しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

日本列島の誕生 平 朝彦 著 岩波新書

2012-09-21 | ノンフィクション
いつ入手したのか記憶になく忘れ去っていた本なのですが(そんな本が結構有る)、この手の話は好きなので大分前に買ったんだろうなぁという本。

今回未読の棚にいろいろ突っ込んである本の中から目について手にとりました。

今年6月末にに中央構造線あたりをドライブして、中央構造線博物館を見たりしてこの辺のところが気になっていたので目に付いたのだと思います。
中央構造線についてはwikiなのでお調べ下さい

一読の感想ですが、この本すごい!
日本列島はもちろん、東アジアの成り立ちまでよくわかりました。
プレートから押し出されてきた岩石が付加されて日本列島の土台が出来て、アジア大陸にくっついていた日本列島がユーラシア大陸にインドがぶつかった影響やらで分離し、日本海が出来たとか、元々違う場所にあった中央構造線の外帯(太平洋側)が内帯とくっついて出来ているとかまさに事実は小説より奇なりです。
そんなこんなで日本列島が出来あがり、そこに暮らす「日本人」が出来てきたという運命がなにやら感動的です。
これだけプレートに囲まれた列島であれば地震が多いのはも納得です。
「日本沈没」なども「あるかも」と思わせます。
(ちらっと調べたら著者は日本沈没のブレーンとして参加していた模様)
現在はこの本の説が日本列島成り立ちの通説のようですが、私が高校生の頃(1970年生まれなので80年代後半)辺りはまだ検証中だったころなのか聞いたこともなかったです...。

専門的な論証部分の記述は文系人間の私には正直半分も理解できませんでしたが、大陸やら日本列島のダイナミックな動きは何とか分かりました。
図の使い方や構成などは科学ライター的な人が書けばもっと分かり易く書くんでしょうが結果を出した研究者自らが書いているという迫力が伝わる文章でした。

これを読んでから行けば中央構造線博物館も楽しかっただろうなーと後悔。
四万十帯やら三波川帯、秩父帯なんていうものを漫然と見ていましたが、もっと興味深く観られただろうなぁ。

1990年11月発行の本ですが、この時期までにこの辺(プレート・テクトニクスと日本列島の成り立ち)の研究が大きく進んだようで、その当時の最新知見が惜しみなく盛り込まれています。
この本末尾で「今後大きく研究は進んで行くだろう」と書いてあり、現時点で20年経過しているので「どうなっているんだろう」とネットをチラチラ観てみましたがこの本から大きく進んではいないようです。
(最前線は進んでいるのかもしれませんが)

研究なり知見なりは大きく進む時期と停滞する時期があるのかもしれませんね。

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