My Deadlock Essay

ここでは普段僕の頭の中をぐるぐると回っている、いわば
どうでもいいことを書き綴っております。

純粋なおじさん 1

2005年03月24日 | 思い出
数ヶ月前、F山さんというおじさんと飯を食べに行きました。
F山さんは何年か前自分が今働いている店の店長だった人で、今は問屋の方に勤務しています。歳は40代後半、二児の父でやや東北系(?)の訛りです。パンチパーマみたいな髪型をしています。バリバリに仕事の出来る人ではないけど、とても澄んだ瞳をしていて、全く世間に擦れた様子もなく、まるで少年のように素直な心を持った人なんです。自分もそんなF山さんが好きで、当時はとても仲が良く、歳は離れてるけど友達のような関係でした。ここ数年は全く連絡も取っていない状態だったんですが、ある日突然そのF山さんが”ちょっと頼みたいことがあるから会いたい”と言って来たのです。

約束の日は雨でした。何年か振りの再会にお互い少し恥ずかしそうに挨拶を交わし、ファミレスに入りました。しばらくはお互いの近況等を話し合っていたのですが、そんな風に近況を話しながらも、自分はF山さんの”頼み”が気になって仕方ありませんでした。でも2時間ぐらい経っても一向に本題に入ろうとしません。いい加減しびれを切らして自分からF山さんに切り出しました。
「そう言えば、俺に頼みたいことって何なんですか?」
そしたらF山さんは恥ずかしそうにこう言いました。
「いやー、頼みって程大したことじゃないんですけどね、実は特許を取ろうと思っているんですよ…」
(特許!?)
「特許ですか?!す、すごいですね…それで一体どんな発明なんですか?」
「あのー、車の日よけなんですけどね、僕が20代の時に思いついたものなんですけど、もう何十年も経っているのに僕が当時考えたような日よけはいまだに見たことがないんです。」
(…日よけ?!・・・・・微妙だな…)
と思ったけどとりあえずどんな日よけか聞いてみたら、F山さんはすっかり火がついたらしく、自分が考えた日よけについて目をキラキラ輝かせながら熱く語り始めました。
どうやらその日よけは窓枠に収納出来てそこから扇状に広がり窓を覆うというものらしく、本人曰く、既存の日よけはいちいち取り外したりするのが非常に不便なのに、そこが改善されたものはまだ出ていないので絶対にいけるとのことなんです。しかも試作品まで作ってもう既に自分の車に取り付けているというじゃありませんか!
「後で駐車場に降りた時に見せますね。」
「はあ…」
更にF山さんはこんなことを言い出したのです。
「だから僕と一緒に特許に向けてチームを組んで欲しいんですよ、アイディアを出し合ったり、改善点があったら指摘してくれたりとか。もし商品化されてお金が入った時はもちろん山分けしますしね、音楽やるにはお金もいるじゃないですか。」
(・・・・・。)
こんなに困ったことがここ最近あったでしょうか…。F山さんのことは好きなので気持ち的には協力してあげたいのですが、俺もそんなに暇じゃない…というよりもその扇状の日よけでとても一攫千金を狙えるとは思えん!だからと言って目をキラキラと輝かせているF山さんにそんなこと言えるわけもなく、チームは組まないまでも(かなりがっかりしていた…)、とりあえずその扇状日よけのアイディアが今までに特許を取得していないかどうかを、パソコン持ってないF山さんの代わりに特許庁のHPで調べてあげることに…。(特許は既に与えられていて商品化されていないだけという場合も多々あるらしいので、申請する前にちゃんと調べないといけないらしい)
そういうわけでここで特許の話はひとまず落ち着く…(よかった)
しかし安心するのはまだ早かった…

・・・・・続く

祖母パンダ 2

2005年03月19日 | 家族
パンダの趣味はカラオケです。ローカルなカラオケ大会とかにも積極的に出没し、賞もとったとかとらないとか。自分は実際にパンダのステージは見たことないんですが、見た人達の話によると普段のおっとりしたパンダの姿は見る影もなく、歌っている時は自信に満ち溢れた堂々たる姿なんだそうです。
更には自宅にカラオケマシンを投入する程の熱の入れようで、それからというもの毎朝5時に起きてカラオケを熱唱するのが習慣だったようです(なんで朝5時なのかは分からん)。でもパンダの家はかなりの田舎なので、朝の5時だろうがなんだろうが近所迷惑にはならなかったみたいなんですが…それにしてもねー、家族には聴こえてるだろうし…。

でもそれはちょっと前の話で、ある日カラオケマシンが故障したのをきっかけに、パンダは急に弱ってしまいました。腰痛などの老化に加え、鬱病なども併発し、以前はふくよかだった体型もすっかり痩せ細り、どことなく凛としていた姿勢も今は消え失せ、ほとんど寝たきり状態になってしまったのです。今は娘達(母親やその妹)がまめに介護に通っているらしいのですが、2~3日でも姿を見せられない日が続くと寂しさのあまりか急に症状が悪くなったりするそうです。

数年前うちの父親が腎臓癌と診断されました。当時大学生だった自分は大学を中退して職に就くことを決心し、母親はただただ泣いていました。家族中で悲しみに果てる中、パンダは病気の報告に来た父親にこう言ったそうです。
「千吾さんが癌になんかなるわけない!絶対に何かの間違いだから!もう一度よく調べてもらいな!」
その時のパンダの物凄い見幕は常軌を逸していたらしく、そのあまりの迫力に、精神的にすっかり落ち込んでいた父親はわけも分からず勇気づけられたそうです。

結局この後、父親の腎臓癌は癌センターの医者の誤診ということが発覚しました。うちの親父はそれこそ死ぬ思いをしたまでも、家族揃ってホッと胸をなでおろしたのです。
でも"あの時のパンダの迫力は凄まじかった"と、今でも父親は何度も口にします。

パンダがその時本当に間違いと思ったのか、それともただ勇気づけるために言ったのかは分かりません。
でももしあの時父親が本当に癌だったとしてもパンダは同じことを言っていたことでしょう。結果的にたまたまパンダの言う通りになっただけです。でもどっちにしろそれは単なる同情や慰めではなく、パンダの切なる想いだったのかもしれません。

自分はこのエピソードがすごく好きで、最近パンダが寝たきりになったと聞いて、あの時父親にパンダが言ったように今度は自分がなんとかパンダを励ましてあげたいと思いました。
そして、今年の正月には行けそうになかったので大晦日にパンダのもとを訪れました。でもパンダはいませんでした。
美容院に行っていたのです。寝たきりと聞いていたのですが、ここ最近は調子もよく、その日は特に調子が良かったみたいで朝っぱらから美容院に行っていたのです…まあ元気づけようと意気込んで行ったのでちょっと肩透かしはくらいましたが、とにかく元気になっていてよかったです。それにしても、もう80過ぎてる上病中にも関わらず美容院に行く気合い…さすがパンダ。

と、ここでこの話が終われば良かったのですが、最近はまた寝たきりになってしまったみたいなんです…。美容院が体に障ったのでしょうか。
今度こそ、と言うのも変ですが、なんとかパンダを元気づけてあげたいと思う今日この頃です。
でも親父、酒ばかり飲んでないでたまにはパンダのところに行って元気づけてやれよ…




祖母パンダ 1

2005年03月16日 | 家族
宇都宮の実家から車で50分ぐらいのところに母親の実家があります。祖母パンダはそこで長男夫婦と暮らしています。
”パンダ”というのは母方の祖母の愛称で、うちの親父が結婚当初につけたものらしいです(なんて失礼な奴だ)。母親の実家ではさすがに呼べませんが、(でも親父は酔っ払うと普通に呼ぶ)うちでは昔から当たり前のように使われている馴染みのある愛称なんです。

因みにうちの親父は結婚前に初めてこの母親の実家を訪ねた時、飲み過ぎて廊下にゲロを吐き、まだ会って2回目ぐらいの母親にそれを掃除させ、その上寝かされた布団にもゲロを吐いたというとんでもない逸話の持ち主でもあります(よく破談にされなかったな)。
親父は今でも盆や正月にこの実家に行くと必ずと言っていいほどベロベロに酔っ払い、ゲロは吐かないまでも、周りの人たちに悪態をつきまくるに限りなく近いワンマンショウを繰り広げます(本当に失礼な奴だ)。そんな時、他の人たちはみんなもう眉毛がハの字になっているんだけど、うちの母親だけはそんな親父のことをどことなく嬉しそうに見ている(ように俺には見える)。これが夫婦愛というものなのでしょうか…

まあ親父と酒の話は書き出したらきりがないので話を戻しますが、そんな駄目親父に大事な娘を嫁にやったのがパンダです。見かけは色白でふくよかで(余談ですがうちの母方の血統の女性はいとこに至るまで一人残らず本当に全員ふくよか…ていうかでかい。もし自分に娘が生まれたら本気で心配…)、少しかわいらしくもあるんですが、性格は意外に勇ましい一面を持ってたりします。本当にパンダみたいです。

何が勇ましいかって、このパンダ夫婦、なんと駆け落ちカップルなんです。しかも二人は小学校だか中学校だかの同級生。周囲に結婚を反対された二人は、というかパンダは、非常に穏やかな性格の彼(祖父)の手を引き家を飛び出したのです。もう大恋愛です。約60年前という時代性を考えると相当な覚悟が必要だったことでしょう。すごいパワーです。
駆け落ち後は二人で鍛冶屋を経営し生計を立てたらしいのですが(朝から晩まで働き詰めだったらしい)、やっぱり親族との(特に親との)確執にはかなり苦しんだと語っていました…。しかしそんなことに屈するようなパンダではなく、三人の子を力強くこの世に生み出し、そしてその中の一人からわたくしが生み出されたわけです。生命の神秘ですね。

それにしても自他共に認める駆け落ち好きのわたくしとしては、自分の祖母が実際駆け落ちをやってのけたという事実は非常に嬉しく思え、正直憧れます。もし今現在自分が誰かと結婚するとか言い出したら、うちの両親なんか間違いなく手放しで大喜びすることでしょう。でもそれじゃどうも盛り上がらない…。相手がおばちゃんとかだったら反対してくれるのだろうか…

続く

バースデイ

2005年03月10日 | 日記
誕生日でした。歳も歳だし、嬉しいというよりはむしろ複雑な気分なんですが、今年は前の晩から友人達と飲んでいて、12時になった瞬間その友人達からお祝いの歌と同時になんとバースデイ日本酒が!これはさすがに嬉しかった。やっぱり飲み仲間っていいね。久しぶりに感動。
感動といえば、何年か前の誕生日に、当時やっていたバンドでスタジオに入り練習してた時、ちょっとトイレに行って戻って来たらいきなり他のメンバー達がビートルズの"バースデー"を演奏!というドラマチックな出来事がありました。この時も本当に嬉しかった!どうやら弟の発案により俺に内緒で練習してたらしい。なんて美しい兄弟愛。しかも弟手作りのガトーショコラまで登場。兄のためにケーキを焼く弟…このくだりだけ聞くとかなり気持ち悪い。でもまあ、あいつはもともとお菓子作りが趣味という変人ではあるんだけど。でも美味かった。
そういえばあれは小学校2年生ぐらいの誕生日だったかな、当時周りでは自宅で誕生日会なるものが流行っていて、当然自分も勢い勇んでパーティを開催したわけなんだけど、そこで母親考案のボーリングゲームのようなものが開催され、そのおかげで信じられないくらい場がしらけたことがあった…。はっきりは覚えてないけど、ゴムまりみたいなものでビール瓶とかを倒すようなゲームだった気がする。確か途中で帰った奴いたな…せっかくの誕生日だったのに…

I Love ビール

2005年03月07日 | 好き
今日辺りからようやく暖かくなってきましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?個人的に3月というのは12月の次に好きな月なんです。暖かくて切ない雰囲気がたまりません。逆に1月と4月はあまり好きじゃありません。始まるから。
僕を知る方々は既にご存知だと思いますが、自分はかなりのビール党でして、毎日必ずビールを飲みます。寝る前にも飲んだりするし、休みの日は昼から飲んだりもします。外でランチとかの場合でもそこにビールがあれば大抵飲みます。でも普段家で飲む時は金銭的な都合により専ら発泡酒なんですが、なんと今日は缶ビールを飲んでしまいました。親がオレンジと一緒に送ってくれたのです(オレンジはまだ3つ残ってる…)。自分は基本的にビールは喉越し派…というか味とかあまり分かんないんですが、いつも発泡酒を飲んでいる環境で飲む今日の缶ビールは特に美味かった!外ではしょっちゅう飲んでるんですけど。でも最近はナントカドライだかなんだか知らないけど、すっきり辛口が大人気のようで…。でも自分はラガーとかが好きですね、やっぱりビールは苦くないと。でもまああんまり味わって飲むことはなく、結局は喉越しなんですけどね。

オレンジ5個

2005年03月03日 | 自分
最近仕事で心身共に疲れてたせいか、今日は同僚に少しキレてしまいました。俺もまだまだだなあと反省しながら今ビール飲んでます。なんだか最近自分をコントロール出来なくなってきているような気もするけど、よく分からん。甘えなんでしょうか…。パワーが足りない。
今部屋にオレンジが5個あります。親が送ってくれたものなんですが、送られてからもう6日ぐらい経つのにまだ一個も食べてません。確かに果物なんて全然食べないので食べないといけないとは思うんですが、困ったことに食べるタイミングというものがない…朝はそんな暇ないし、昼はバイト先だし、夜は酒飲むし…それに一度剥いたらカピカピになるので、食べる時はまるまる一個食べなければならない…そうこうしてるうちにオレンジ達もだんだんやわらかくなってきました。このままだとせっかくの親の好意に加えて食べ物まで無駄にしかねない。なんとかしなければ。オレンジ料理でも考えるかな…

I Love TV

2005年03月01日 | 好き
娯楽が多様化した時代のせいか、最近テレビは不人気の道を辿っていますよね、実際自分の周りにもテレビはほとんど見ないという人が増えているような気がします。でも自分は大のテレビっ子でして、家に帰ったらまずテレビをつけ、風呂入ってる時と寝てる時と何かに集中する時以外は常につけっぱなしです。でも特に重要なのがめしの時。一人で食べることがほとんどなのでテレビは欠かせません。テレビなしで一人で黙々とめしを食うなんて有り得ません。基本的に一人で外食とか大嫌いです。間が持たない。
一番好きなのはあんまり頭の使わないバラエティ番組ですね。一人で部屋で大笑い。ニュースは暗い気持ちにさせられるのであまり好きじゃないです。同様の犯罪を扱ったようなドキュメントも。わざわざテレビ見て気分悪くなりたくない。でも何かの職業とかの密着系ドキュメントは好きです。知らない世界を垣間見られるような気がするので。あと動物モノも好きですね、動物が好きなんで。グルメ番組は好きじゃないです。美味そうなものを他人が食べるとこ見て一体何が面白いのか?さっぱり分かりません。音楽番組もあまり見ないです。ドラマは年に一つか二つぐらいは見ます。面白いものは面白いのでけっこう好きなんですが、間が一週間というのが長過ぎる!しかも大抵気になるところで終わらせるもんだから気になってしょうがない!一週間も経ったらすっかりテンション下がってしまう。週に2話放送して欲しいですね、もしくは週一だったら一回2時間とか。でもそんなに見るわけじゃないから別にいいか。なんだかテレビ好きのコメントとは思えなくなってきたな…
あとテレビ見ててなんでもかんでも四六時中文句言ってる人いるでしょ、すぐにこれはやらせだとか、ドラマ見てこんなの現実では有り得んとか。そういう人とは絶対一緒にテレビ見たくないし、そんなに文句があるなら初めから見なければいい。別にやらせでも何でもいいんだよね、見てて楽しめれば。自分は恥ずかしいけどけっこうテレビ見て泣いたりとか笑ったりとかしてしまうし、感動したりとか考えさせられたりとかする時も多々あるんですよ(もちろん番組の質によりますが)。単純に影響を受け易いんでしょうね。