詰将棋解答選手権 速報ブログ

解答選手権のお知らせと速報です
主催:詰将棋解答選手権実行委員会
後援:朝日新聞社 詰将棋パラダイス 日本将棋連盟

最新のお知らせ

チャンピオン戦を3月31日(日)、初級・一般戦を4月13日(土)に開催しました。
多くのご参加、誠にありがとうございました。
詰将棋解答選手権実行委員会

【チャンピオン戦出場者インタビュー2010】 第5回 宮田敦史五段

2010年03月19日 22時36分34秒 | 第7回出場者インタビュー

チャンピオン戦出場者インタビュー,最後はもちろんこの方,3回連続6回目の優勝を目指す宮田敦史五段です.

---前回大会,第1ラウンドでは広瀬五段にタイム差に敗れて2位でしたが,第2ラウンドは唯一の全問正解で5回目の優勝を飾りました.前回大会の総括をお願いします.
宮田「何と言っても,里見さん(里見香奈女流名人・倉敷藤花)の女性初の第1ラウンド満点がお見事でした.問題としては8番と10番が難しかったです.正解者も少なかったようですね.あれより難しいと困ります(笑)」

---今年は63人と,過去最多の申し込みがありました.このことについてご感想を.
宮田「昨年より飛躍的に増えましたね.このブログの効果でしょうか.今後も増えて行くといいですね」

---6回目の優勝に向けて,要注意人物はいますか?
宮田「今回は特にそういう事は考えずに行こうと思います」

---第7回大会の抱負をお願いします.
宮田「前回も同じような事を言った気がしますが,他人を意識せず,自分の力を出し切る事に専念したいです」

---ありがとうございました.

【過去の成績】
第1回…優勝
第2回…優勝
第3回…優勝
第5回…優勝
第6回…優勝


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【チャンピオン戦出場者インタビュー2010】 番外編 谷川浩司九段・北浜健介七段の対談

2010年03月11日 12時30分25秒 | 第7回出場者インタビュー

第7回は残念ながら欠場の谷川浩司九段ですが,速報ブログにご協力いただきました.自ら選手としても出場する北浜健介七段とともに,「チャンピオン戦の展望」というテーマで対談をお願いしました.

--まずは昨年の総括からお願いします.
北浜「私は何位でしたっけ…」
谷川「私は…忘れましたけど5位くらいでしたか」
北浜「あ,思い出しました.13位です.初めて出たときが1位で次が3位,3回目が1と3を足して13位になったんです」

--それは「足した」とは言わないですよ(笑).谷川九段は5位でしたね.
谷川「私は第2ラウンドで1問解けませんでした.3問解けたのである程度のノルマは果たせたという感じもしますし,もう少し粘れたかなという気持ちもあります.あと斎藤君(斎藤慎太郎三段)が3位に入りましたよね.さすがに大阪会場ではトップだと思っていたので,それはややつらいところでした」
北浜「斎藤君はまだ中学生でしたか」

--当時中学生で,現在は高校1年生ですね.第1ラウンドのタイムも斎藤三段が谷川九段を上回りました.
谷川「第1ラウンドは若い人が早いので,こちらは第2ラウンドでどれだけ経験を生かして構想作を解けるかが大事.第1ラウンドのタイムはあまり気にしていなかったです」

--全体的には納得のいく成績でしたか.
谷川「まあまあです.その前の年の出来がよくなかったですが,昨年は実力を95%くらいは出し切れたと思います」

--撮影の都合で周りに座ってもらった女流棋士の様子はいかがでしたか.
谷川「それは気にする余裕もなく(笑).里見さん(里見香奈女流名人・倉敷藤花)が第1ラウンドで顔を真っ赤にして出てきたのが印象的でしたね」
北浜「女流棋士では初めての全問正解でしたもんね.びっくりしました」

--では北浜七段にもお伺いします.
北浜「第1ラウンドは3位でしたが,そこで喜んでしまったんですかね.第2ラウンドは7番の△3二角合からの逆王手が全く見えなくて,どうやっても詰みそうに思えてしまいました.こんな詰将棋が出るわけないし….そこで30分くらいかかってしまって,リズムが崩れましたね.9番も簡単に解けそうに思えたのに時間がかかりました.もう途中で優勝は諦めましたが,ルービックキューブ(10番)の飛先飛歩(※1)が見えたので,10番に集中しようと思いました.でも▲1六飛が見えなくて…,結局解けなかった」
(昨年の出題作品 第1ラウンド 第2ラウンド)

--ちょっと不本意な成績でしたか.
北浜「そうですね.一昨年は私が3位で行方さん(行方尚史八段)が4位.去年は行方さんが12位で私が13位になって『レベルの低い競争でしたね』っていう話をしたんですよ」

--行方さんは第1ラウンドで2問,間違えたんですね.第2ラウンドで3問正解はさすがでした.エンジンがかかるのが遅かったんでしょうか.
谷川「午後からですよ.午前10時じゃないんですから(笑)」
北浜「行方さんが時間通りに来ると少しだけほっとします(笑).今年はもうちょっといい成績になるようにしたいです」

--ではここからは第7回・チャンピオン戦の展望を伺いたいと思います.まずは圧倒的な強さを誇る宮田五段について.先に席を立たれることについてはいかがですか.
北浜「(撮影の都合で)近くに座るように頼まれることが多いですが,あまり意識しないようにしています.でも第2ラウンドで私が考えている横で2分くらいで書かれて….自分との戦いなのでそんなに気にならないですが」

--宮田五段の解図力は,見ていてどのように思われますか.
北浜「図面を見せられたときの集中力がすごいなぁと思います」
谷川「普通の人は1時間くらいで集中力が切れるのですが,詰パラを1日で解いてしまうくらいなのですから集中力も素晴らしい」
北浜「短編コンクール(※2)50題を18分で解いたと聞きました.信じられない」
谷川「短コンもつまずく問題が結構ありますからね.1問でそれくらいかかってもおかしくないですよ.継続する集中力ですね」
北浜「ただ短編なら去年の第1ラウンドも広瀬君(広瀬章人五段)が早かったんですね」

--第2ラウンドは芹田さんの作品(8番)が難しく,全問正解者が出ないのかとも思われましたが.
北浜「正直,9番にあの問題が来たのが意表を突かれました.8番が難しく,9番に比較的にやさしい問題が来ましたので」

--後から聞いたところ,谷川九段は斎藤三段と思考パターンが似ていましたね.
谷川「そうですね.7番を解いて,8番は難しそうだったので飛ばして,9番・10番を解いて,残った時間で8番を考えました」
北浜「やはり時間との戦いが一番プレッシャーです」

--宮田五段を脅かすとしたら誰になるのでしょうか.
谷川「関西だと斎藤君でしょうかね.若手棋士はやや頼りないことがわかりました(笑)」
北浜「それが意外ですよね.あの豪華メンバーが….やはり中編は構想を見破る能力が必要なので.村田君もあまりふるわなかったですね」

--去年は絶叫事件(※3)がありましたからね.第1ラウンドで間違えてしまって,そこで気持ちが切れたのかもしれませんね.東京会場の広瀬章人五段はいかがでしょう.
谷川「東京なので見ておらず,よくわからないのですが…」
北浜「大逆転将棋を見る限りでは有力ですね」

--短編は早いですが,中編のときにどうなるか,でしょうか.では新顔はどうでしょう.
北浜「田村さん(田村康介六段)と瀬川さん(瀬川晶司四段)が出場する予定ですね.未知数ですが…」

--2位に入ったことのある,奨励会の黒川智記4級(インタビュー当時.現3級)はいかがでしょうか.
北浜「奨励会で苦戦しているのが不思議です」

--アマチュアでは有力選手はいますか.
北浜「竹中健一さんは早いです.元々,詰パラの解答王になったこともある実力者です」

--チャンピオンはプロ側から出したいという気持ちはあるのでしょうか.
谷川「それはそうですね」
北浜「アマチュアの方に優勝されたら悔しいと思います.アマチュアの方はアマチュアの方でなんとか優勝したいと思っていらっしゃるのでしょうが.また,そろそろ関西からも優勝が出てほしいですね」
谷川「若島御大に出ていただくしかないですか(笑)」

--それには投稿作品が増えなければいけないですね.若島委員長が解答者に回ると,出題する人が足りません.
北浜「ある方からチャンピオン戦に出すものを作ったという話を聞きました」

--「チャンピオン戦は難しい」というイメージがあるのか,作品を募集しても難解作を送ってこられる方が多いです.でも1ヶ月耐久レースじゃないので,30分くらいで解けるものを送っていただけるとありがたいです.

--さて,2会場に分かれている現状をいかがお考えでしょうか.
谷川「やっぱり宮田君がすごいですけど,そのすごさを体感していない.本当はやっぱり東京へ出向いて,惨敗するというのを一度味わってみたいと思いますが」
北浜「一昨年は東京で小学生の子が早く出て,ニコニコしているので,すごい天才がいるなーと.実際はリタイアだったようですが,どうもそう思ったのは私だけだったみたいです(笑).ただ,難関に挑戦した勇気は素晴らしい.実力を磨いてぜひまたチャンピオン戦に挑戦してほしいです」

--そういった小学生やいろいろなレベルの方が出ることについてはいかがでしょう.
北浜「東京では撮影の都合で座る席を分けていて,プロが前のほうに座るんですね.アマチュアの方には盤駒を使う方もいますがそんなに大きな駒音を響かせる方はいないので駒音自体はそんなに気にならないのでは,と思います」
谷川「大阪の場合はプロのほうが多くてアマチュアの方が少ないので,逆にアマチュアの方が緊張しているのではないかなと思います」

--大勢の方に参加してほしいですね.では最後になりますが,初級戦・一般戦に出る方へアドバイスがあればお願いします.
谷川「今年は出られないのですが,1年に1度の緊張を味わっていただきたいです.極端な言い方をすれば,生活の中にメリハリがあると思います.私たちプロの場合は対局があるのでメリハリはありますが,それでも対局とは違いますね.
 事前に準備をして,当日100%の力を出すにはどうすればいいか.訓練をしておかないとなかなか力は出せません.試験を受ける訓練にもなるのではないでしょうか.自分の好きな将棋,詰将棋のことで,楽しみながら経験できるのはいいと思います」

--100%を出すにはどうしたらいいのでしょうか.
谷川「45分,90分の間,焦らないことですね.1つ1つしっかり解いていってほしいです」
北浜「普段詰将棋を解くときと違い,解答選手権だけは限られた時間内で解かなくてはいけません.時間との戦いです.自分も3回出ましたが普段とは違うプレッシャーがあって,棋士なので対局と近い部分もあるのかなと思って参加していますが,…でも対局とも違う緊張感です.1年に1回こういう機会があるのはありがたいと思います.
 時間制限があるので1問で考え込んでしまうとそのまま終わってしまうこともあります.問題数が多いときはぱっと見て解けそうなものから解くということですね」

--「解けそうなもの」という見分け方はどうしたらいいですか.
北浜「2ケタの手数になると最後まで見通すのは難しいので,ある程度の筋がつかめそうなものから解いていくのがいいですね.どうしても焦ってしまうので,難しいですが.あと提出前に一度は見直したほうがいいですね.私も見落としていて慌てて書き直したことがありました」

--アンケートの自由記入欄にも「普段から書く練習をしなければいけない」という感想がありました.
北浜「そういう意味では私は毎月『詰将棋サロン』の原稿を書いているので練習になります」

--符号の書き方が普及していないのも課題ですね.出場される方は解答を書く練習もしておくのがいいですね.
 本日はどうもありがとうございました.

(2010年1月5日,関西将棋会館にて)

(※1)飛先飛歩…「(安い)歩を捨てて(高い)飛車を残せる順では詰まず,飛車を先に捨てると詰む」という詰将棋のテーマ.他に「香先香歩」などもある.読み方は…人それぞれ!?
(※2)短編コンクール…「詰将棋パラダイス」誌上で開催される,短編詰将棋の創作コンクール.ここで話題になっているのは,2009年12月号に掲載された7手詰50問.
(※3)解説は村田四段のインタビューにてどうぞ.

【谷川九段・過去の成績】
第4回…2位
第5回…7位
第6回…5位
(今回は欠場)

【北浜七段・過去の成績】
第4回…優勝
第5回…3位
第6回…13位

 

コメント (2)
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【チャンピオン戦出場者インタビュー2010】 第4回 馬屋原剛さん

2010年03月07日 00時00分00秒 | 第7回出場者インタビュー

第7回大会のチャンピオン戦には、第6回の初級戦や一般戦で好成績だった方々のエントリーをいただいております。今回はそういった方々を代表して、馬屋原剛さんにお話を伺いました。

--昨年は初級戦で3分、一般戦で19分と、江東会場はもちろん、全国でも1位でした。事前には想定していた成績だったのでしょうか。
馬屋原「初級戦は一度優勝していたので、ケアレスミスに気をつければかなり速く解けるかなと思っていました。一般戦の方も2年分の過去問で練習してみたら、2回とも過去の優勝タイムより速く解けたので、上位に食い込めそうだなという手応えはありました。でも、全国1位の成績は望外の結果でした」

--初級戦の45分中3分で解いたあと、また一般戦の90分中19分で解いたあと、何をしていましたか。
馬屋原「主に控室で、小泉潔さん(昨年江東会場で出場)に自作の馬鋸の記録作の解説(自慢?)をしていました。あと、初級戦が終わった後、利波さんに詰将棋(詰パラの昨年8月号の短期大学に掲載)を出題され、一般戦が始まるギリギリに解けた気がします」

--控え室にこれがあればいいのに、というものはありませんでしたか。
馬屋原「お菓子やお茶。…贅沢言ってすみません。あ、でも今回はくつろぐ余裕はなさそうですね」

--先ほど「一度優勝」とおっしゃったように、馬屋原さんは2006年にも初級戦で優勝しています。そのときと比べて難易度や手ごたえに違いはありましたか。
馬屋原「まず、問題数が10問から6問に減ったので、取り組みやすかったです。問題の難易度の方も、2006年の作品は大駒の開き王手や、合駒絡みのややこしいものが多かったのに比べ、2009年の作品は比較的素直な作品が多く、やさしくなった気がします。まあ、2009年の最終問題は双玉で移動中合が出てくる凶悪(?)なものでしたが」

--昨年は解答選手権に向けたトレーニングは行いましたか。
馬屋原「基本的には詰パラを普段通り解くことをトレーニングとしていました。また、一般戦に向けて過去問を自分で時間を計りながら解きました。今年はまず過去問に挑戦してから、対策を立てるつもりです」

--どうしてそんなに早く解けるのですか。
馬屋原「やはり、慣れですかね。多くの詰将棋を解けば、様々な手筋や詰み形を覚えることができるのでスピードアップに繋がります」

--今年、初級戦や一般戦に出る方に解答選手権の攻略法を伝授していただけますか。
馬屋原「初級戦は、5手以下の詰将棋をとにかく数多くこなすのがいいと思います。書店の将棋コーナーにいけば、大抵短手数の詰将棋集が売っているので、出来れば中身をちょっと立ち読みして自分のレベルにあった物を探すといいと思います。将棋世界の『あっという間の3手詰』や『実戦に役立つ5手7手詰』もお薦めです。
 一般戦も基本は同じで、まずは短手数の作品をたくさん解いて多くの収束形を覚えた方が有利です。解答選手権の作品は、質がよく収束はカッコよく決まるものがほとんどです。では、初形から収束形に持っていくまではどうするか。当然ながらこれが難しいのです。初手から派手な捨て駒がたくさん出てくる物もあれば、初めは重たく駒を打ち、収束にこれでもかと捌き捨てる作品もあります。うーん、やはり多くの問題を解いて勘を養っていくしかないかのかもしれません。あと、合駒問題は必ず出ると思うので限定合が出たらまず作意で間違いないと思います。ただ、飛び道具を打った直後は細心の注意を払ってください。どんな妙防が出てくるかわからないですから。
 …無駄に長くなってしまいました。結論は『慣れ』です。月並みですみません」

--創作でも名前の知られている馬屋原さんですが、創作を始めたきっかけは何ですか。
馬屋原「うーん、はっきりとは思いだせないのですが、小学生の時に将棋世界の詰将棋サロンで、『入選作に2000円を差し上げます』というのを見て17手詰を作って投稿した覚えがあります。もちろんボツでしたが。それにしても不純な動機ですみません」

--小学生には2000円は大きいですもんね。詰パラの初入選はいつ頃だったのでしょう。
馬屋原「2004年12月号の短編コンクールが初入選でした(下図。作意は本稿末尾に)。44題中37位という芳しくない結果でしたが、頂いた短評に励まされ現在に至ってます」


【馬屋原剛作 詰将棋パラダイス 2004年12月号 短編コンクール】

--先ほどの「詰将棋サロン」ですが、結局初入選は昨年でしたよね。詰パラで入選を重ねているのに、今になって詰将棋サロンにも投稿したきっかけはあるのでしょうか。
馬屋原「ええと…、正直よく覚えてません。確か、お気に入りの作品が詰パラで採用されなかったので、試しに詰将棋サロンに出してみようかな、といった感じです。詰パラはやはり、短評が多く掲載されたり、評点が付くのが魅力です。まあ、図書カードも魅力的ですが(笑)」

--紆余曲折を経て昨年見事ゲットした、詰将棋サロン入選記念の図書カードは何に使いましたか。
馬屋原「家にはもともと図書カードがたくさんあったので、ゲットした分の図書カードは大事にとっておくつもりです…と言いたいところですが混じってしまったのでどれがどれだかわからなくなってしまいました。まあ、普通に将棋の本を買ってます。詰パラも図書カードで買えればいいのですが」

--指し将棋はされますか。
馬屋原「大学で将棋サークルに入っていて団体戦とかに出場しています。でも、普段は気が向いたときにオンライン対戦をしたり、書籍を読む程度です」

--出場者がわからない状況だとは思いますが、チャンピオン戦でのライバルはいますか。
馬屋原「昨年、同じ会場で初級戦・一般戦を戦った小泉潔さんを勝手にライバルにさせていただきます」

--チャンピオン戦での目標をお聞かせください。
馬屋原「試しに去年の第一ラウンドの過去問に挑戦してみました。結果は、80分使用で全問正解か?と思って答え合わせをしたら、谷口作(6番)を誤解していました。ですので、第一ラウンド全問正解が目標です。また、第2ラウンドの問題にはまだ挑戦していないのですが2問解ければなと思います。
 これらの目標が達成できれば80点を獲得できるのでそこそこの順位になれるかなと思っています」

--その他、実行委員会に言いたいことがあれば遠慮なくどうぞ(笑)。
馬屋原「僕の書く字はかなり汚いのですが、採点時には好意的に解釈していただければと思います。あと、問題はできるだけやさしいものをおねがいします」

【過去の成績】
第3回…初級戦1位
第6回…初級戦・江東会場1位/一般戦・江東会場1位

※詰将棋掲載については,全日本詰将棋連盟が「詰将棋パラダイス」2009年9月号で示したガイドラインに則っています.
参考:「詰将棋の引用について」(詰将棋パラダイスHP)

【文中の詰将棋の解答】
▲2三銀    △同 玉    ▲2四銀    △同 玉    ▲3六桂左  △同 と
▲3四金    △同 香    ▲1五馬    △同 玉    ▲2五金
まで11手詰


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【チャンピオン戦出場者インタビュー2010】 第3回 村田顕弘四段 (後編)

2010年02月25日 09時00分00秒 | 第7回出場者インタビュー

村田四段のインタビュー後編.今回は解答選手権以外での詰将棋との関わりや,初級戦・一般戦の出場者へのアドバイスを伺いました.

--詰将棋を解き始めたきっかけは何でしょう.
村田「小3の頃,通っていた将棋教室の先生から出題されたことですね.小2から将棋を習い始めて,実戦の中で1手詰や3手詰は詰ませられるようになっていたので,5手詰や7手詰を出してもらっていました」

--その後は本を買って詰将棋を解いていたのでしょうか.
村田「僕はそのあとすぐに,詰将棋を創るほうに興味を持ったんですよ.創ると言っても余詰ばかりだったのですが,初段くらいある父が仕事から帰ってくると見せていました.でも創るより解くほうが指し将棋にはいいと言われて,新聞に1問だけ載っている詰将棋は毎日解いていました」

--「毎日」は大事なキーワードになりますね.詰将棋を創ることは指し将棋に影響はありますか.
村田「いい影響があると思いますよ.いろいろな詰み筋を考えることが役に立ちます.僕は創るときにパソコンを使いませんし,あまり駒を動かさないので特にそうだと思います」

--影響を受けた詰将棋作家はいますか.
村田「師匠(中田章道六段)はもちろんですが,上田吉一さんにも大きな影響を受けました.奨励会三段になってから作品集を真剣に解くようになり,初めて1冊を全問解いたのは上田さんの『極光21』でした.『盤上のファンタジア』(若島正・著)も解きました.
 でも創るほうでは内藤先生(内藤國雄九段)や浦野先生(浦野真彦七段)にアドバイス(※5)を受けたことが大きかったですね.作家の先生から激励されたのは衝撃で,世界にはこんな方々がいるのかと….本当に,それくらいの出来事でした」

--詰パラデビュー作から2作連続で半期賞を受賞し,そして看寿賞候補になっています.新作の予定はありますか.
村田「構想はありますが,実現には遠そうです.のめりこむといけないし,根気のいる作業なので大変ですね.でも棋士になってから,仕事で詰将棋を創る機会が増えました.先日も色紙に書くための詰将棋を選ぼうと過去に創った詰将棋を見返していたのですが,よぉこんなん創ったなぁ,というものばかり.詰パラ初入選の作品もそうなんですが…」

--それは創っている作品のレベルがどんどん上がっているとも言えますね.その詰パラですが,全問正解したことはありますか?
村田「毎月は買わないのですが,買ったときは全問解いています.1ヶ月で解けないので,毎月買えないんですよ」

--1冊を6時間半で解いたという人(※6)もいますが.
村田「いやぁ…信じられないです」

--初級戦・一般戦に出場する方は今から約1ヶ月半あります.何をすればいいでしょうか.
村田「初級戦に出る方は,ハンドブックシリーズを繰り返し解くことですね.詰将棋としてのタイプは違うのですが,基本ですから.
 一般戦はもう少し長くなるので,将棋世界の『詰将棋サロン』(※7),詰パラの『中学校』『高等学校』(※8)を見ておくといいのではないでしょうか.いずれも難しいですが,答えを見るだけでもいいです.バックナンバーも見返して,詰将棋の情報をどんどん仕入れておくのがいいと思います」

--ここでも「繰り返し」というキーワードが出ました.毎日繰り返しトレーニングをすることが大事なのですね.本日はどうもありがとうございました.

(※5)内藤先生や浦野先生に受けたアドバイス…この話は詰将棋パラダイス2009年5月号に掲載された村田四段のリレー随筆に詳しい.

(※6)詰パラ1冊を6時間半で解いたという人…この人

(※7)詰将棋サロン…月刊誌「将棋世界」の詰将棋投稿コーナー.7~17手の詰将棋が掲載される.現在は第4回詰将棋解答選手権チャンピオンの北浜健介七段が選者を務めている.

(※8)中学校・高等学校…いずれも月刊誌「詰将棋パラダイス」のコーナー名.中学校は9・11手詰,高等学校は13~17手詰の投稿詰将棋が掲載される.

【過去の成績】
第4回…11位
第5回…12位
第6回…18位


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【チャンピオン戦出場者インタビュー2010】 第2回 村田顕弘四段 (前編)

2010年02月24日 09時00分00秒 | 第7回出場者インタビュー

今回は関西の若手棋士を代表して,村田顕弘四段にお願いしました.
村田四段は詰将棋作家としても知られており,おなじみ「ハンドブック」シリーズでは全1100問の検討(※1)を担当しました.
2回に分けたインタビュー,今回は前編です.

--今回で4回目の出場となりますが,過去大会の感想をお願いします.
村田「いい問題ばかりですね.特に第2ラウンドは難しすぎるのですが,終わってから正解手順を知って感動しています」

--昨年は解答選手権の歴史に残る絶叫事件(※2)がありました(笑).
村田「いやぁ,あれはすごくショックでした.読んでいたとは思うのですが,うっかりしていたのか,書き間違えたのか.6番に時間がかかってしまって,先に出た人も多かったので見直しする余裕もありませんでした.第2ラウンドまでには立ち直ったと思っていたのですが…」

--第2ラウンドでも2手書き飛ばしがあって減点になってしまいましたね.解いているときに,周りを見る余裕はありますか.
村田「えんぴつの音は気になりますし,書いている姿が見えると慌てます.去年の第1ラウンドは斎藤君(斎藤慎太郎三段)や豊島君(豊島将之五段)が退室したときに僕は半分くらいしか解けていなかった.それでもなんとか全部解けて,まあまあかなと思っていたら…(笑).全問正解と信じて疑っていなかったです」

--では競技中に他の人を意識することもありますか.
村田「昨年は後輩の斎藤君にだいぶ引き離されてしまいましたが,同年代にはあまり引き離されたくないですね」

--過去5回優勝の宮田敦史五段についてはいかがですか.
村田「同じ作品を解いてあれだけの差が付いているので,人間離れしているとしか思えないです.どうやったらあんなに早く正解にたどりつけるのか,思考回路を詳しく知りたいです」

--競技中の戦略はありますか.
村田「力試しですから,特にないですね.普段は解けない作品があるとひたすら集中して考える癖があるんです.解答選手権では10分くらい考えて,解けそうなら考え続けますし,見えなければ他の問題にいきます.昨年の第2ラウンド7番は時間がかかりましたね」

--作者を予想して作風から解くという人もいますが.
村田「解いたあとに『あの人かな』と思うことはありますが,解いている途中に考えることはありません.勘で解くこともありません」

--本番まであと1ヶ月ほどありますが,何か特別な調整はしますか.
村田「もう今まで以上に詰将棋に取り組んでいるのですが,遅くなっているのを感じます.昨年は悔いの残る結果でしたが,今回はどんな結果になっても受け入れようと思っています」

--今回は谷川浩司九段も豊島将之五段も欠場しますので(※3),大阪会場の棋士としては唯一の皆勤(※4)になります.
村田「実は今年を最後にしようと思っているんですよ.その分,全力で取り組みます.自分の力を出すことだけを考えています」

--最後ですか! それは残念です.では最後になるかもしれないという今回,プロ・奨励会員が20人くらい出場予定ですが,優勝を狙いますよね.
村田「それは厳しいです.ベスト10に入ったことがないので,ベスト10には入りたいです.でもアマチュアの○○さんも出ると聞いているので,どうでしょうか」

--○○さんも参加するという噂は聞くのですが,まだ申し込みをされていないんですよね(笑).早め早めの申し込みをお待ちしております.

(※1)検討…詰将棋の余詰や不詰などがないかチェックすること.完成したように見える詰将棋をチェックするので,相当な実力と根気が必要とされる.

(※2)絶叫事件…第6回チャンピオン戦5番の5手目「▲2二飛成」を「▲2三飛成」と誤解.全問正解と信じていた村田四段にまさかの知らせが….昨年の速報も参照.

(※3)谷川九段,豊島五段の欠場…チャンピオン戦が行われる3月22日,谷川九段は第19回北九州ハイビジョン将棋フェスティバルに出演.豊島五段は第11回こども将棋団体戦の審判を務めることになっている.

(※4)皆勤…大阪会場が設けられた第4回以降.

【過去の成績】
第4回…11位
第5回…12位
第6回…18位


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【チャンピオン戦出場者インタビュー2010】 第1回 瀬川晶司四段

2010年02月18日 01時17分13秒 | 第7回出場者インタビュー

今年もやります! チャンピオン戦出場者インタビュー!
第1回は初出場の瀬川晶司四段にお願いしました.

--まず、初出場されることになったきっかけを教えてください。
瀬川「昨年夏にお酒の席で、田村君(田村康介六段)と詰将棋の話をしていて、どちらが解くのが早いか?となったんです。そしたら周りの人に、じゃあ選手権出て勝負してみれば?と言われて。酔った勢いもあり二人で出場を決めました」

--それは珍しい出場動機ですね。田村六段との勝負、自信はありますか?
瀬川「読みのスピードではかなわないかと。第1ラウンドは勝てないと思いますが、第2ラウンドで巻き返せたらと考えています」

--今年はお二人の戦いにも注目ですね。では次に詰将棋とのかかわりについてですが、子どもの頃の話からお願いします。
瀬川「昔は短い詰将棋をたくさん解いていました。1手、3手、5手、とにかく数多くですね」

--奨励会時代以降はどうでしたか?
瀬川「奨励会の頃はあまりやってなかったですね。詰将棋より実戦と棋譜並べが中心で。その後サラリーマンのときは通勤電車で毎日解いていました。主に詰パラで、将棋世界、あとは若島さんの本とか」

--「盤上のファンタジア」ですか?
瀬川「はい。他にもいろいろな方の作品集を解いてましたね」

--詰パラ全問正解ということはありますか?
瀬川「ほとんどないですね。2年に一度あるかどうか」

--2年に一度でも凄いことだと思います。詰将棋に取り組むことのメリットについてはどのようにお考えですか?
瀬川「将棋は終盤が大事ですからね。どんなに序盤、中盤で良くなっても最後に間違ったら終わりですし…。終盤力アップは必要で、それにはやはり詰将棋が一番でしょう。それから、解けない問題も時間をかけてチャレンジすることで根気がつくのではないでしょうか。
とにかく、詰将棋はやっていて損はないですよ」

--最後に初出場の意気込み、目標をお願いします。
瀬川「最低目標は第1ラウンド全問正解、第2ラウンド2問正解です。後はどれだけ上積みできるか…」

--上位進出が予想される目標ですが、優勝も意識されますか?
瀬川「何が起こるかわかりませんから(笑)、あわよくば優勝という気持ちでいきたいと思います」

--力強いお言葉ですね。当日は瀬川-田村戦の経過も詳しく速報しましょう。
 本日はありがとうございました。

【過去の成績】
初出場


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