椎ノ木谷保全の会

浜松市中区富塚町にある特別緑地保全地区「椎ノ木谷」の保全管理をしています。里山保全活動を一緒に楽しみませんか。

椎ノ木谷地区とは

2007年03月06日 | 椎ノ木谷保全の会について
椎ノ木谷地区とは、浜松市富塚町の青葉台団地北東部の一帯を指します.ここには自然の湿地や斜面緑地などが、現在まで住宅開発などにさらされることなく残っています(敷地面積は約6.7ha). 

浜松市は平成11年度に「浜松市自然環境資源調査(概況調査)」、平成12年度には「同(詳細調査)」を実施しましたが、 この調査の中で、同地区には「ミカワバイケイソウ(写真)」や「シロバナカザグルマ」等の、今や静岡県内では非常に珍しくなった植物が生育していることが判明し、ホタル類の生息も確認されました.

こうした状況は、この地区を流れる新川流域における湧出水や、浸透水を集水しつつ成り立ってきたもので、安定した水質や水量が清流性の生物生息環境を形成してきたものだと考えられます.
しかし近年の周囲の開発等による環境悪化により、貴重な植物等が危機的な状況に置かれ、消滅の危険性を指摘する声もあります.調査報告においても、このような良好な自然環境の流域が仮にひとたび改変され生物相が失われてしまった場合には、新川流域の形態からみて現状に回復することはありえない、と指摘されています.

一方、自然保護団体や地元自治会、小学校児童などからは、貴重な生態系が残存する場所が唯一新川流域のみになってしまった現状を鑑み、市内における質の高い自然環境を確保していくために、同地区の保全を早急に検討すべきであるとの要望が浜松市に提出されました.

これを受け、浜松市では、本地区が佐鳴湖に流入する貴重な湧水を有する地区であり、また湿地性の植物が生育するとともに昆虫類をはじめとする多様な生き物の生息場所であることから、都市近郊に残されたかけがえのない自然環境を守るため、緑地として保全することを決定しました.平成17年には、県下で初の特別緑地保全地区の指定を受けています.

豊かな自然環境をより多くの市民が親しむことができるようにするため、貴重種を保全するゾーンのほかに、自然観察のできるゾーン、体験ゾーンなどのゾーニング計画も盛り込みました.今後は市民と行政とのパートナーシップ型による保全活動や維持管理の体制が構築され、両者の協働による緑地保全を実現していくことが望まれます.「椎ノ木谷保全の会」の活動は、その第一歩となるものです.
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ■2月活動日レポート | トップ | 市民検討委員会の記録 »
最新の画像もっと見る

椎ノ木谷保全の会について」カテゴリの最新記事