思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Lock's Fancy

2017-06-04 19:03:40 | 毛針/Flies
John Waller Hillsの著した「A Summer on the Test」にLock's Fancyというドライ・フライが出て来ます。例えば、1924年4月30日にHillsはKennet川で00番のLock's Fancyを使っております。

この毛針は今インターネットで検索しても出て来ません。しかも名前にはどのような毛針か判断する材料がありません。そこで、A.C. Williamsのパターンブックの古典「A dictionary of trout flies」を見ると、Lunn's Particularの一つ前に記載されており、ペイル・ウォータリーズの最高のイミテーションの一つとあります。
材料は:

Body: Pale primrose silk, ribbed with fine gold wire (ボディ:プリムローズシルクにゴールドワイヤで段巻き)
Hackle and Whisks: Pale honey dun cock(ハックルとテイル:薄いハニーダン・コック)
Wings: Light starling(ウィング:明るいスターリング)
Hook: 14 to 16(鈎14〜16番)

ラマダンで何もする事がない今日、昔のHuchinson鈎にLock's Fancyを巻いてみる事にしました。

Primrose silkは昔の英国のもの。新しくても1940年代のものと思われます。最近まで作られていたゴッサマー・シルクと比べると切れ易く慎重にワックスを塗り余り強く引っ張りすぎない様に気を付けます。

スターリングは何時ものようにダブル・ウィング。いいハックルを使った毛針が一回使っただけでウィングが壊れてしまうのは忍びなく出来るだけ長く使える毛針にしようとの思いからです。

小さなHuchinsonの000番鈎(17番程度)にウィングを乗せます。自然にウィングは開きますが、一度だけ八の字巻きをしておきます。

テイル、ゴールドワイヤを付けシルク糸をそのままボディにしゴールドワイヤをウィングの後ろで切ります。

薄いハニーダンのハックル。Paleというのはリスト(羽の芯の部分)が薄いブルーダンになっているという事と解釈し、それに合いそうなハニーダンを選びました。

ハックルはヘッドからテイルに向かって巻いて行き、ウィングの後ろで巻き止め余分をカット。シルクはハックルの間を何巻かしながらヘッドみ戻します。小さい毛針なので、それ程ハックルを巻けません。前後合わせて6巻き程度です。

ヘッドでウィップフィニッシュでシルクを切りヘッドセメントを落として完成。Primroseのシルクの上に載せましたが、ワックスの色等で元のシルクとは多少色が違っております。

10円玉と1ユーロ硬貨と比較した毛針の大きさ。老眼オジサンにはこれがもう限界です。
ノルマンディーの鱒か、オーストリアのグレイリングに使おうと思います。
コメント
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