ビールを買おうとコンビニに立ち寄ったら「妖怪ハンター(諸星大二郎著)」を見つけたので即買いました。
諸星大二郎といえば伝奇漫画の巨匠ですが、私は今まで諸星作品をあまり読ん
でなくて単行本で読むのは今回が初めてです。
過去に読んだ何作かの読み切りは心の中にずっと残っていていつかまとめて
読んでみたいと思ってはいたのですが。
『いや~、おもしろいですねえ。』
何がおもしろいかというと、封印された禁断のまがまがしい何かをあばくような
もしくは覗き見るといった怖いもの見たさ的魅力でしょうか。
同時に太古の地球が混沌とした時代から生き続ける擬似生命体や聖書異伝など
ロマンを掻き立てるモチーフがからみあって異形の世界を見せてくれます。
怪奇やホラーというより諸星的猟奇ロマンと言ったほうがぴったりくるのでは?
もちろん諸星氏のストーリー展開力やおもしろさのツボをはずさない表現力が
あってこそ、その猟奇ロマン的テイストが生きてくるわけですが。
『う~む、500円でこれだけ楽しませてくれるとは...すばらしい!』
上の画像は、妖怪ハンター(地の巻)の【ヒトニグサ】というエピソードから
CGで1シーンをおこしてみました。
ヒトニグサがおいでおいでをしているところデス。
いつもWebcomic【時空マジシャン】でやっているようにFlashでゆらゆらと体を
動かしてあげるとぐっと感じが出ると思うのですが。
ヒトニグサは冬虫夏草(セミなどの幼虫に根付くキノコ)のように人の死体に
根付くので、あのヒトニグサの足元には女性が眠っているわけですね...
このヒトニグサの巻に関しては一つだけちょっと気になることがあります。
ラストシーンで警察がヒトニグサの女性を殺して埋めた犯人(夫)を逮捕しに
やってきますが、それによってヒトニグサも白日の下にさらされてしまうのが
気になります。
闇から闇に葬ってほしかった...