津波被災のおそれがある地域以外で避難生活を強いられたのは、何故なのだろうか。汚染食品があふれ地産地消ができなくなったのは、何故なのだろうか。津波被災のおそれがある地域以外でも長年続けていた生活習慣を変えなければいけなくなったのは、何故なのだろうか。ここで上げられた3つの要因(運動量の減少、食習慣の変化、生活環境全般の変化)ついては、仮にこの分析が正しいとしても(筆者はこの立場を支持しないけど)、いずれも東電福一原発事故との間接的な関連性は否定できないであろう。
 
 また、アルコール多飲については、チェルノブイリの汚染地域でもみられたようだが、検討委員会でもその事実が存在する点を示唆しているようで興味深い。また、睡眠障害についても同様で、福島在住者からの情報(下記参照)によれば増えているとのこどであったが、検討委員会でもその事実の存在を暗に認めているようだ。

@HCR_OPCOM
0727官邸前デモに参加している双葉町の女性「逃げまどうこと1年4ヶ月、町民の9割が睡眠薬を服用しないと休めない」広がる被災者と政治の溝を私たち市民が埋めなくてはていけない。↓双葉町ホットスポット44.82μSv/h!(β遮断・車内計測) http://t.co/jQVZQB1G
2012年7月27日 - 2:35 (強調は引用者)

 更に、検討委員会の分析によれば、「元々の母集団の相違」を4項目で数値が悪化した要因としてあげているようだ。しかし、個人的にはそれほど寄与度の高い要因とも思えない。なせなら、過去の受診者に比較し平均年齢が若い集団(2011(H23)年度の受診者)であるのに数値が悪化しており、その悪化の程度も具体的データでみる限り母集団の違いでは片づけられないように感じるからだ。


 では、この4項目での異常を●の影響と仮定すると、どのように理解できるであろうか。先ず糖代謝異常については、以前の記事でも扱ったように(ココ)、酸化ストレスによって生じたインスリン抵抗性を経由したものの可能性が高いのではないだろうか。最近の記事でも扱ったように(ココ)、コルチゾールの過剰によって生じているのかもしれない。

 脂質代謝異常については、糖代謝異常によって糖尿病化してくると合併症として脂質代謝異常が出てきている可能性があるのではないだろうか。あるいは、これについても最近の記事でも扱ったように(ココ)、コルチゾールの過剰によって生じているのかもしれない。

 糖代謝異常によって糖尿病化して脂質代謝異常も出てくるようであれば、体内で代謝異常が生じてエネルギー源が余り気味ということなので、肥満化してくることとなるであろ。また、肝臓に脂肪が蓄積して脂肪肝化してくることにより肝機能の異常が出現することになるであろう。なお、脂肪肝と高血糖・高脂肪との関連性については、次の記事がわかりやすいかもしれない。(管理者不詳だけど)サイト「糖尿病」から、

隠れ糖尿病の原因は脂肪肝と脂肪筋|ためしてガッテン(NHK)
9月 23, 2009
http://tounyou.wordpress.com/2009/09/23/%E9%9A%A0%E3%82%8C%E7%B3%96%E5%B0%BF%E7%97%85%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%AF%E8%84%82%E8%82%AA%E8%82%9D%E3%81%A8%E8%84%82%E8%82%AA%E7%AD%8B%EF%BD%9C%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%97%E3%81%A6%E3%82%AC/ (リンクはココ


 また、肝機能の異常には、別の経路も考えられるだろう。肝臓は体内で解毒作用を担っているので、体内に取り込まれたものの行き場のない物質は、肝臓に蓄積することが考えられる。

 東電福一周辺のプルトニュウムの測定地図があったような気もするけど少し分かりにくいので、代わりに、事故初期において避難地域等において変な核種が飛んでいて呼吸に注意すべきであったことを分かり易く示した写真を掲げておこう。

           図1 2011年4月17日の避難地域等内での一コマ
(サイト「watch@2チャンネル」の記事「フルアーマー枝野 「過剰反応やめ福島県民に温かく…」」 http://watch2ch.2chblog.jp/archives/3695054.htmlから拝借)。

 肝臓に溜まりやすい核種としては、例えば、アルファ核種(放射性トリウム)の例を高度情報科学技術研究機構のサイト「ATOMICA」から、

トロトラストによる放射線の晩発障害 (09-03-01-11)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-03-01-11 (リンクはココ


 最後に、冒頭のガガの話に戻ると、太った原因が妊娠でないとすれば、やはり懸念が残るのではないだろうか。第一に、彼女は3.11以降、3回も来日しているらしい(昨年6月、同12月、今年5月)。最初のときは、対策もせずに無謀な仕掛けだな、とかなり引っかかったことを覚えている(米国ベースの芸能人だと次の記事によれば断れない雰囲気があるようだけど・・・: Newsweek日本語版の記事『「メットオペラ」と「レディー・ガガ」はどうして来日できたのか?』 2011年06月24日 http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2011/06/post-312.php)

レディー・ガガ来日、被災者支援イベント参加へ
2011年06月22日
http://www.afpbb.com/article/entertainment/music/2808082/7408164 (リンクはココ。噂話だと、来日してしゃぶしゃぶも食べたらしいとか。翌月には牛肉汚染も判明し・・・)

 第二に、wikiによれば、彼女の生年月は1986年3月であるらしい。

 仮に米西海岸に住んでいるなら(東海岸だとは思うけど)、念のため血糖値でも検査しておいた方がよいのではないだろうか。


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