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動画・音声・インタラクティブ性などで織り成す新スタイルのマンガ制作日記

【時空マジシャン】 英語版の状況

2007-02-22 23:44:36 | Weblog

先日のブログでは【時空マジシャン】のトビラのイメージとしてタロットから
霊感をいただきたいというような内容でしたが、その後あまり進んでません。
そこで今日はWebcomic【時空マジシャン】の英語版のことを久々に書きます。

上の画は英語版の15ページ目の画面キャプチャーです。
日本語版より1~2ページ遅れていますが、なんとか続いてます。

このページはセリフやら手妻の解説文などが多くて翻訳がかなり大変でした。
とくに4コマ目のくろ太のセリフ『そのくらい知ってるニャ。すずめの軍師としては当然のことだニャ』でひっかかってしまいました。

『簡単そうだニャ』と思いきや、和英辞典に軍師という英語が見当たらない
ではありませんか...
翻訳ソフトで"schemer"という単語が出てきたのですが、悪だくみの立案者と
いう意味でどうも軍師のイメージではなさそうです。

そこで以下のように意訳してみました。

Hey! I'm the chief of staff in Suzume army. Of course I know such athing.
(へい! おいらはすずめ軍団の参謀長だニャ。そのくらい当然知ってるニャ!)

あれこれ調べているとあっと言う間に時間は過ぎてしまい気がつくと明け方
だったりします。

でも以前よりは少しは解りやすい英語になってきているのでは、と心の中では
思っているんですが...

このようにブログに書くことで『えーい、めんどくさい。もうやめるニャ!
と簡単に投げ出しにくい状況に自分を追い込みつつ頑張ってマス。


タロットの魔術師

2007-02-16 23:41:51 | Weblog

最近はWebcomic【時空マジシャン】の制作で3DCGばかりなので今日は久々に
手描きのイラストを描いてみました。

時空マジシャンの主人公・ブルーがタロットカードの魔術師のポーズをとって
いるところです。
なぜタロットか...

トビラに時空のイメージをどのように取り入れようかと考えていたのですが、
真っ向からがっぷり四つに組んで完敗してしまいました。

動く歩道のように過去から未来に向って時間が流れている...
そしてそのチューブのような三次元空間の外に時間の次元と空間の三つの次元
が組み合わさった時空があり...
その時間成分と空間成分を表現するには、
『えーと、ミンコフスキー空間の内積は...』

というように考えて玉砕してしまったわけデス。

そんなに真っ向から勝負できるような頭脳があるわけじゃなし、理論の裏づけさえあればいい画が描けるというわけじゃないしね』と自嘲的な私でした。

そんなときにフッと頭をよぎったのがあの魔術師の目です。
マルセイユ・タロットの魔術師の目...

そうか、考えてみるとタロットというのはある意味時空かも...

15世紀の北イタリアが起源とされるタロットカード。
時代や文化を超えて人の心に訴えかけるという意味ではまさに時空カードと
言えるのではないでしょうか。

よし、タロットの魔術師からイメージを喚起してもらおう!
ということで上の画を描いてみました。

まだ返事はありませんが、きっと私の深層に働きかけてくれることでしょう。



【時空マジシャン】Chapter1終了

2007-02-12 23:44:37 | Weblog

スローペースながら制作を続けているWebcomic【時空マジシャン】ですが、
ついにChapter1の最終ページにたどり着きました。

マジシャン・ブルーが『よっしゃ、手妻をお見せしましょう!』とカードを
取り出したシーンですね。
カードをパラパラパラッとやってあっさり【Chapter2へ続く】つもりが、
私の頭に『胡蝶の舞』がなぜか浮かんでしまいました。

『胡蝶の舞』は1月31日のブログでも書きましたが、古典手品の名作です。
よし、カードの舞を作ろう!

その後、ある程度蝶のようにカードを舞わすまでにかなり時間を費やしました。
まあでもカード達が元気よく舞ってくれたので満足です。

ところどころで透明度を50%や0%にして、カードの軽さとチラチラ感を表現して
みました。それから、あまりあっちこっちにばらけないように時々初期位置に
戻しています。
今後もこのような動きが必要なシーンが出てくると思うのでけっこう勉強に
なりました。

『で、あれは何をしてるわけ?』ということですが時空マジシャン式シャッフル
のつもりです。

まじめそうな青のタキシードですっくと立ったマジシャンの前で、カード達が
楽しげに舞っています。
そしてチンチンドンドンチンドンドンとループサウンドが囃し立てております。
何となくダサめな雰囲気を醸し出しつつChapter2へ続くのでした。

Chapter2の前にトビラを作る予定です。


忍術の秘伝書

2007-02-05 23:59:08 | Weblog

いつもはWebcomic【時空マジシャン】の制作日記ブログを書いていますが、
今日は【忍びの者】(村山知義著)という小説についてちょっと書きます。
じつはまだ読み始めたばかりなんですが、忍術の秘伝書について書かれていた
ので途中経過における感想を少々。

時空マジシャンの舞台が天正伊賀の乱のころという設定で、また忍者が多く
登場するということもあり資料のひとつとして【忍びの者】を読み始めました。

忍者小説というと、人間離れした身体能力や妖しげな忍術をつかう登場人物が
活躍する物語が多いと思うのですが、私が資料として読みたかったのはリアル
な忍者の生活が描かれているものです。

この【忍びの者】は序の巻~忍び砦のたたかい、まで全五巻です。
マンガやライトなノベルを読みなれている私にとっては、けっこうヘビーな
読み物でなかなかおいしいところにたどりつけません。

私を含め最近の読者というものは読み始めてすぐにちょっとおいしいものを用意
しておいてくれないと、途中で投げ出してしまうのではなかろうか...などと
考えながら読んでいたら、私にとっておいしいところが出てきましたよ。

それは忍術の秘伝書、万川集海(ばんせんしゅうかい)についての解説です。

作者の村山知義氏はこの万川集海を熟読したそうですが、私もこの秘伝書に
どのようなことが書かれているのかくらいは知っておきたかったので。

この忍術虎の巻には、忍者の心得、潜入や奇襲の諸法、敵の撃退法、忍器(忍者
の使う道具類)などについてあらゆる角度から詳説しているわけですが、
村山氏が興味深かったところは陽忍について書かれた陽忍編だそうです。

ひとをだますにはどうすればよいか、ということが基本的な方法から高等な
『身虫の術』『桂男の術』などに至るまで微に入り細に入り詳述してある
ようです。

つまり忍術とは、自分の本性をかくし相手をだまし他人をほろぼすための術
なのです(たしかにそう言われてみればそうかもしれませんが)
しかしそういった術を会得するために死ぬほど努力しなければならなかった忍者
とは悲しい宿命の人たちだったのですね。

続きは【忍びの者】を読み終わったらまた書きたいと思います。