ちょっと地味ですが、垣根越しに咲いている山吹の花が目に止まりました。小さくても地味でも、一生懸命咲いている花は綺麗ですね。
山吹というと思い出すのがあの歌。兼明親王の「七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに なきぞ悲しき」という歌です。高校の時に習ったと思うのですが太田道灌の伝説、ご存じの方も多いと思います。にわか雨に遭遇した太田道灌が蓑を借りようとしてあばら家へ立ち寄ると、出てきた娘は黙って山吹の一枝を差し出します。その時道灌は「花を求むるにあらず」といって立ち去るのですが、実はこの古歌に寄せて蓑のない悲しさを訴えたのだと、あとになって知るんですね。「実の」と「蓑」がかけてあったわけです。それから道灌は己を恥じ、歌道に精進するようになります。
伝説には続きがあって、軍事の時に潮の満ち干を知ったり(「遠くなり 近くなるみの 浜千鳥 鳴く音に潮の 満ち干をぞ知る」)、闇夜に利根川を渡る時、「底ひなき 淵やはさわぐ 山川の 浅き瀬にこそ あだ波は立て」という歌によって無事に浅瀬を渡ることができたというエピソードが添えられています。情報の少なかった時代、和歌から学ぶことも多かったんですね。
学ぶかどうかは別にして、私はこうした古典文学の精神世界が人間の情緒を豊かにするものだと思っています。そして人の心を形成する情操教育が技術革新と等しく重要なものだと…。テロや犯罪を起こすのが人間なら、セキュリティを強化するより、情操教育に力を入れる方が近道なのでは。
タイトルと関係はありませんが、石楠花が綺麗に咲いていたのでアップしておきます。
見とれてしまうほど綺麗だったので。
真っ赤な石楠花
マイホームページ
山吹というと思い出すのがあの歌。兼明親王の「七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに なきぞ悲しき」という歌です。高校の時に習ったと思うのですが太田道灌の伝説、ご存じの方も多いと思います。にわか雨に遭遇した太田道灌が蓑を借りようとしてあばら家へ立ち寄ると、出てきた娘は黙って山吹の一枝を差し出します。その時道灌は「花を求むるにあらず」といって立ち去るのですが、実はこの古歌に寄せて蓑のない悲しさを訴えたのだと、あとになって知るんですね。「実の」と「蓑」がかけてあったわけです。それから道灌は己を恥じ、歌道に精進するようになります。
伝説には続きがあって、軍事の時に潮の満ち干を知ったり(「遠くなり 近くなるみの 浜千鳥 鳴く音に潮の 満ち干をぞ知る」)、闇夜に利根川を渡る時、「底ひなき 淵やはさわぐ 山川の 浅き瀬にこそ あだ波は立て」という歌によって無事に浅瀬を渡ることができたというエピソードが添えられています。情報の少なかった時代、和歌から学ぶことも多かったんですね。
学ぶかどうかは別にして、私はこうした古典文学の精神世界が人間の情緒を豊かにするものだと思っています。そして人の心を形成する情操教育が技術革新と等しく重要なものだと…。テロや犯罪を起こすのが人間なら、セキュリティを強化するより、情操教育に力を入れる方が近道なのでは。
タイトルと関係はありませんが、石楠花が綺麗に咲いていたのでアップしておきます。
見とれてしまうほど綺麗だったので。
真っ赤な石楠花
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