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動画・音声・インタラクティブ性などで織り成す新スタイルのマンガ制作日記

デジタルとアナログのいいとこ取り

2017-06-19 20:21:10 | EPUB3版制作日記

ストーリーボード作成が一段落したので、画像の制作を開始しました。オーサリングで動きや音声を付ける前に画像を作っておかないとね。

本格的に本編制作に突入してしまうと描画スタイルは変えられないので、その前に今回もいままでのスタイルでいくのか、それとも新しいスタイルにするのかちょっと試行錯誤してみました。

スタイル、スタイルと書きましたが、描画手法および絵柄とか画風とか画のタッチとかいう意味で使ってます。

具体的には、フォトリアルにレンダリングされた3DCG画像をそのまま使うか、アニメのセル画風にトゥーンレンダリングされた画像を使うか、それともそれらを組み合わせたりフィルターを手作業でかけたりして自分好みのタッチにするか。

自分の場合は3番目の手作業で好みのタッチにする、というやり方でいつも描いてます。

3DCGツールのレンダラーで生成された画像というのは、どうしても時間が止まってるような、血が通ってないような気がしてしまうんですよね。なのでマッサージして血の巡りを良くしてやろうというわけです。

実際には、トゥーンレンダリングしたセル風画像と合成したり、部分的に彩度明度を調節して顔色を良くしたり、キャッチライトを入れて表情を生き生きとさせたり、手前をシャープに奥をブラーで少しぼかして奥行きをだしたり...等々。

場合によってはペンタブで直接描きこんだりもします。でもこのやり方は上手くいく場合と失敗する場合があって、だいたい失敗しますね。なので最近はあまりやらなくなりました。

そんなわけで随分自分好みの画のタッチに近づけてきたわけですが、まだ満足とは言い難いんですよね。

もう少しCG臭さをなくしたいというか、デジタルとアナログのいいとこ取りをしたいというか...。

3DCGはデッサンが狂うことはありません。一方、手描きはどんなに正確に描いてもどこかにデッサン的な狂いは生じるし、あえてありえない形状にすることで絵の勢いであったり魅力を生み出します。

3DCGはいっさい加筆修正しないし省略もしません。すべてのドットを正確無比に描画します。手描きは無いものを加筆したり、あるものを省略したりして、頭の中のイメージを形にしようとするわけです。

つまりデジタルの正確さの魅力とアナログの不正確な魅力のいいとこ取りをしたいんですね。

たぶんそのあたりをいつも試行錯誤しているのかもしれません。なかなかベストないいとこ取りは難しいです。

正確さの魅力と不正確さの魅力の融合というのは、矛盾しているかもしれないし無理があるような気もするけど、レンダリング画像をいじってるうちにキャラが生き生きと動き出してくるのは確かに実感するんですよね。

まだまだ続く試行錯誤の日々。