しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

ジュラシック・パーク上・下 マイケル・クライトン著 酒井昭伸訳 ハヤカワ文庫

2014-05-04 | 海外SF

続・時間砲計画」で「恐竜いいな」と思い、恐竜といえば...ということで本作を手にとりました。
本作は映画をテレビで切れ切れ見たことはありましたが原作の方は未読です。

‘12年ローカス誌長編オールタイムベスト60位、1990年発刊です。
昨年ブックオフ川崎店で入手各105円。


マイケル・クライトン作品は「アンドロメダ病原体」を映画で見たことはありますがこちらも原作は未読(こちらは昔単行本を持っていた記憶がうっすらある)

クライトン、私の中ではいわゆる「SF作家」というよりも「ベストセラー作家」というイメージが強いです。
ハヤカワ文庫でも本作は青背ではないですしね。
(クライトンの中では「アンドロメダ病原体」のみ青背)

いわゆる「SF作家」例えばアシモフなどのかなりエンターテインメントに寄っている作家でも、「アッと言わせよう」という稚気、社会正義や啓蒙、なんだか青臭い文学性を追い求めるようなものを(いいかえればマニアックさか?)持っている気がする。

日本でも同様なようで最近、瀬名英明氏がその辺の事情を「こんなことではSFはオタク向けのジャンルになってしまう」と批判していたりします。

瀬名氏の作品は殆ど読んでいないのでわかりませんが、本作などは科学的な考察やら主張などには作者のこだわりを感じますがストーリー展開はかなり割り切って「売れる」小説にしている感じがします。
(こだわりの部分も売るためのような気もしないではないですが…)

そういう意味では「合理的」な作品で、そういうのもいいんでしょうが「マニアック」な「SF」世界も諸事ビジネスライクになっている世の中で大事な気がします、私は大好きです….。
(瀬名氏も全否定しているわけではないのでしょうけれども。)

内容(裏表紙記載)
上巻
霧に包まれたコスタリカの孤島で、極秘のうちに建設が進められているアミューズメントパーク―――それが<シュラシックパーク>、バイオテクノロジーで現代によみがえった恐竜たちがのし歩く、驚異のワンダーランドだ。オープンをひかえ、視察のための顧問団が島に向かって出発した。だがその前途には、人類がいまだかつて体験したことのない恐怖が待ちかまえていた! スピルバーグ大型映画化の夢の恐竜サスペンス

下巻
島の見学ツアーに出発した顧問団の一行、そしてパーク創設者の孫である子供たちを見舞った、すさまじいパニック! コンピュータで完全にコントロールされているはずのシステムに次々に破綻が生じ、停電したパーク内で、獰猛なティラノサウルスが、悪賢いヴェロキラプトルの群れが、人間たちに襲いかかる。科学知識を駆使した新しい恐竜像、ロマンと興奮あふれる面白さで話題をまいた、スーパー・エンターテインメント!

とりあえずの感想「かなりおもしろい!」

前段でも書きましたが難しこと抜きで「おもしろさ」を追求している作品なのでかなりおもしろいです。
出てくる必然性のない「子供」が出てきて、危機に陥り知恵と勇気で乗り切る。
ヒロインも危機に陥りますがこれまた知恵と勇気で助かる。
主人公も危機一髪で必ず助かる。

かなりステレオタイプなハリッウッド映画的展開ですが....心底意外な展開にはならないのでまぁ安心して楽しめます。

作中の数学者の言葉を借りた、作者の主張は「ガイア理論」とジャレド・ダイヤモンドの意見の借り物のような気もしますが...。
「恐竜」を遺伝子操作で創造するといういかにも受けそうなアイディアとその発想を支える科学解説など非凡なものを感じました。
「ベスト・セラーになるべくしてなる小説」という感じです。

そんなこんな、どこか屈折して大真面目に人類やら宇宙の将来を語る、いわゆるマニアックなSF…ではないのですが万人受けする良作だと思います。

ネガティブに書いた感もありますが「単純に楽しい」小説を読みたいならお薦めです。
私も本作読了後続編の「ロスト・ワールド」を買ってしまいました。

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