A.トヨタの決算予想の意味、その背景とは?:
トヨタの、ここ10年以上の増収増益基調に変調が生じている。
‘08年(今年)は増収増益の最後の年になる。
来年はついに減収減益になる。
25兆円の売り上げ(5%減)、1.6兆円の利益(27%減)となる。
(それでも半端でなく凄いのではあるが!)
減収減益。
その理由は、北米不振、国内販売低迷、原材料高騰、円高、・・・・・いろいろある。
もともと、ここ1年日本経済の潮目はかわりつつあった。
バブル崩壊後、デフレ基調の中で、もみあいつつ何とか回復してきたが、その日本経済に大変化が生じている。
まず、
インフレ的である。
原料高で国内消費者物価がのきなみ上昇している。
10%ぐらいの値上げが極普通になった。
この秋にはさらに上がるという。
また、円高で、輸出主導企業の業績にも陰りが出てきた。
ついで、
社会コストの高さがより鮮明になった。
社会保障、介護、年金支給システムなど社会コストの増加が生活者の心理に重く圧し掛かる雰囲気になっている。
さらに、
生活者の収入が二極分化し、低所得層が固定的になってきた、
正規社員、派遣・パートの固定化もますます進む、
労働市場が固定的で、収入が伸び、個人消費の上昇が望めるという状況にはない。
また、
特殊要因としての住宅着工の激減がある。
(建築審査基準の厳しさ、審査体制の脆弱性のため)
このような経済の変化の中で、決定的な現象としてトヨタの減収減益のニュースが最悪のタイミングで飛び出してきたのである。
B.トヨタ決算の影響、そのマーケティング的な意味:
‘08には、トヨタという世界一の製造業がつい減収減益になるという。
カンバン方式をかかげ、極限までコストカットが進んでいる自動車業界の雄・トヨタ、スケールメリットが極限まで追及されているトヨタにおいてもついに!、
という感じである。
あのトヨタでさえも日本経済の今の状況には抗せられないのである。
トヨタは、いろいろな意味で、日本株式会社の代表、シンボリックな企業である。
その規模性、あらゆる産業セクターを糾合した裾野の広さ、生活者に近い財・車を作っている、皆が持つことにあこがれる夢の財を作っている、・・・・・・・
このシンボリックな企業、トヨタの状況変化の影響は甚大である。
これは何かあるな!?
これは何か今までとは違うな!?
と、皆が思い始めるのに必要十分な材料を提供するのは(うってつけの役者は)、やはりトヨタだったということである。
このトヨタのニュースを聞いて、ビジネスをとりまく経済環境がガラット変わったということを、改めて強く認識せざるをえない。
各社、各セクターともにビジネスモデルを変えざるをえない、という感覚をもちはじめ、
これが日本経済への、様々な負の影響を醸成することになるだろう。
C.消費財マーケティングの状況:
このところスーパーの生活品で、10%位の値上げが続いている。
家庭、主婦の懐を直撃している。
やはりシンボリックなのは、ハーゲンダッツの250円から270円の値上げであろう。
もともと高いものである。
高くても、そのブランド力でアイスクリームの世界ではNO1の1人勝ちである。
しかし、この値上げがどう売り上げに影響してくるか?
興味津々である。
ブランド品であるハーゲンダッツは、8%の値上げになってもたいした影響はない!
と言うのが通常の経済状態でのブランドセオリーである。
高くてもそのブランドの品質に惚れ、その世界観に浸る、と言うことなので8%ぐらい?は問題はないということになる。
しかし、本当のところはどうなのだろうか?
今回の場合は生活品がのきなみUPである。
生活防衛に走る消費者心理が極端に高まるものと見ている。
ハーゲンダッツの真のブランド力を(底力を)、外野で冷静に見たいところである。
もし、日本人がハーゲンダッツを買う勇気を持ち続けられれば、日本の個人消費は底堅く安泰である。
ここでひるむようだと、GDPの半分を占める個人消費に陰りが出、ひいては日本経済があやしくなることの序章が始まるであろう。
日々の経済記事が、日本経済の負の転換点的な予兆を示しているように見える、今日この頃である。
この稿終わり
トヨタの、ここ10年以上の増収増益基調に変調が生じている。
‘08年(今年)は増収増益の最後の年になる。
来年はついに減収減益になる。
25兆円の売り上げ(5%減)、1.6兆円の利益(27%減)となる。
(それでも半端でなく凄いのではあるが!)
減収減益。
その理由は、北米不振、国内販売低迷、原材料高騰、円高、・・・・・いろいろある。
もともと、ここ1年日本経済の潮目はかわりつつあった。
バブル崩壊後、デフレ基調の中で、もみあいつつ何とか回復してきたが、その日本経済に大変化が生じている。
まず、
インフレ的である。
原料高で国内消費者物価がのきなみ上昇している。
10%ぐらいの値上げが極普通になった。
この秋にはさらに上がるという。
また、円高で、輸出主導企業の業績にも陰りが出てきた。
ついで、
社会コストの高さがより鮮明になった。
社会保障、介護、年金支給システムなど社会コストの増加が生活者の心理に重く圧し掛かる雰囲気になっている。
さらに、
生活者の収入が二極分化し、低所得層が固定的になってきた、
正規社員、派遣・パートの固定化もますます進む、
労働市場が固定的で、収入が伸び、個人消費の上昇が望めるという状況にはない。
また、
特殊要因としての住宅着工の激減がある。
(建築審査基準の厳しさ、審査体制の脆弱性のため)
このような経済の変化の中で、決定的な現象としてトヨタの減収減益のニュースが最悪のタイミングで飛び出してきたのである。
B.トヨタ決算の影響、そのマーケティング的な意味:
‘08には、トヨタという世界一の製造業がつい減収減益になるという。
カンバン方式をかかげ、極限までコストカットが進んでいる自動車業界の雄・トヨタ、スケールメリットが極限まで追及されているトヨタにおいてもついに!、
という感じである。
あのトヨタでさえも日本経済の今の状況には抗せられないのである。
トヨタは、いろいろな意味で、日本株式会社の代表、シンボリックな企業である。
その規模性、あらゆる産業セクターを糾合した裾野の広さ、生活者に近い財・車を作っている、皆が持つことにあこがれる夢の財を作っている、・・・・・・・
このシンボリックな企業、トヨタの状況変化の影響は甚大である。
これは何かあるな!?
これは何か今までとは違うな!?
と、皆が思い始めるのに必要十分な材料を提供するのは(うってつけの役者は)、やはりトヨタだったということである。
このトヨタのニュースを聞いて、ビジネスをとりまく経済環境がガラット変わったということを、改めて強く認識せざるをえない。
各社、各セクターともにビジネスモデルを変えざるをえない、という感覚をもちはじめ、
これが日本経済への、様々な負の影響を醸成することになるだろう。
C.消費財マーケティングの状況:
このところスーパーの生活品で、10%位の値上げが続いている。
家庭、主婦の懐を直撃している。
やはりシンボリックなのは、ハーゲンダッツの250円から270円の値上げであろう。
もともと高いものである。
高くても、そのブランド力でアイスクリームの世界ではNO1の1人勝ちである。
しかし、この値上げがどう売り上げに影響してくるか?
興味津々である。
ブランド品であるハーゲンダッツは、8%の値上げになってもたいした影響はない!
と言うのが通常の経済状態でのブランドセオリーである。
高くてもそのブランドの品質に惚れ、その世界観に浸る、と言うことなので8%ぐらい?は問題はないということになる。
しかし、本当のところはどうなのだろうか?
今回の場合は生活品がのきなみUPである。
生活防衛に走る消費者心理が極端に高まるものと見ている。
ハーゲンダッツの真のブランド力を(底力を)、外野で冷静に見たいところである。
もし、日本人がハーゲンダッツを買う勇気を持ち続けられれば、日本の個人消費は底堅く安泰である。
ここでひるむようだと、GDPの半分を占める個人消費に陰りが出、ひいては日本経済があやしくなることの序章が始まるであろう。
日々の経済記事が、日本経済の負の転換点的な予兆を示しているように見える、今日この頃である。
この稿終わり