論語を詠み解く

論語・大学・中庸・孟子を短歌形式で解説。小学・華厳論・童蒙訓・中論・申鑑を翻訳。令和に入って徳や氣の字の調査を開始。

「中庸」を詠み解くⅢ

2008-12-30 09:06:39 | 論語
「中庸」を詠み解くⅢ
  ◎第二十章
   
(孔子の言葉八)
    魯国の哀公が政治のあり方について問うた時の孔子の言葉、
    
只たんに文王武王のまつりごと見習ったとて道は開けず
    その思い生かす人物居ればこそ立派な政治為しうることに

    人君の役目も土壌の役目と同じ事、
    地の役は樹を育てるにある如く人君の道善政にあり
    即ち然るべき環境が整えば、
    政治とは賢人を得て行えば善政しくは極めて易し
    それ故に、
    
まつりごと行う為に優れたる人物得るが先ずは第一
    賢人を用いる為に人君はおのが身正し修養すべし
    修養を為すには道に従って仁の心を基と為すべし
    
修養の基となる広義の仁の在り方を、仁(狭義)・義・礼との
    関連に於いて説く。
    仁とは何か(情としての仁)、
    
その仁は人の意にしてその意味は人に対する道徳のこと
    道徳の中ではおのが親族を愛することが大切なこと

    義とは何か(知としての義)、
    
義というは宜の意味にして状況に応じたものの在り方を言う
    まつりごとでは、
    肉親の情を抑えて賢人を尊重するがさらに大切
    礼の発生は、
    
肉親を親愛するの行為にも親疎によって差別生じる
    賢人を尊重するの行為にも才能により区別生じる
    この様な差別区別の有り様が礼発生の根拠たるべし
    
つまり礼とは仁と義とを節度付けるもの。
    従って「政は人なり」の主旨をまとめると、
    
君子たる者はわが身を正しくしよく修養に努むべきなり
    おのが身を正し修養励むには先ずよく親に仕えるがよし

                    肉親を親愛することが先ず大事。
    よく親に仕える為に他の人をよく理解することが肝要
                    賢人を尊重することが更に大事。
    他の人をよく理解するその為に天の存在自覚すること
                    人を支配する天帝を自覚してこそ
                    人のことがよく理解できる。
    結局の処、
    修身の極意は「天を知る」にありしかして政は賢人が為す
                    天命を知ることによって、賢人を
                    得てこそまつりごとを為しうる。
    世に達道と達徳あり、
    世の中に広く通ずる道五つその実践に三つの手段
       五達道(五倫)     君臣間の義、父子間の親
                    夫婦間の別、兄弟間の序
                    朋友間の信
       三達徳(三徳)     知、仁、勇
    
実践のための基本は只一つ真心にありすなわち誠
    この五倫習得の法種々あれどその認識に違いはあらず

                生まれながらにしてこれを知る者→生知
                学んだ後これを知る者      →学知
                苦しみ抜いてこれを知る者    →困知
    三徳の行い方は種々あれどその成果には違いはあらず
                苦もなく行いうる者         →安行
                意識して行いうる者        →利行
                努力して行いうる者        →勉行
    すなわち、      聖人(例えば舜王)      →生知安行
                仁人(例えば顔淵)      →学知利行
                勇士(例えば子路)      →困知勉行
    さらに孔子は修身の在り方について説く、
    
勉学を好む行為は知の徳を備えし者の行為に近し
    実践に励む行為は仁の徳備えし者の行為に近し
    おのが身を恥じる行為は勇の徳備えし者の行為に近し
    この事を弁えたならおのが身を修める法は既に明らか
    修身の法知り得れば世の人を修める法は既に明らか
    世の人を治める法を知り得れば治国の道は既に明らか
    
三徳を修めることが修身であり、それが治人・治天下国家の
    基となる。
    次いで君主が天下国家を治める九つの方策について触れる。
    世の中を治める策に九つの原則つまり九経がある
    
第一は國を治める基となる君主自身が身修めること
    この様に策講ずれば万人の模範たるべき道が確立

                                   修身の経
    
第二には師友たるべき賢の者尊重をして重用のこと
    この様に策講ずれば物事の道理違える事なかるべし

                                   尊賢の経
    
第三におのが親族敬愛し家を宜しく斉えること
    この様に策講ずれば親族も怨みの心持つ筈がなし

                                   親親の経
    
第四には臣下を統べる大臣をうやまい敬し礼尽くすこと
    この様に策講ずれば大臣も事に臨んで迷うことなし

                                  敬大臣の経
    
第五には実務に励む群臣をその身になって思いやること
    この様に策講ずれば群臣も報恩のため職励むべし

                                  体群臣の経
    
第六に國の基たる人民を我が子の如く慈しむこと
    この様に策講ずれば万民は君主の為によく務べし
                                  子庶民の経
    
第七に匠の者を招致して富国の為に当たらせること
    この様に策講ずれば財物や日常の品満ち足りるべし

                                  來百工の経
    
第八に外来者には恩恵を与えて心和らげること
    この様に策講ずれば遠国の人々達も慕い寄るべし

                                  柔遠人の経
    
第九には和平の為に諸侯等を味方に付けて慕わせること
    この様に策講ずれば万民が威光になびき服従すべし

                                  懐諸侯の経
    その実践の法は、
    身を清め礼服着し何事も礼を守って行動すべし
                                   修身の法
    
讒言を退け女色遠ざけて財より徳を尊重すべし
                                   尊賢の法
    肉親の地位俸禄をよく守りその心情を分かち合うべし
                                   親親の法
    
大臣に多くの臣を配置してその任用も自由にすべし
    かくすれば小事は部下に行わせ大計のみに専念しうる

                                  敬大臣の法
    臣下には誠をもって対応し多禄を計り士気鼓舞すべし
                                  体群臣の法
    公役は忙月を避け節税しその取り立てを少なくすべし
                                  子庶民の法
    匠にはその仕事ぶり観察し労に応じた手当出すべし
                                  來百工の法
    往来の送迎設備完備して旅中の不安なからしむべし
                                 柔遠人の法一
    外来者善なる者は褒め称え劣なる者も同情すべし
                                 柔遠人の法二
    代絶えし國には世継ぎ立ててやり滅びし国はまた興すべし
                                 懐諸侯の法一
    
乱国は治まるように策講じ危うき国は立ち直すべし
                                 懐諸侯の法二
    諸侯らの謁見の儀や大夫らの來聘の儀は時守るべし
                                 懐諸侯の法三
    朝廷の賜り物は手厚くし貢ぎ物には素を求むべし
                                 懐諸侯の法四
    九経の更なる具体的実践策は、
    
世の中を治める策に九つの原則つまり九経がある
    さりながらその実践の方策は只一つだけすなわち「誠」
    物事は事前の準備大切でそを為さざれば実現不能

    たとえば、
    
発言もよく思考して十分な準備を為せば失敗はなし
    事業でもよく思考して十分な準備を為せば失敗はなし
    行動もよく思考して十分な準備を為せば失敗はなし
    行徳もよく思考して十分な準備を為せば失敗はなし

    九経実践の前提は、「誠」に尽きる。
    次ぎに政治の実務に携わる者(一般官吏)の心得が述べられる。
    
上位者の信任得られざる者は民を治める事はかなわず
    その為には、
    上位者の信を得るため為すべきは友の信用得るが肝要
    その為には、
    朋友の信を得るため為すべきは親に順なることが肝要
    
その為には、
    昼も夜も反省をしておのが身を誠実にする事が肝要
    その為には、
    物事の善悪をよく区別して認識をする事が肝要
    自分自身が誠実であって始めて朋友の信・親への孝心・誠実の
    心・善悪の認識を得る事が出来る。
    ここで、本格的に「誠」について言及される。
    
誠とは天道にして生まれつき人に備わる窮極の道
    その誠「至誠」の域に努力して到達させるそれが人道
    努力せず思慮せず道を知得して「至誠」にいたるそれが聖人
    努力して誠の道を探求し固守する人が誠実の人

    「至誠」実現の為には、
    
何事も広く学んで識深め誠の道を実現すべし
    何事も事細やかに問いただし誠の道を実現すべし
    何事も用心深く考えて誠の道を実現すべし
    何事もよく分析しその公私是非真偽など弁別すべし
    何事も先ず手落ちなく十分に心を込めて実行すべし
    その上で、
    学ばざる対象あれば最後まで学び尽くして止めるべからず
    質さざる対象あればよく質し理解するまで止めるべからず
    思惟せざる対象あれば思索して真理得るまで止めるべからず
    弁ぜざる対象あれば弁別し見通すまでは止めるべからず
    実施せぬ対象あれば実行し行き渡るまで止めるべからず
    他の人の努力以上に努力して全ての事に徹底すべし
    この様に誠の道を仕遂げればたとえ愚者でも賢者とならん
    さらにまた誠の道を仕遂げれば意志弱くとも強者とならん
    

                       
「中庸」を詠み解くⅣ
につづく
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「中庸」を詠み解くⅡ

2008-12-14 16:05:48 | 論語

「中庸」を詠み解くⅡ

◎第六章
  (孔子の言葉五)
      舜王はまこと偉大な智者にしてよく民の声聞くを好めり
      日常のつまらぬ言もよく吟味悪言おさえ善言用う
      物事の両極端の中道をほどよく選び民に適用
      舜という意味は道徳満ちることしかるが故にその名残せり

                              舜王は「知」の人。
◎第七章
  (孔子の言葉六)
      己が智慧誇示する者は多かれど災い防ぐその策知らず
      さらにまた譬え中庸選んでも一と月の間も守り通せず
      かかる人我に智ありと言うけれど此では真の智者とは言えず

      無知の人が言う「中庸」とは、実は真の「中庸」ではない。
◎第八章
  (孔子の言葉七)
      孔聖の最愛の弟子顔回は中庸守る仁徳の人
      顔回はその中庸を頑なに失わぬよう守り続けり

                              顔回は「仁」の人。
◎第九章
  (孔子の言葉八)
      知仁勇行うことは難きことされど中庸ますます難し
      識見を持って天下国家を公平に治めるための「知」、私欲を
      抑えて人のために尽くす高潔なり「仁」、白刃を踏むことをも
      恐れぬ「勇」よりも、行い難き「中庸」に触れる。
◎第十章
  (孔子の言葉九)
      勇の者好む強には三種あり南と北とまことの強と
      寛大に教え導き報復を為さざるものが南方の強
      剛強で譬え戦で死するとも厭わぬものが北方の強
      人々と和すれど節度失わずこれぞ即ちまことの強さ
      中正の立場を保持しいずれにも偏らざるがまことの強さ
      栄達後私欲のために志曲げざる事がまことの強さ
      栄達の見込めぬ時も志曲げざる事がまことの強さ

                              子路は「勇」の人。
◎第十一章
  (孔子の言葉十)
      知が過ぎて人の知り得ぬ理を求め虚名博する事すべからず
      賢過ぎた奇怪なことに手を染めて虚名博する事すべからず
      道徳を守り行動する君子その志完遂すべし
      聖人は常に中庸よく守り用いられずも悔いることなし

      聖人、君子の心得について触れる。
◎第十二章
  (思子の言葉)
      人の道明白にして易なるものまた広大にして奥深きもの
      愚者にてもその一端は知る得るが聖人とてもすべてを知らず
      愚者にてもその一端は為し得るが聖人とてもすべて為しえず
      広大な天地でさえも人々は至らぬことになお不満持つ
      それ故に君子は道を語るとき比なき至大さ明らかにする
      さらに亦君子は常理語るときその細部まで明らかにする
      詩にも云う道の作用は広大で天にも地にも広く現る
                               
「詩経太雅旱麓篇」
      
人の道先ず常理から手を付けて天地を満たすものえと続く
      
この章は子思の見解を述べたもので、第一章で触れた「道か
      らは寸時も離れられぬもの」の意を、重ねて明らかにしたもの
      である。以下の八章は、孔子の言を諸方から引用して、さらに
      これを明らかにしたものである。
◎第十三章
  (孔子の言葉一)
      天性に従う道は人々が日々為す行為そのものにあり
      その道が如何に高遠なろうとも通じなければ道にはあらず
      詩にも云う道行うにその軌範身近に有りと心得るべし
                             「詩経豳風伐柯篇」
      
それ故に君子は人を治めるに常道によりこれを行う
      その上で人が過ちすぐ認め改悛すれば其れで良しとす
      真心で人思いやる忠恕とは道ではないが極めて近し
      おのが身に望まぬ事は他人にも為さざる事と心得るべし
      君子には四つの掟存するが孔聖でさえ守は難し
      すなわち、
      おのが子に求める事をわが父に行うことが先ずは第一
                                    (孝道)
      わが臣に求める事をわが君に行うことが次いで第二に
                                    (忠義)
      弟に求める事をわが兄に行うことがさらに第三
                                    (孝悌)
      朋友に求める事をおのれから行うことがそして第四に
                                    (信義)
      君子とは日常の徳実行し日常の言慎むがよし
      言動が足らざる時は十分に勉めてこれを実行すべし
      言動が過ぎたる時は慎重におのれを抑え実行すべし
      言動の一致に絶えず留意して君子は常に勉励すべし
 
      道は日々の身近な行為そのものにあり、君子は絶えず言行
      一致に励むべき事に触れる。
◎第十四章
  
(孔子の言葉二)
      君子とはその境遇に則したる行動をなしほかは望まず
      順境にあっては敢えて奢らずにその境遇をよく守るもの
      逆境にあっても敢えて卑下せずにその境遇によく耐えるもの
      他の國に従わざるを得ぬ時も道を守って改めぬもの
      困難に臨んだ時も恐れずに節を守って動ぜざるもの
      この様に君子はどんな境遇にあるも悠々自得するもの
      さらに君子は、
      上役の地位にあるとも下役を無闇に押さえつけたりはせず
      下役の地位にあるとも上役に媚びへつらって取り入りはせず
      身を正し人に求めることなくば怨み抱かず恨みも買わず
      かくすれば天を恨まず他の人も咎めることもある筈はなし
      それ故に、
      無理のない境地にあって相応の行為を為して天命を待つ
      それに比して、
      小人は分に過ぎたる事求め冒険おかし僥倖願う
      孔子言う願いが叶わざる時も非は他にあらず我とわが身に
      
以上、君子としてのあるべき「中庸の道」について触れる。
◎第十五章
  
(孔子の言葉三)
      例えれば遠くに行くに必ずや近きよりする其れがことわり
      さらに亦登坂するには必ずや低きよりする其れがことわり
      おなじこと君子の道を行うに先ず近きより始めるがよし
      
「詩経小雅常棣篇」に兄弟の和合を願う以下の詩がある。
      妻や子供の愛情は      琴小琴の調べなり
      兄弟ここに集まれば     むつみ楽しみ限りなし
      汝の家を良くすれば     女子供もなごむべし
      よくこの事を顧みよ      誠にこれぞ道理たるべし
 
      
孔子はこれを引用して、
      
この様に君子の道は家庭から始まることと心得るべし
◎第十六章
  
(孔子の言葉四)
      神霊の徳は盛大極まりてその働きはまこと広大
      その徳は視ようとしても見えないし聴こうとしても聞く事出来ず
      さりながら万物は皆神霊のお陰で生まれ形態を持つ
      しかもなおその神霊は祭場で世の人々をやさしくつつむ
      「詩経太雅抑篇」にも云う、
      
神霊は計り知れざる存在で避けたり厭うことは適わず
      神霊の働きに似て「誠」とは隠しおおせるものには非ず
◎第十七章
  
(孔子の言葉五)
      孔子は偉大な高徳を示した舜王を例として、
      徳あれば必ずそれにふさわしい地位得られると孔聖云えり
      徳あれば必ずそれにふさわしい俸禄得ると孔聖云えり
      徳あれば必ずそれにふさわしい名声得ると孔聖云えり
      徳あれば必ずそれにふさわしい長寿を得ると孔聖云えり
      すなわち天の意志は、
      天帝はすべての物を育てるに素質によって法かえるもの
      育苗に例えれば、
      しっかりと根付く苗にはさらに亦育ちゆくよう力あたえる
      衰えてしおれし苗はさらに亦力奪って枯れ果てさせる
      
「詩経太雅仮楽篇」にも同じ趣旨のことが述べられている。
      満ち足りて安らぐ君子    麗しき徳光り輝く
      民に慕われ人と和らぎ    天から賜物授けらる
      天は助けて天子たらしむ   さらに手厚く恩寵あたう
      それ故に、
      
偉大なる徳を備えし人はみな天命受けて天子とならん
◎第十八章
  
(孔子の言葉六)
      周王朝の徳業の伝承とその礼制の由来について述べる。
      父と子に恵まれし人文王は幸せにして徳高き人
      父季王王業起こし子の武王殷王誅し周朝ひらく
      
殷王紂は暴虐の限りを尽くした暴君といわれる。
      
主家である殷を倒した武王だがその名声は天下に響く
      その身分天子を極めその富は天下すべてを領有せりと
      年老いて天命受けし武王には礼の整備を為すいとまなし
      周公は父兄の徳成し遂げて祖に王号を追贈なせり
      さらに亦始祖に始まる先公に天子の礼で祭事をなせり
      祖を祀るかかる祭事は世の中のすべての層で行われたり
      喪は死者の祭りは生者の身に応じ執り行うがかかる礼なり
      一年に満たざる軽い喪の礼は天子・諸侯に適用されず
      父母の喪には身分の高下なくきまり通りに執り行われたり
      (周王朝について)
      周朝の始祖は舜の時代の后稷とされ、その後大王(古公
      亶父)・王季・文王・武王・周公(武王の弟)へと三十七代
      続く。
      (礼制について)
      葬祭の礼では、父が大夫で子が士の場合、父の葬儀は
      大夫の礼で、その後の祭儀は士の礼で、また逆の場合は、
      父の葬儀は士の礼で、その後の祭儀は大夫の礼を採用。
      喪の期間については、
      三年の喪→父母
      一年の喪→祖父母・兄弟など親族
      一年以下の喪には大功(九か月)・小功(三か月)などが
      あるが、政務に害ありとして上位の者には適用されず。
      基本的に、父母の喪以外は親族関係よりも貴賤関係を
      優先した。
◎第十九章
  
(孔子の言葉七)
      孔子は更に、武王・周公兄弟を称えてその行事を受け継いだ
      祭礼に触れる。
      周朝の武王・周公兄弟は世に知られたる孝の者なり
      父祖の志をよく受け継いでその事業発展させる其れが孝なり
      兄弟は父祖の思いを受け継いで祭祀の礼をよく定めたり
      先ず四季の祭礼について、
      折々に祖廟を浄め祭具など整備を為して祖を偲ぶべし
      宗廟の礼については、
      御霊屋の祭祀は昭・穆区別して世代の別を明らかにせり
      参加者の爵位によって席順を定めて序列明らかにせり
      
爵位は公・侯・卿、ついで大夫そしてこの下に士と民が続く。
      祭事の役割を決めるのは、
      祭礼の職の区分を行って人の賢愚を明らかにせり
      祭礼の終わりの饗宴では、
      献杯は身分の低い者にさえ祭事に参加させる為なり
      最後の一族の宴会では、
      
祭礼の終わった後の宴席は年齢により序列定めり
      
祖廟について、
      始祖廟(太廟)を中央にして、太廟から見て
      その左側に昭列(初代廟→三代廟→五代廟)、
      その右側に穆列(二代廟→四代廟→六代廟)
      という形で二列に廟が並ぶ。数が満ちると古い先祖から順に
      太廟に合祀される。
      さらに地位により廟数が限られる。すなわち、
      天子は七廟(太廟と三昭・三穆)
      諸侯は五廟(太廟と二昭・二穆)
      大夫は三廟(太廟と一昭・一穆)
      至孝について、
      祖の為せし業績継いで心から仕えることが最高の徳
      先王の地位を守り、その行った儀礼・音楽を受け継ぎ、
      仕えた賢人・能士を重用し、葬祭に際しては生者の如く
      仕えるなどの行為。
      
神と祖の祭礼の意解すれば國治めるはいと易きこと

                         「中庸」を詠み解くⅢへつづく

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