令和の平蔵、今日のひとこと

組織のマネジメントに、ビジネスに、人間関係の改善に、お役に立つことを書き綴っていきます(2021年4月1日)

備忘録 22-11-30

2022年11月30日 06時37分52秒 | 備忘録
鶏肋(けいろく)

――鶏肋

『三国志』

たいして役には立たないが捨てるには惜しい、そういうものを「鶏肋」という。今でも自分の文章などに「鶏肋集」などと名づけることがある。このことばの出典は、『三国志』で「乱世の奸雄(かんゆう)」と称された魏の曹操にまつわるエピソードである。

曹操が劉備の守る漢中に攻め込んだときのことだ。このときは劉備側の守りが固く、珍しく曹操の軍が苦戦に陥った。すると曹操は、参謀連中を集めてたった一言「鶏肋だ」と、語ったという。だが、かれらにはそれが何を意味するのか理解できない。その中で一人だけ、さっさと撤退の準備を始めた者がいた。皆がわけを聞くと、こう答えたという。

「鶏肋、つまり鶏のガラというのは、捨てるにはもったいないが、そんなに肉はついていない。これは撤退だと、ピンときたよ」

これは見込みがないと見極めるや即座に撤退の決断を下す、それが曹操という人の強さの秘訣でもあった。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日顔晴りましょう。

備忘録 22-11-29

2022年11月29日 05時48分05秒 | 備忘録
法を用うること、務め寛簡(かんかん)に在り

――用法務在寛簡

『貞観政要』

唐の太宗があるとき側近のものを集めてこう語った。
「一度死んだものは二度と生き返らせることはできない。だから法の適用は、なるべくゆるやかにすることが望ましい。ところが今の司法官を見るに、古人がいみじくも『棺桶を売る者は、毎年、疫病の流行することを望む。他人が憎いからではない。棺桶がたくさん売れるからだ』と語ったように、やたらと苛酷な取調べを行って、己の成績を上げることばかり考えている」

太宗の嘆きは、現代にも当てはまるかもしれない。たとえば、点数かせぎを目的とする交通違反の取締まりなどはその一例であろう。そんなことに熱心なところほど、肝心の事件の解決率が低いとくるから、いっそう始末が悪い。

この問題はまた警察や司法のだけの課題ではない。一般の人事管理においても、「務め寛簡に在り」の原則でいきたいところだ。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日顔晴りましょう。

備忘録 22-11-28

2022年11月28日 05時53分50秒 | 備忘録
家に賢妻あれば丈夫は横事に遭わず

――家有賢妻、丈夫不横事

『通俗編』

 「丈夫」は夫。「横事」とは、思いがけない事故、アクシデント、さらには悪事に巻きこまれたりすることも含まれている。

家に賢妻がいれば、なぜそういう目にあわないですむのか。まず第一に安心感が大きく作用するかもしれない。もし、悪妻が家に居すわっていて、留守中何をやらかすかわからないといった状態では、外へ出てもオチオチ仕事に打ち込打ち込めないだろう。それほどではなく、頭のどこかに不安感が残っている程度でも、ミスにつながる可能性がある。また、家に帰って、グチや不満ばかり聞かされていたのでは、これまた仕事に立ち向かう姿勢に影響してくるに違いない。

公金横領とか贈収賄事件に巻き込まれたりするのも、家に賢妻がいれば、かなりの程度防げるのではないか。男を生かすも殺すも女房しだいといった面があるのだが、近ごろ「賢い妻」が少なくなってきているのは、残念でならない。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日顔晴りましょう。

今週も宜しくお願いいたします。

備忘録 22-11-27

2022年11月27日 06時17分12秒 | 備忘録
磨礪(まれい)はまさに百煉(ひゃくれん)の金の如くすべし、急就(きゅうしゅう)は邃養(すいよう)にあらず

――磨礪当如百煉之金、急就者非邃養

『菜根譚』

自分を鍛えるときには、金を精錬するように、じっくりと時間をかけなければならない。速成では、どうしても底が浅くなる、という意味だ。

わかりやすいのは技術の習得である。先日、庭師の仕事ぶりを拝見する機会があったが、若い弟子のほうは素人目にもそれとわかる未熟さであったが、親方の仕事ぶりには、その手順といい身のこなしといい、寸分のムダもなかった。さすがに年季の入った職人はちがうと、あらためて感じさせられたことだった。

まして技術ではなく、「人間」を鍛えるとなれば、格別のむずかしさがあるにちがいない。十年、二十年どころか、おそらく一生の仕事になるであろう。しかし、それをやった人間とやらなかった人間のちがいは、おのずから風格に現れてくる。顔ひとつとっても、それをやった人間は「いい顔」になってくるし、やらなかった人間は「ふやけた顔」になってしまう。恐ろしいものだ。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日顔晴りましょう。

ここ横浜は、もうすぐお日様が顔をだします。

備忘録 22-11-26

2022年11月26日 06時52分06秒 | 備忘録
人を挙(あ)ぐるにはすべからく退(たい)を好む者を挙ぐべし

――挙人、須挙好退者

『宋名臣言行録』

「退を好む者」とは、控え目で、おれがおれがとしゃしゃり出ない人間である。人を推薦するときにはそういうタイプを選んだほうがよいというのだ。宋代の張詠(ちょうえい)という大臣の語ったことばであるが、これも一つの見識であるかもしれない。

なぜかといえば、 その理由はこうである。

「退を好むものは簾󠄀謹(れんきん)にして恥を知る。もしこれを挙ぐれば、志節いよいよ堅くして、敗事あること少なからん」。欲が少なく、与えられた職責をきちんと果たすので、結局、失敗が少ないのだという。

これと反対なのが、おれがおれがと競争心をむき出しにするタイプである。これを奔競(ほんきょう)の者」と呼んでいるが、なぜこれがまずいのか。

「奔競の者は能く曲げて諂媚(てんび)を事とし、人の己を知らんことを求む。もしこれを挙ぐれば、必ず能く才に矜(ほこ)り利を好み、累(わずら)い挙官に及ぶこと故(もと)より少なからず」

たしかに一理あるかもしれない。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日顔晴りましょう。

ステキな週末をお迎え下さい。