ひとひらの雲

つれづれなるままに書き留めた気まぐれ日記です

あるく姿は…

2013-07-31 18:06:49 | 日記
 今年はここ数年に比べるとやや涼しい夏ですが、それでも熱中症患者は増えています。ウォーキングをするのも大変になってきました。その分公園を訪れる人が減り、静寂が戻ったせいでしょうか、普段気づかないような音が聞こえてきます。

 谷渡りのようなケケケケケキョケキョという鶯の声に交じって、かすかに聞こえてくる蝉の声。まだ騒がしいというほどではなく、正統派ウグイスの堂々たるホーホケキョには押され気味です。個々の鳴き声もまだ小さく、夏が盛りでないことを暗示しているかのよう。実をいうと、鶯と蝉がコラボするなんて、ほんの少し前まで気づきませんでした。ウグイスは春、蝉は真夏のものだと決めつけていましたので…。我ながら認識不足!

 さらにそれらに交じって、近くの工場から聞こえてくるチャイムの音、空を行く飛行機の音などが、何ともいえずのどかな空間を作り出していました。静かな昼下がりといったところでしょうか。毎日のように起きている殺人事件や人身事故、西日本の集中豪雨のニュースとは裏腹に、こんなに平和な空間があったのだなあ…と。

 道すがら、ゆりの花も見つけました。
 「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と美人に形容される百合の花ですが、風に揺れている様はいかにも頼りなげで倒れてしまいそう。私にそっくり? 細い茎に大輪の花をつけて重たそうにしていると何かで支えてあげたくなりますが、「余計なお世話よ」といわれそうな気もします。

 白いヤマユリは清楚で美しく、「ユリの王様」とも呼ばれ、神奈川県の県花にも指定されているそうですが、もうひとつはオレンジ色の花弁をつけたひときわ目立つ派手なユリ。鬼ユリです。暗紫色の斑点をつけた花弁は思い切り反り返っていて、ほとんどが下を向いています。この花弁の色柄から連想されるのはやはり鬼?
 でも花言葉は意外にも「賢者」、「華麗」、「陽気」…なのだそうです。そういえば私の横をすり抜けながら、「わあ、きれい」と声を上げておられたおば様方。花は見る者の心次第ということでしょうか。「わあ、鬼みたい」とは言っておられませんでしたから。

 ヤマユリ     オニユリ

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放火をしてはいけません

2013-07-17 18:35:11 | 日記
 数日前に兵庫県宝塚市の市役所へ火炎瓶のようなものを投げ込み、放火の疑いで逮捕された人がいましたが、結構真面目な方だったようですね。どこで歯車が狂ってしまったのでしょう。放火は最も重い罪で、「火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)」の鬼平さんがいたら、その場で斬り捨て御免になっていたかもしれません。

 ただ放火というのは人に見つからないようにこっそりやるものですよね。犯人がすぐわかるようなやり方はしない筈。ご本人もこんな大惨事になるとは思っていなかったのかもしれません。そういう意味ではそれほど悪質なものではないかもしれないのですが、結果としては重罪です。

 原因は固定資産税の滞納で預金口座が差し押さえられたため、腹を立てたということらしいのですが、真面目な日本国民の皆様はちょっと高いなと思うことがあっても、まあ仕方ないか、といった感じで文句ひとつ言わずに税金を納めるのがふつうですよね。ですから税金の督促状がきて、殴り込みに行く人はやはり変人ということになるのでしょうが…。

 確かに税金、大変だなあと思うことはあります。所得税、住民税、固定資産税、自動車税、健康保険料に介護保険料、これだけで年金収入の4分の1くらいはもっていかれますし、この他にも物を買えば消費税、温泉に入れば入湯税、車を走らせればガソリン税、一歩歩けばチャリンチャリンといった感じです。

 中でも驚くのは介護保険料ですね。65歳以上の年金暮らし高齢者に請求される保険料、どれくらいかご存じですか。自治体によっても差はありますでしょうが、わが自治体の場合、年間所得が125万円以下の人で年間保険料66,500円、125万円以上200万円未満の人で73,100円、200万円以上300万円未満の人で89,700円、300万円以上500万円未満の人で10,1000円といった具合です。これ以上所得のある方(特に1000万円以上ある方)にはもっと多く払っていただきたいと思いますが、それほどの差はありません。この保険料率って…。食うや食わずの人にも請求されるんですね~。

 でもでも、どんなに理不尽だと思っても放火をしてはいけません。

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五月雨や…

2013-07-03 19:25:27 | 日記
 まだ梅雨は明けそうにありませんね。ちょっと憂鬱な気分の方も多いかもしれません。そんな時、昔の人はどうやって過ごしたのでしょう。今のように軽装でもなく車もない時代、降り込められることも多かったに違いありません。病床にあった正岡子規などは、
 五月雨(さみだれ)や 今日も上野を 見て暮らす
と詠んでいます。自分の家から上野のお山が見えたんでしょうね。

 ご存知のとおり、五月雨は五月と書きますが、当時は旧暦ですから、現代でいうと六月の梅雨の時期にあたります。川も増水する季節。芭蕉のあの有名な、
 五月雨を あつめて早し 最上川
という句もこうして生まれましたし、もう一句、
 五月雨や 大河を前に 家二軒
というのがあります。こちらは蕪村の句ですけれど、今にも家が流されてしまうのでは、といった危機感がひしひしと伝わってきます。頭の中に絵として浮かんでくるところが蕪村らしいですね。

 そして少しロマンを感じる歌といえば、平安時代の歌人相模の、
 五月雨の 空なつかしく 匂ふかな 花橘に 風や吹くらむ
というのがあります。五月雨の空から懐かしい昔の人の香りが漂ってくる。きっと橘の花に風が吹いているのだろう、というのですが、花橘というのは「五月待つ 花橘の 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする」と歌われているように、昔の恋人の匂い(象徴)なんですね。ですからこの歌は、五月雨の空に橘の香りをふと感じて、昔の恋人を思い出しているということになります。現代女性がふと元カレのことを思い出すのはどんな時なのでしょう。

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