アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

浮き彫りになってきた翁長知事の“正体”

2015年08月01日 | 沖縄・翁長知事

         

 この1週間で、翁長雄志沖縄県知事の“正体”が浮き彫りになる言動が相次ぎました。

 ①「第三者委員会報告」の変質化

 翁長氏は31日の菅官房長官との「会談」後、記者団から「第三者委員会からの検証結果を説明し、建設中止を求めたのか」と聞かれ、こう答えました。
 「第三者委員会を踏まえ、対話していきたいと説明した。(検証結果の)意義などというところまでは言っていない」(1日付琉球新報「一問一答」)
 
 「第三者委員会の検証結果」とは、仲井真前知事の「辺野古埋立承認」には「法的瑕疵」があったと第三者委員会(大城浩委員長)が翁長氏に提出(7月16日)した報告のことです。
 「埋立承認」の取り消しを引き延ばし続けている翁長氏も、さすがに「法的瑕疵」があれば「取り消すことになる」(5月25日共同通信インタビュー)と言わざるをえなかった報告書です。辺野古新基地に反対する沖縄県民も待ち望んでいたものでした。

 その報告書が出されて初めての菅氏との会談です。当然「承認取り消し」に言及してしかるべきでしょう。ところが、「取り消し」どころか、その「意義」にもふれず、「建設中止」も求めない。そうして報告を「踏まえ」て「対話」しようというのです。
 第三者委員会の報告は、承認を「取り消す」ための根拠だったはず。いったいいつからそれは政府との「対話」のタタキ台・道具になったのでしょうか。
 翁長氏の発言・姿勢は、第三者委員会報告の意味・性格を変質させ、換骨奪胎するものにほかなりません。

 ②政府「事前協議書」の受理

 前知事の「埋立承認」に基づいて防衛局が提出(7月24日)した「事前協議書」を、翁長氏は正式に受理してしまいました(7月29日)。
 受理した上で「取り下げ」を要求しましたが、「取り下げは法律に基づく手続きではなく、要請という『お願い』に当たる。仮に防衛局が取り下げない場合、協議に入らざるを得ないだろう」(7月30日付沖縄タイムス)といわれています。

 政府は当然のように、「取り下げ」を拒否しています。「事前協議書」は受理すべきではありませんでした。遅くともその時点で「撤回・取り消し」を表明すべきだったのです。それをしないで受理したことは、「埋立承認」を事実上認め、その上で政府と「協議」するという土俵に上ってしまったことになるのです。

 ③全国知事会議の欠席

 先月28、29両日、岡山で全国知事会議が行われました。そこでは「地方創生」などとともに、基地問題についても、「米軍基地の整理・縮小・返還を促進する」などとする国への「要望書」が採択されました。
 ところがこの全国知事会議に翁長氏は2日とも欠席し、浦崎唯昭副知事を代理出席させたのです。
 欠席して翁長氏は何をしていたか。「終日事務調整」です(写真右は琉球新報の動静欄)。翁長氏の欠席に正当な理由があったとは到底思えません。

 29日夜、翁長氏は東京のシンポジウムに出席し、「日本の安全保障は日本全体で負担してほしい」(30日付琉球新報)などと述べています。普天間基地の「県外移設」も翁長氏の持論のはずです。そうであるなら、全国知事会議は絶好の場ではありませんか。翁長氏はなぜ知事会議に出席して、辺野古の現状を全国の知事に訴えなかったのでしょうか。なぜ「沖縄の基地は本土に引き取れ」と言わなかったのでしょうか。

 翁長氏は9月に国連で演説する予定です。国連演説の意義は否定しませんが、主戦場はあくまでも日本です。国内でやるべきことをやらないで、国連で演説するのは本末転倒です。それは、埋立承認の「撤回・取り消し」を言明しないままアメリカを訪問した愚の二の舞いだと言わねばなりません。

 以上3つのことは、すべて1本の糸でつながっています。それは翁長氏が埋立承認の「撤回・取り消し」を棚上げしたまま、安倍政権とたたかうことなく、水面下で「対話」(妥協)をすすめようとしていることです。
 この糸を断ち切って、県民・国民の目の前で、ただちに、「承認撤回・取り消し」を実行させねばなりません。

 ※今日の「玉音放送原盤公開」をめぐる報道は目に余りますが、これについては4日に検討します。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 昭和天皇とアメリカを美化す... | トップ | いまなぜ「玉音放送」なのか »