アリの一言 

オキナワ、天皇制の現実と歴史などから、
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「オール沖縄」はなぜ翁長知事に「撤回」を迫らないのか

2017年03月28日 | 沖縄・翁長知事

    

 菅義偉官房長官が27日の記者会見で、翁長雄志知事が「埋立承認撤回」を行ったら「知事個人への損害賠償請求」もありうる、と述べたことは、理不尽な恫喝以外の何ものでもありません。それだけ、安倍政権にとっては「撤回」が怖いのです。
 だからこそ、「撤回」は有効であり、直ちに実行される必要があります。

 しかし翁長氏はいまだにその時期を明言せず、棚上げを続けています。

 「撤回」は本来、知事就任の直後に行われるべきでした(昨日のブログ参照)。それが2年3カ月半たっ今も、埋め立て工事が進行しているにもかかわらず行われていない。その責めはもちろん翁長氏が負うべきものですが、それを許してきた「オール沖縄」陣営の責任も問わざるをえません。

 たとえば、26日の県民集会です。

 翁長氏が「撤回を必ずやる」と述べたことについて、こう報じられています。
 「撤回表明は集会を主催した『オール沖縄会議』側にも知らされておらず、同団体幹部は『県民の思いに応えてくれた。よく言ってくれた』と驚いた」(26日付琉球新報)

 「撤回」は「県民の思い」だと「オール沖縄会議」も認識し(当然でしょう)、翁長氏の想定外の「撤回表明」に驚き、喜んだ、というわけです。おそらくこの「幹部」の言葉は「オール沖縄会議」あるいは集会参加者の多くの共通の思いではなかったでしょうか。

 そうであるなら、なぜ「オール沖縄会議」は集会の「決議文」や「発言」の中で、翁長氏に「撤回」を求めなかったのでしょうか。

 「決議文」は日米両政府に宛てられたものですが、「撤回」の重要性を盛り込むことはできたはずです。壇上での発言は、「オール沖縄」の国会議員はじめ、だれ一人として翁長氏に「撤回」を求めたものはありませんでした(26日付の琉球新報、沖縄タイムスの報道の限りで)。

 その一方で、「決議文」や発言で異口同音に繰り返されたのは「翁長知事を支える」という言葉です。
 同会議や県政与党(日本共産党、社民党、社大党、自由党など)はじめとする「オール沖縄」陣営は、翁長氏を「支える」と言う一方で、翁長氏に対して正面から要求し追及することは(ごく一部の例外を除き)していません。それはもちろん今回だけではありません。

 たとえば、翁長氏が高江のヘリパッド建設を容認した時も、「オール沖縄」は抗議一つしませんでした(12月8日のブログ参照http://blog.goo.ne.jp/satoru-kihara/d/20161208

 辺野古や高江で連日市民を抑圧し続けている「本土」からの機動隊派遣についても、翁長氏は機動隊を要請した県公安委員長の任免権を持っているにもかかわらず、沈黙を通し事実上これを容認していますが、「オール沖縄」はそれについても翁長氏を追及することはしていません。

 「翁長知事を支える」とは、どういうことでしょうか。
 
言うべきことを言わず、翁長氏がやりたいようにやらせ、それを追認することが「支える」ということでしょうか。

 「オール沖縄会議」の「設立趣意書」(2015年12月14日)にはこう書かれています。
 「巨大な政府権力に立ち向かい最終的にこの闘いに勝利するための戦略を描き、闘いを統一的に掌握し組織する」
 辺野古新基地を阻止する「戦略」において、知事の「あらゆる権限」の中でも「撤回」が最大の切り札であることは論を待ちません。それは(先の「幹部」の発言のように)「オール沖縄会議」の共通認識でしょう。そうであるなら、なぜ翁長氏に直接「撤回」を要求しないのですか。「即時」かどうかは意見が分かれても、「撤回」が必要であることは共通項でしょう。なぜそれを翁長氏にぶつけないのですか。

 集会でオール沖縄会議共同代表の呉屋守将氏は、「知事を生んだ『製造責任者』の一人として最後まで頑張る」(26日付沖縄タイムス)と述べました。
 「製造責任者」の責任とは何でしょうか。「製造物」に欠陥があればリコールし、まともな「製造物」として世に出し直す。それが「製造責任者」が行うべきことではないでしょうか。

 「オール沖縄」は翁長氏の個人後援会ではないはずです。辺野古新基地を阻止するために、翁長氏の「欠陥」を改めさせ、やるべきことをやらせる。それが「オール沖縄」の責任ではないでしょうか。


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翁長県政による「県博使用不許可」は重大問題

2017年03月07日 | 沖縄・翁長知事

       

 沖縄タイムスか琉球新報を読んでいなければ分からない、翁長県政をめぐる重大問題が沖縄で発生しています。
 県はこれまで市民のさまざまな企画が催される中心的会場となったきた県立博物館・美術館(那覇市、写真右)の使用を、「政治目的」を理由に不許可にしようとしているのです。

 問題が表面化したのは4日付の沖縄タイムス、琉球新報両紙の報道からでした。

 「県立博物館・美術館を運営する指定管理者『沖縄美ら島財団』(花城良廣理事長)は3日までに、『沖縄とトランプ大統領』をテーマに元外務省国際情報局長の孫崎享さんを招いた勉強会(主催・東アジア共同体研究所琉球・沖縄センター)の会場使用について、『政治色が強すぎる』などの理由で申請を認めない決定を出した」(4日付沖縄タイムス1面トップ)

 「不許可」の決定は同財団が単独で行ったものではなく、翁長県政の「指導」によるものといいます。

 「美ら島財団の担当者は県の指導があったとし、今回のケースは『政治的な内容だったので設置目的に合わないと判断した』としている」(4日付琉球新報)

 「政治目的」を理由に使用不許可にする動きは、同財団が指定管理者になる以前から、翁長県政によって始まっていました。

 「県は、昨年4月に財団が指定管理者に決まる前の募集段階から、利用可否の『線引き』が必要との認識を示していた。県と毎月、協議を重ねた財団は同11月、過去に利用した約200団体に判断基準変更を文書で送付した」(5日付沖縄タイムス)

 同財団は急な変更に難色を示しましたが、それを押し切ったのは県でした。

 「『利用団体の反発が予想されるので周知期間が必要』と考え、2~3年かけて運用を切り替えてはどうかと県の担当者に伝えていた前川氏(同財団の企画広報責任者ー引用者)だが、県側からは来年度から新指針で、と説明されたという」(5日付沖縄タイムス)

 県はこうした報道後の6日になって、「指定管理者と運用について協議してきたが、規定案(利用規定の改定案ー引用者)は申請されておらず、県として承認していない」(茂太強・県観光文化スポーツ振興課長、7日付琉球新報)とし、孫崎勉強会の不許可についても「過去に同様の内容で利用しており、不許可にする理由がない」(同)と火消しに躍起です。

 しかし同じ新報の記事でも、「県や財団によると…ルールを明確にしようと利用規定の協議を重ねてきた。その中で政治活動や宗教活動、営利目的などは許可しないという案が検討されたという」(7日付琉球新報)ことは否定されていません。

 その「県と財団の協議」の結果、「使用不許可とするケースを10項目列記し、その中に『政治目的のための利用』を盛り込んだ」(5日付沖縄タイムス社説)のです。

 以上の経過から明らかなことは、翁長県政が約1年前から、県立博物館・美術館の「利用規定」の改定を計画し、「政治目的のための利用」を不許可にしようとしていることです。

 「政治目的」を口実に会場使用を不許可にし、市民の自主的な活動を妨害することが、「言論・表現・集会の自由」を規定した憲法や地方自治法に反することは明白です。

 「県立の施設なのに、これまで使えたものが使えないのは問題だ。基準も不明確で、恣意的な運用で表現の自由が制約されかねない」(高良沙哉沖縄大准教授・憲法、4日付琉球新報)
 
 この問題がとりわけ重大なのは、それがどこかの右翼的首長の自治体で起こっていることではなく、「オール沖縄」を基盤として当選し、「オール沖縄」の党派が与党となっている、いわば「革新自治体」の翁長県政によって行われようとしていることです。

 翁長氏が県政トップとしてこうした動きを知らないはずはなく(石原慎太郎ではあるまいし)、もっとも責任を負うべき立場にあることは言うまでもありません。
 付け加えれば、翁長氏と美ら島財団の関係は深く、翁長氏が知事就任後最初に任命した知事公室長の町田優氏は、同財団の常務理事です。

 「規制には慎重さが必要」と題した沖縄タイムスの社説(5日付)が同財団を批判しながら県・翁長氏の責任については一言も触れていないのはまったく奇異としか言いようがありません(新報は社説で取り上げてもいません)。

 そして最も重大なことは、こうした翁長県政の暴走に対し、日本共産党、社民党、自由党、社大党などの「オール沖縄」諸党派がいっせいに沈黙し、県政の誤りをただそうとする動きがまったく見られないことです(タイムス、新報を見る限り)。共産党の機関紙・しんぶん赤旗はこの問題を1行も報じていません(6日付まで)。

 憲法・民主主義の根幹にかかわる制度改悪を計画的に行おうとしている翁長県政とは何なのでしょうか。その悪政を見て見ぬふりで容認する「オール沖縄」とは、いったい何なのでしょうか。
 「政治目的」を理由にした「使用不許可」の制度改悪は絶対に許されません。


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「翁長県政与党」ーそれで責任が果たせるのか

2016年10月04日 | 沖縄・翁長知事

    

 9月27、28両日、沖縄県議会で9月定例会の各党代表質問が行われました。辺野古裁判の不当判決(福岡高裁那覇支部、多見谷寿郎裁判長)、高江ヘリパッド建設強行という重大事態の中で、翁長雄志知事の答弁(写真中)が注目されました。

 しかし、翁長氏の答弁はこれまで通り、重要問題については謝花喜一郎知事公室長(写真右)に答弁させ、自らの見解表明を避けました。それを許したのが、翁長県政与党(「オール沖縄」各派)のふがいなさです。

 2日間で9人が質問。このうち与党議員は3分の2の6人(社民・社大・結連合から3人、おきなわから2人、日本共産党から1人)。いずれも「知事の政治姿勢」や「基地問題」を質問しましたが、核心には迫りませんでした。特に重要な3点を挙げます。

 ①なぜ翁長氏に「高江ヘリパッド建設反対」と明言させないのか。

 高江で続いている異常事態の元凶は言うまでもなく安倍政権による工事の強行ですが、それを許しているのが翁長氏のヘリパッド建設黙認(容認)です。
 県警や機動隊の「警備」を「公正中立を欠いた国家権力の乱用」(比嘉瑞己議員)と批判するなら、その事態を招いている翁長氏の工事容認をなぜ追及しないのか。なぜ翁長氏に「高江ヘリパッド建設反対」を明言させないのでしょうか。

 ②県公安委員会の任免権を持つ翁長知事の責任をなぜ追及しないのか。

 与党議員は高江への他県の機動隊派遣について、要請の経緯や費用などについて質問しました。これに対し池田克史県警本部長は、「公共の安全と秩序を侵害しない限り県警としては関知しない」と開き直りました。しかし追及はそれ以上進みませんでした。

 他県から警察(機動隊)派遣を要請する権限は都道府県公安委員会にあり(警察法第60条)、その県公安委員会の任免権は知事にあります(同法第39条、第41条)。機動隊派遣要請を追及するなら、なぜ翁長知事の責任を追及しないのか。なぜ議会の場で翁長氏に「公安委員会は機動隊派遣を要請すべきではない」と答弁させないのでしょうか。

 ③なぜ「辺野古埋立承認の撤回」を約束させないのか。

 辺野古裁判確定判決後の「知事権限」の行使について、「当然ながら『撤回』も入っていると考えるがどうか」(比嘉京子議員)と質問したのに対し、謝花氏は「(最高裁)判決の結果を踏まえて検討する」と明言を避けました。与党議員はそれ以上追及しませんでした。
 「撤回」は新基地阻止の決め手になるものですが、翁長氏は態度を明確にすることを避けています。「最高裁でも県敗訴となった場合は、次の知事権限として『承認撤回』に踏み切る」となぜ約束させないのでしょうか。

 こうした重大な問題で、翁長氏は自ら答弁せず、いずれも謝花氏に代弁させて態度の明確化を避けています。与党議員は6人も質問しながら、誰一人として翁長氏自身に明確な答弁をさせた議員はいません。

 国は国民が選んだ国会議員が首相を選ぶ「議院内閣制」ですが、地方自治体は「二元代表制」です。
 「地方議会と首長の関係は車の両輪に例えられる。…議会も首長もそれぞれ住民が選ぶ『二元代表制』だ。協働ではなく、対等に競争する関係でなければならない。…知事を支えるのか反対するのかで争うのではなく、どのような沖縄県をつくるかという点で議論するべきだ」(仲地博沖縄大学長、6月3日付琉球新報)

 「翁長知事を支える」と言って、翁長氏の問題姿勢・見解を追及せず放任する。それで「議会は知事と対等」(仲地氏)と言えるでしょうか。県民から選ばれた県会議員としての責任が果たせるでしょうか。県議会が「どのような沖縄県をつくるか」を議論する場になるでしょうか。
 翁長県政与党(「オール沖縄」)の猛省が求められています。


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翁長知事はなぜ「高江の機動隊」を引き揚げさせないのか

2016年08月27日 | 沖縄・翁長知事

    

 高江ではヘリパッド建設を強行する安倍政権に対し住民・市民の文字通り体を張った阻止行動が連日繰り広げられています。一方、県外から動員されたかつてない規模の機動隊の排除も激しさを増しています。

 26日には沖縄の市民団体「基地の県内移設に反対する県民会議」が県庁を訪れ、「ヘリパッド建設に関して、翁長知事に反対表明するよう訴え」るとともに、「現地での立ち入り調査を含め、毅然とした態度で取り組んでほしい」(27日付琉球新報)と要請しました。しかし県は担当課長が木で鼻をくくった対応をしただけでした。

 「毅然とした態度」どころか、翁長氏には高江の緊迫した事態を収拾する責任と、その権限があります。
 翁長氏がヘリパッド建設を容認していることは繰り返し指摘してきましたが、それだけでなく、翁長氏は高江に県外から派遣されている機動隊を「本土」へ帰らせることができるにもかかわらず、その責任を放棄し、高江の事態を放置しているのです。

 翁長氏は25日の定例記者会見(これがなんと1年3カ月ぶりの「定例会見」)で、「500人とも800人ともいわれる機動隊の数は過剰な警備であることは間違いない」(26日付沖縄タイムス)と述べました。これが「知事、政府の姿勢批判」(同)と報じられました。

 しかし翁長氏は「数」が「過剰」だと言っているだけで、機動隊の警備自体を批判しているわけではありません。そしてさらに重大なのは次の点です。

 「県外の機動隊員が、翁長知事が任命権を持つ県公安委員会の要請で派遣されている点について、『その意味では大変忸怩たるものがある』と述べた」(26日付琉球新報)

 「忸怩たるもの(はずかしい思い)」ですまされては困ります。ここにこそ知事としての翁長氏の権限と責任があるのですから。

 県外からの機動隊派遣と県知事の関係については、「辺野古」の時に触れました(2015年11月10日のブログ参照 http://blog.goo.ne.jp/satoru-kihara/d/20151110)。要点をあらためて示します。

 警察法第60条1項は、「都道府県公安委員会は、警察庁又は他の都道府県警察に対して援助の要求をすることができる」としています。県外からの機動隊の導入はこの条項に基づいて行われています。
 さらに同条3項は、「派遣された警察庁又は都道府県警察の警察官は、援助の要求をした都道府県公安委員会の管理する都道府県警察の管轄区域内において、当該都道府県公安委員会の管理の下に、職権を行うことができる」としています。

 「高江」でも「辺野古」でも、県外からの警察官(機動隊)導入は、沖縄県公安委員会の要求で行われているものであり、その行動(職権)もあくまでも県公安委員会の「管理下」にあるということです。

 では、県公安委員会と県知事の関係はどうでしょうか。
 
 同じく警察法第38条1項は、「都道府県知事の所管の下に、都道府県公安委員会を置く」とし、同第39条は、都道府県公安委員(5人)は、「都道府県知事が都道府県の議会の同意を得て、任命する」としています。さらに同41条は、知事に公安委員の罷免権があることも明記しています。

 以上のことから明確なのは、翁長知事は県公安委員会に対し、他県の警察官派遣要求を撤回させることができるということです。もしも公安委員会が知事の指示に従わない場合は罷免すればいいのです。
 知事は公安委員会を直接指示できない、という説もありますが、その趣旨は「公正中立な警察行政を実現するため」(原野翹氏『警察法入門』有斐閣)であり、この場合に該当しないことは明らかです。

 翁長氏は公安委員会を通じて、県外の警察官(機動隊)を「本土」に返すことができるにもかかわらず、その権限を行使せず、安倍政権による県民弾圧を放置しているのです。

 ここで沖縄タイムス、琉球新報についても一言言わざるをえません。
 
 沖縄タイムスは26日の社説で、県公安委員会に対し、機動隊派遣要請の理由を県民に説明し、撤退させよ、と要求しながら、なぜ翁長氏の責任については一言も触れていないのでしょうか。触れないどころか、先の「過剰警備」発言だけを取り上げて翁長氏を肯定的に評価しているのはなぜでしょうか。

 琉球新報も、前記のように公安委員会に対する「知事の任命権」について触れながら、その権限を行使しようとしない翁長氏を批判せず、「評価」に終始するのはなぜでしょうか。

 「定例会見」が1年3カ月も開かれないという異常事態を、これまで両紙がまったく問題にしてこなかったことも含め、両紙が貴重な沖縄のジャーナリズムとして、翁長知事に対する正当なチェック機能を果たしているのか、あらためて問われていると言わざるをえません。


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事実を歪曲する翁長知事の記者会見

2016年07月23日 | 沖縄・翁長知事

  

 抗議する市民を排除して高江ヘリパッド工事が強行され(写真左・中)、「辺野古」で国が新たな裁判を起こした22日、翁長雄志知事は記者会見でこの事態についての「見解」を述べました(写真右)。見過ごせないのは、この中に重大な事実の歪曲があることです。

 翁長氏は肝心の政府・沖縄県協議会(21日)でヘリパッド工事強行に抗議するどころか「高江」にまったく触れず、「辺野古」でも政府ペースの「和解の有効性」を認めてしまいました(昨日のブログ参照)。
 
 この日も翁長氏は、「強硬に工事に着手する政府の姿勢は到底容認できるものではなく、強く抗議する」(23日付琉球新報「知事一問一答」。以下、引用はすべてここから)とは言いましたが、ヘリパッド建設自体には反対していません。

 反対しないどころか、「ヘリパッドを建設するというSACO合意について知事の立場は」という記者の質問に対しこう答えました。
 「SACO合意を着実に実施することが基地の負担軽減につながっていくというのは、私は一貫している」。これはSACO合意のヘリパッド建設への賛成を表明したものにほかなりません。

 ヘリパッド建設に賛成でありながら、「強く抗議する」などと言ってまるで反対しているかのように振る舞うのは、市民を欺くものです。

 菅官房長官は「翁長知事がマスコミの皆さんの前でそのような発言をすることが極めて残念だ。協議会とは全く違う」(23日付琉球新報)と、翁長氏の態度がメディアや市民の前と政府の前とでは「全く違う」と述べましたが、翁長氏はこれに反論できるでしょうか。

 記者会見での重大な事実の歪曲は2つあります。

 1つは、「多くの選挙を通して、普天間飛行場の県外移設を求める県民の民意が示されている」という発言です。
 これは「県内移設反対(断念)」と「県外移設」の意図的なすりかえです。再三述べてきたように両者の間には大きな違いがあります。「オール沖縄」の一致点は「建白書」にある「県内移設断念」であり「県外移設」ではありません。

 たとえば先の参院選で「オール沖縄」で当選した伊波洋一氏の選挙公約も「普天間飛行場を閉鎖・撤去し、辺野古新基地建設断念を求める」であり、「県外移設」とは一言も言っていません。

 「県外移設」は翁長氏の持論であり、現地の批判を浴びた馬毛島の視察(18日)にもつながるものです。それを県民の総意のように言う翁長氏の歪曲が一向に是正されないのは、「県外移設」に反対の日本共産党などが翁長氏に必要な指摘・抗議をしないからです。

 もう1つの歪曲は、「県外移設」よりもさらに悪質です。
 「日米安保体制というようなものを戦後71年間にわたって、それを支えてきた沖縄県民に何ら配慮もないまま、北部訓練場も強硬に入っていく」
 「沖縄県民は長年にわたり過重な基地負担に耐えながら日米安保体制に尽くしてきているにもかかわらず…」

 「沖縄県民」は戦後71年間、日米安保体制を「支えてきた」のでしょうか。日米安保体制に「尽くしてきている」のでしょうか。
 日米安保体制を信奉する翁長氏や保守・自民党にとってはそうかもしれません。 しかし、沖縄の革新勢力は、「過重な基地負担」の元凶はまさに日米安保(軍事同盟)体制だとして、一貫してその打破・廃棄へ向けてたたかってきたのです。「支える」「尽くす」とはとんでもありません。

 「高江」や「辺野古」の事態にかこつけて、まるで「沖縄県民」全体が日米安保体制に賛成かのように言うのは、歴史の事実を歪曲し、日米安保体制堅持の世論づくりを図ろうとするものと言わねばなりません。

 


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高江・辺野古ー翁長知事のダブル背信は許されない

2016年07月22日 | 沖縄・翁長知事

      

 安倍政権は22日、高江のヘリパッド工事強行、辺野古で新たな訴訟という2つの強権を発動しました。その節目になったのが、前日の11日に翁長知事も出席して行われた政府・沖縄県協議会(写真左)です。
 ここで翁長氏は、「高江」「辺野古」の両方で県民を裏切る背信的姿勢を示し、安倍政権の強権発動に暗黙のGOサインを出してしまいました。

 ★「高江ヘリパッド工事強行」に抗議どころか一言も触れなかったのはなぜか

 協議会後の記者会見で記者から、「高江では連日資材搬入が続いていて、地元の方々が不安に思っている部分もあると思うが、あえて取り上げなかった理由は」と聞かれた翁長氏は、こう答えました。

 「あえてということではない。こういった協議会が開催されるときには大臣もみんなそろうということもあるし、そろうということから時間的な制約もあるし、その前に今日までのいきさつや流れの中での質問ということです。ですから、私もそれは当然のことながら、日ごろ皆さん方と話し合いをしていますから、15分の中でそれを詰めるものもない中でフリー討論はちょっと考えにくいということだった」(22日付琉球新報「一問一答」)

 これを読んで意味が分かる人が何人いるでしょうか。支離滅裂とはこのことです。まるで答えになっていません。いかにまともに答えられないことを翁長氏がしたのかということを逆に示しています。

 唯一分かるのは「15分」という「時間的制約」があったと言いたいのだろうということです。そもそも政府が設定した時間にとらわれること自体問題ですが、この日の協議会は当初30分(双方15分ずつ)と予定されていたものが実際はそれより速く「20分近くで終わった」(同琉球新報)のです。「時間的制約」など真っ赤なウソです。

 しかも翁長氏は限られた時間の中で、「中国海軍軍艦の尖閣諸島接続水域侵入に対する対応について…引き続き万全の体制で取り組んでいただきたい旨申し上げた」(同琉球新報)と、中国脅威論を口実にした先島諸島への自衛隊配備強化を促すような要求を行ったと自ら明らかにしました。

 翁長氏にとっては「高江」よりも「尖閣」なのです。

 ★なぜ「辺野古・和解」の「有効性」を確認してしまったのか

 政府は22日の新たな訴訟は、「和解条項の趣旨に照らして」(菅官房長官)行ったと強弁しています。これは事実を偽るものです。

 「和解」(3月4日)は、第三者機関である「国地方係争処理委員会」が国または沖縄県の主張のどちらかを正しいとした場合に、その後双方が次の訴訟へ向かうという筋書きになっています。
 ところが係争処理委員会は国、県のどちらが正しいとも判断を下しませんでした。これは「和解」が想定していなかった事態であり、「和解」の筋書きはそれより先に進むことはできません。つまり「和解」はその時点で無効になったのです。

 にもかかわらず政府は新たな訴訟を起こしました。それは「確定判決」が出たあとは「和解条項第9項」によって、その後の知事の権限をすべて封じ、埋立工事を強行するという当初の戦略を推し進めるためです。

 これを阻止するには、まず「和解の無効」を宣言することです。その上で、埋立承認の「撤回」という強力な「知事権限」で安倍政権の暴挙を食い止めることです。(6月18日のブログ参照。http://blog.goo.ne.jp/satoru-kihara/d/20160618

 ところが翁長氏は協議会で、「和解条項が有効である」(菅官房長官)という確認をしてしまいました。菅氏が協議会後の記者会見で、「このことについて(翁長)知事に確認した」(写真右)「翁長知事から異存がないとの発言があった」(22日付琉球新報)と強調したのは、ここに政府の狙いがあったからです。

 翁長氏は引き続き安倍政権との「話し合い」などと言っていますが、「政府は、もはや対話による解決を放棄したと言わざるを得ない」(22日付沖縄タイムス社説)のは明らかです。さらに言うなら、「話し合いで解決する考えなど、はなからなかった」(同琉球新報社説)のです。

 翁長氏が「話し合い」というカムフラージュでこれ以上逃げることを許さず、「承認の撤回」をはじめ「あらゆる知事権限」を行使させることが今こそ必要です。


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緊迫!翁長知事は「高江」を見殺しにするのか

2016年07月19日 | 沖縄・翁長知事

    

 「高江」(写真中)の情勢が緊迫しています。
 安倍強権政権は米軍北部訓練場(高江など)でのヘリパッド建設を強行するため、11日に資材を搬入、19日から本土の機動隊員も送り込み1日百数十人規模で住民・市民の反対を押さえ、22日に着工する構えです。

 こうした情勢の中で、ヘリパッド建設に反対しない翁長知事に対し、住民・県民の批判が広がってきています。

 「翁長雄志知事に対し、工事に反対する市民からは12日、『ここに来て反対を言ってほしい』『早く対応策を発表して』などと、明確な工事反対表明を求める声が相次いだ」(13日付沖縄タイムス)

 「7月で反対運動開始から10年を迎えた『ヘリパッドいらない住民の会』の宮城勝己さん(63)=東村平良=は『ヘリパッド建設も新基地建設。自然を壊し、周辺住民の負担増になる。反対と言ってほしい』と願う。国からの訴訟や工事強行などを乗り越え、運動を続けており、『行政の長である知事がはっきり反対すれば、国へのけん制になる』と期待を寄せた」(同)

 琉球新報も社説(13日付)でこう主張しています。
 「翁長知事は民意を踏みにじるヘリパッド建設への反対を明確に打ち出してもらいたい。…県民の人権、北部の貴重な自然を守る立場から、毅然としてヘリパッド建設反対を表明すべきだ

 11日の資材搬入に対し、翁長氏が「容認しがたい」と述べたことで、あたかも翁長氏がヘリパッド建設に反対しているかのような報道(しんぶん「赤旗」)がありますが、それは事実に反しています。
 翁長氏が「容認しがたい」と言ったのは、「選挙で民意が示された数時間後に、用意周到にこういうことをやること」(11日の「一問一答」、12日付琉球新報)、つまり搬入の時期についてであり、翁長氏はヘリパッド建設には反対していません。

 それは同じ「一問一答」での翁長氏の次の発言でも明らかです。
 「SACO(日米特別行動委員会)合意を着実に実施することが本県の基地の整理縮小、地元振興につながる」(同琉球新報)。ヘリパッド建設を明記したSACO合意(1996年)実施の考えを重ねて表明したのです。

 しかしSACO合意で北部訓練場の一部返還の交換条件としてヘリパッド建設が盛り込まれたのは、「沖縄県や地元自治体、住民との協議の上で決まったわけではない」(13日付琉球新報社説)のです。

 「一部返還」も、翁長氏が言うように「基地の整理縮小、地元振興につながる」どころか、「(米軍が)自分たちがやりたい訓練をできるようにするための基地の再配置であり、負担軽減はまやかし」(「ヘリパッドいらない住民の会」伊佐真次東村議、19日付沖縄タイムス)です。

 あくまでもSACO合意の実施を求める翁長氏が、いかに住民・県民の声に反しているかは明白です。

 県議会(7月12日)でも、翁長与党の比嘉京子議員(社民・社大・結)が「ヘリパッド建設反対を打ち出すべきではないか」と迫ったのに対し、「知事は直接の回答を避け、謝花公室長が従来通りの答弁をするにとどまった」(14日付沖縄タイムス)。翁長氏は与党議員の質問からも逃げたのです。

 工事強行にあたって、安倍政権・沖縄防衛局は、反対市民の車両を実力撤去させる構えです。これについても翁長氏は反対どころか、市民に対する「文書通告」などを出して排除に手を貸そうとしています。(3月29日のブログ参照。http://blog.goo.ne.jp/satoru-kihara/d/20160329

 安倍政権が着工を強行しようとしている22日のまさに前日の21日、政府・沖縄県協議会が翁長氏も出席して行われます。この場で翁長氏がこれまでの態度を改めて「ヘリパッド建設反対」を表明しない限り、安倍政権は知事もGOサインを出したとばかりに着工を強行してくるでしょう。

 翁長氏はこのまま「高江」を見殺しにするつもりでしょうか。
 翁長与党・「オール沖縄」陣営はそれを黙って見ているのでしょうか。


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「平和宣言」で海兵隊の「撤退」を削除した翁長知事

2016年06月24日 | 沖縄・翁長知事

         

 「慰霊の日」の「沖縄全戦没者追悼式典」(県主催)で翁長雄志知事が行った「平和宣言」に対し、「人権と平和守る要求だ」(24日付琉球新報社説)などと、全面的に賛美する論調が蔓延しています。しかし、「平和宣言」の内容をリアルに検証するなら、それはとうてい評価できるものではありません。むしろ、重大な後退を指摘せざるをえません。

 「平和宣言」の中で翁長氏はこう言いました。
 「日米両政府に対し、日米地位協定の抜本的な見直しとともに、海兵隊の削減を含む米軍基地の整理縮小など…直ちに実現するよう強く求める」

 これに対し琉球新報は社説(24日付)で「海兵隊削減を『平和宣言』に盛り込むのは初めてだ」「19日の県民大会も海兵隊撤退を掲げた。『平和宣言』に盛り込むのは自然の流れだ」と手放しで評価しています。
 きわめて奇妙な論説です。県民大会決議が掲げたのは「海兵隊の撤退」。翁長氏が「平和宣言」で言ったのは「海兵隊の削減」。「撤退」と「削減」はまるで違います。その違いを承知の上で、翁長氏が「撤退」から「削減」に変えたことをなぜ見過ごすのでしょう。なぜ批判しないのでしょうか。

 翁長氏は「平和宣言」で、県民大会決議の「海兵隊の撤退」を、あえて「海兵隊の削減」に後退(変質)させたのです。

 21日の当ブログ(「『海兵隊の撤退』に背を向ける翁長知事」)でも書いたように、翁長氏は16日の記者会見で「『海兵隊の撤退』は『全面撤退』ではないと思う」と、県民大会決議の意味を後退させました。そして、大会当日の「あいさつ」ではさすがに「撤退」の言葉を省くわけにいかず、「海兵隊の撤退・削減」と述べ、2つを並列させました。そして「平和宣言」ではついに「撤退」の方を削除し、「削減」だけにしてしまったのです。

 「知事は内容を吟味した上で発する平和宣言で『撤退』ではなく『削減』という言葉を選んだ」(24日付琉球新報)と報じられています。「撤退」削除が翁長氏の深謀遠慮の結果だったことは明らかです。

 「海兵隊の撤退」要求は、「全面撤退」ではじめて一定の意味を持つものです。「削減」ではなんの力にもなりません。米政府ですらすでに在沖米軍海兵隊2万人のうち約9千人を「削減」してグアムなどへ移す計画を持っているのです。
 参院選に立候補している島尻安伊子氏(自民)と伊波洋一氏の「政策比較表」(22日付琉球新報)によると、「在沖海兵隊」の項目では島尻氏でさえ「削減すべき」と答えているのです。伊波氏の主張は「全て撤退すべき」です。翁長氏の主張がどちらの側に立つものであるか明らかでしょう。

 そもそも、県民の怒りの要求は、「基地の全面撤去」です。それが「オール沖縄」主催の県民大会決議で「海兵隊の撤退」に後退し、さらに翁長氏の「平和宣言」で「海兵隊の削減」になったのです。
 この変遷(後退)はきわめて重大であり、けっして容認できるものではありません。
 


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「海兵隊の撤退」に背を向ける翁長知事

2016年06月21日 | 沖縄・翁長知事

      

 19日の「県民大会」の大きな特徴は、タイトルと大会決議に「在沖米海兵隊の撤退」が入ったことです。

 在沖米軍の中で、海兵隊は兵力で6割、面積で7割を占めますが、これをすべて撤退させたとしても、嘉手納空軍基地はじめ重要な米軍基地は沖縄に残ります。「海兵隊の撤退」が「全基地撤去」の代わりにならないことは明らかです。

 同時にしかし、「海兵隊撤退」を「全基地撤去」の中の正しく位置付ければ、当面の措置として大きな意味を持つことも確かです。

 ところが、「県民大会」が決議した「海兵隊撤退」は、その意味が不明確であり、今後のたたかいの具体的な目標にはなりえていません。その状況をつくりだした張本人が、翁長雄志知事です。

 大会名や大会決議の「海兵隊撤退」と聞けば、おそらくほとんどの人が「海兵隊を沖縄から撤退させる」、すなわち「海兵隊の全面撤退」だと思うでしょう。それでこそ「海兵隊撤退」が意味を持ちます。本土のメディアもすべて「全面撤退」のつもりで書いているようです。
 ところが、翁長氏はそうではありません。県民大会への参加を表明した16日の記者会見で、翁長氏はこう述べました。

 「『海兵隊の撤退』という言葉もよく保守の方も使ったりする。『海兵隊の撤退』は『全面撤退』ではないと思う。整理縮小、みんな入っていると思う」(17日付琉球新報)

 そして大会当日の「あいさつ」で、翁長氏はこう述べました。

 「海兵隊の撤退・削減を含む基地の整理縮小…に取り組んでいく不退転の決意をここに表明し、あいさつとする」

 「海兵隊の撤退」と言い切らず、あえて「撤退・削減」としたのです。

 さらに大会後の記者会見で、「知事として(海兵隊)全面撤退を求めるのではないのか」との質問に、翁長氏は、「私の立場は…普天間基地の県外移設、新辺野古基地は造らせない、オスプレイの配備撤回、以上だ」(20日付琉球新報)と答え、「海兵隊撤退」は「私の立場」ではないとしたのです。

 一連の発言で明らかなように、翁長氏は「海兵隊の撤退」、ましてや「全面撤退」には賛成ではないのです。翁長氏にとって「撤退」は「整理縮小」を含み、これまで「保守」も言っていた「削減」を意味するにすぎないのです。

 米国防総省筋は大会決議の「在沖海兵隊の撤退及び米軍基地の大幅な整理・縮小」について、「具体的に何を指すのか。(日米両政府の)現行計画のようにも受け取れる」(21日付沖縄タイムス)と述べていますが、まさに翁長氏の立場を見透かした発言と言えるでしょう。

 「今回『海兵隊の撤退』という踏み込んだ要求を大会決議に加えたのは、県民の怒りが限界を超え『妥協できない』という声が高まったから」(20日付沖縄タイムス社説)です。その「海兵隊の撤退」に背を向け、従来の枠内(「日米両政府の現行計画」内)の「削減」にとどまる翁長氏は、「限界を超えた県民の怒り」を代表するどころか、大会決議の意味を薄め、県民の怒りに冷水をかけるものと言わねばなりません。

 また、翁長氏は普天間基地の「県外移設」を「大会あいさつ」でも記者会見でも繰り返していますが、これは何度も言うように、「オール沖縄」の「建白書」(2013年1月28日)の「県内移設断念」とは違う勝手な主張です。共産党などが主張する「普天間基地の無条件撤去」にも反します。この違いはわめて重要で、けっして見過ごすことはできません。


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参院選・翁長知事と「オール沖縄」の約束はどうなったのか

2016年06月09日 | 沖縄・翁長知事

    

 沖縄県議選が終わって2日後の7日、「オール沖縄」で参院選沖縄選挙区に立候補する伊波洋一元宜野湾市長(写真中)の選挙事務所開きが行われ、参院選へ向けて動き出しました(写真左=8日付琉球新報)。
 ところが、この場にいるべき人の姿がありませんでした。翁長雄志知事です。

 「参院選で『オール沖縄』勢力が擁立する伊波洋一氏の支持母体の事務所が那覇市内に開設された。共同代表に就任した県選出国会議員らが出席し気勢を上げたが、予定していた翁長知事の姿はなかった」(8日付琉球新報)

 この日の「知事日程」は公表されていません。ということは公務はなかったということです。翁長氏はスケジュールの関係ではなく、あえて伊波氏の事務所開きには行かなかったのです。

 ただ欠席しただけではありません。
 事務所開きと同時に行われた支持母体(「参院選ひやみちか・うまんちゅの会」)の総会で7人の共同代表と3人の顧問、そして事務総長が決まりましたが、翁長氏の名前はどこにもありませんでした。

 これは、翁長氏と「オール沖縄」との間で交わされた約束に明らかに反する行為です。
 なぜなら、宜野湾市長選(1月24日)で、候補者に内定していた伊波氏を、翁長氏が強引に引きずり下ろし、代わりに息のかかった志村恵一郎氏(落選)を擁立した際、そのバーターとして参院選では翁長氏が伊波氏の選対本部長として選挙戦の前面に立つ、というのが、翁長氏と「オール沖縄」会派の約束だったからです。

 「知事側と県政与党の政党関係者らが面会し、『オール沖縄』の枠組みを来年7月の参院選まで維持することを確認した。元県議で知事選出馬経験もあり、全県的な知名度がある伊波氏を参院選、志村氏を市長選という形で決着を見た。伊波氏は志村氏の選対本部長、翁長知事は伊波氏の選対本部長を務める方向で調整しており、双方の連携を強化する考えだ」(2015年9月21日付琉球新報)

 「最終的に『市長選選対本部長は伊波氏、参院選本部長は知事』とのセット人選でようやく態勢が整った。『形の上では伊波氏を参院選で処遇する代わりに志村氏を受け入れるバーターになったが、これで「オール沖縄」で戦える』と地元選考委員の1人は話す」(2015年9月23日付沖縄タイムス)

 この約束(バーター)は、どこへ行ってしまったのでしょう。

 関連して、もう1つ奇妙なことがあります。「3人の顧問」の中に、「オール沖縄会議」共同代表の呉屋守将・金秀グループ会長(写真右の左端)の名前がないことです。
 ただないだけではありません。顧問には長浜徳松・沖縄ハム会長、當山智士・かりゆし社長とともに、金秀グループの古謝光弘副会長が名を連ねています。呉屋氏はあえて自分の代わりに古謝副会長を充てたとしか考えられません。

 呉屋氏は翁長氏の盟友。宜野湾市長選の敗色濃い昨年12月27日には、「伊波洋一さん、もしこの市長選を落とすことがあれば、あなたは参院選を降りる覚悟をここで示すべきではないか」(1月26日付琉球新報)と、伊波氏に責任転嫁しようとした人物です。

 翁長氏と呉屋氏は今回の県議選で、かつて自民党で翁長氏の側近グループ・新風会の仲松寛氏、山城誠司氏の2人を立候補させ、それぞれ「全面支援」(琉球新報)しました。しかし結果は2人とも落選(那覇・南部離島区)。

 「オール沖縄」の中でも日本共産党など「革新」が議席を増やし、新風会が共倒れした県議選の結果が、翁長氏や呉屋氏の「伊波選挙」に対する姿勢に影響を与えているとすれば、きわめて問題です。

 翁長氏は「伊波選挙」の前面に立つとした「オール沖縄」との約束にどう責任をとるのでしょうか。翁長氏や呉屋氏は参院選をどうたたかうつもりなのでしょうか。
 「オール沖縄」の実態が問われています。
 


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