アリの一言 

オキナワ、天皇制の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

「平和宣言」で海兵隊の「撤退」を削除した翁長知事

2016年06月24日 | 沖縄・翁長知事

         

 「慰霊の日」の「沖縄全戦没者追悼式典」(県主催)で翁長雄志知事が行った「平和宣言」に対し、「人権と平和守る要求だ」(24日付琉球新報社説)などと、全面的に賛美する論調が蔓延しています。しかし、「平和宣言」の内容をリアルに検証するなら、それはとうてい評価できるものではありません。むしろ、重大な後退を指摘せざるをえません。

 「平和宣言」の中で翁長氏はこう言いました。
 「日米両政府に対し、日米地位協定の抜本的な見直しとともに、海兵隊の削減を含む米軍基地の整理縮小など…直ちに実現するよう強く求める」

 これに対し琉球新報は社説(24日付)で「海兵隊削減を『平和宣言』に盛り込むのは初めてだ」「19日の県民大会も海兵隊撤退を掲げた。『平和宣言』に盛り込むのは自然の流れだ」と手放しで評価しています。
 きわめて奇妙な論説です。県民大会決議が掲げたのは「海兵隊の撤退」。翁長氏が「平和宣言」で言ったのは「海兵隊の削減」。「撤退」と「削減」はまるで違います。その違いを承知の上で、翁長氏が「撤退」から「削減」に変えたことをなぜ見過ごすのでしょう。なぜ批判しないのでしょうか。

 翁長氏は「平和宣言」で、県民大会決議の「海兵隊の撤退」を、あえて「海兵隊の削減」に後退(変質)させたのです。

 21日の当ブログ(「『海兵隊の撤退』に背を向ける翁長知事」)でも書いたように、翁長氏は16日の記者会見で「『海兵隊の撤退』は『全面撤退』ではないと思う」と、県民大会決議の意味を後退させました。そして、大会当日の「あいさつ」ではさすがに「撤退」の言葉を省くわけにいかず、「海兵隊の撤退・削減」と述べ、2つを並列させました。そして「平和宣言」ではついに「撤退」の方を削除し、「削減」だけにしてしまったのです。

 「知事は内容を吟味した上で発する平和宣言で『撤退』ではなく『削減』という言葉を選んだ」(24日付琉球新報)と報じられています。「撤退」削除が翁長氏の深謀遠慮の結果だったことは明らかです。

 「海兵隊の撤退」要求は、「全面撤退」ではじめて一定の意味を持つものです。「削減」ではなんの力にもなりません。米政府ですらすでに在沖米軍海兵隊2万人のうち約9千人を「削減」してグアムなどへ移す計画を持っているのです。
 参院選に立候補している島尻安伊子氏(自民)と伊波洋一氏の「政策比較表」(22日付琉球新報)によると、「在沖海兵隊」の項目では島尻氏でさえ「削減すべき」と答えているのです。伊波氏の主張は「全て撤退すべき」です。翁長氏の主張がどちらの側に立つものであるか明らかでしょう。

 そもそも、県民の怒りの要求は、「基地の全面撤去」です。それが「オール沖縄」主催の県民大会決議で「海兵隊の撤退」に後退し、さらに翁長氏の「平和宣言」で「海兵隊の削減」になったのです。
 この変遷(後退)はきわめて重大であり、けっして容認できるものではありません。
 


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「海兵隊の撤退」に背を向ける翁長知事

2016年06月21日 | 沖縄・翁長知事

      

 19日の「県民大会」の大きな特徴は、タイトルと大会決議に「在沖米海兵隊の撤退」が入ったことです。

 在沖米軍の中で、海兵隊は兵力で6割、面積で7割を占めますが、これをすべて撤退させたとしても、嘉手納空軍基地はじめ重要な米軍基地は沖縄に残ります。「海兵隊の撤退」が「全基地撤去」の代わりにならないことは明らかです。

 同時にしかし、「海兵隊撤退」を「全基地撤去」の中の正しく位置付ければ、当面の措置として大きな意味を持つことも確かです。

 ところが、「県民大会」が決議した「海兵隊撤退」は、その意味が不明確であり、今後のたたかいの具体的な目標にはなりえていません。その状況をつくりだした張本人が、翁長雄志知事です。

 大会名や大会決議の「海兵隊撤退」と聞けば、おそらくほとんどの人が「海兵隊を沖縄から撤退させる」、すなわち「海兵隊の全面撤退」だと思うでしょう。それでこそ「海兵隊撤退」が意味を持ちます。本土のメディアもすべて「全面撤退」のつもりで書いているようです。
 ところが、翁長氏はそうではありません。県民大会への参加を表明した16日の記者会見で、翁長氏はこう述べました。

 「『海兵隊の撤退』という言葉もよく保守の方も使ったりする。『海兵隊の撤退』は『全面撤退』ではないと思う。整理縮小、みんな入っていると思う」(17日付琉球新報)

 そして大会当日の「あいさつ」で、翁長氏はこう述べました。

 「海兵隊の撤退・削減を含む基地の整理縮小…に取り組んでいく不退転の決意をここに表明し、あいさつとする」

 「海兵隊の撤退」と言い切らず、あえて「撤退・削減」としたのです。

 さらに大会後の記者会見で、「知事として(海兵隊)全面撤退を求めるのではないのか」との質問に、翁長氏は、「私の立場は…普天間基地の県外移設、新辺野古基地は造らせない、オスプレイの配備撤回、以上だ」(20日付琉球新報)と答え、「海兵隊撤退」は「私の立場」ではないとしたのです。

 一連の発言で明らかなように、翁長氏は「海兵隊の撤退」、ましてや「全面撤退」には賛成ではないのです。翁長氏にとって「撤退」は「整理縮小」を含み、これまで「保守」も言っていた「削減」を意味するにすぎないのです。

 米国防総省筋は大会決議の「在沖海兵隊の撤退及び米軍基地の大幅な整理・縮小」について、「具体的に何を指すのか。(日米両政府の)現行計画のようにも受け取れる」(21日付沖縄タイムス)と述べていますが、まさに翁長氏の立場を見透かした発言と言えるでしょう。

 「今回『海兵隊の撤退』という踏み込んだ要求を大会決議に加えたのは、県民の怒りが限界を超え『妥協できない』という声が高まったから」(20日付沖縄タイムス社説)です。その「海兵隊の撤退」に背を向け、従来の枠内(「日米両政府の現行計画」内)の「削減」にとどまる翁長氏は、「限界を超えた県民の怒り」を代表するどころか、大会決議の意味を薄め、県民の怒りに冷水をかけるものと言わねばなりません。

 また、翁長氏は普天間基地の「県外移設」を「大会あいさつ」でも記者会見でも繰り返していますが、これは何度も言うように、「オール沖縄」の「建白書」(2013年1月28日)の「県内移設断念」とは違う勝手な主張です。共産党などが主張する「普天間基地の無条件撤去」にも反します。この違いはわめて重要で、けっして見過ごすことはできません。


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参院選・翁長知事と「オール沖縄」の約束はどうなったのか

2016年06月09日 | 沖縄・翁長知事

    

 沖縄県議選が終わって2日後の7日、「オール沖縄」で参院選沖縄選挙区に立候補する伊波洋一元宜野湾市長(写真中)の選挙事務所開きが行われ、参院選へ向けて動き出しました(写真左=8日付琉球新報)。
 ところが、この場にいるべき人の姿がありませんでした。翁長雄志知事です。

 「参院選で『オール沖縄』勢力が擁立する伊波洋一氏の支持母体の事務所が那覇市内に開設された。共同代表に就任した県選出国会議員らが出席し気勢を上げたが、予定していた翁長知事の姿はなかった」(8日付琉球新報)

 この日の「知事日程」は公表されていません。ということは公務はなかったということです。翁長氏はスケジュールの関係ではなく、あえて伊波氏の事務所開きには行かなかったのです。

 ただ欠席しただけではありません。
 事務所開きと同時に行われた支持母体(「参院選ひやみちか・うまんちゅの会」)の総会で7人の共同代表と3人の顧問、そして事務総長が決まりましたが、翁長氏の名前はどこにもありませんでした。

 これは、翁長氏と「オール沖縄」との間で交わされた約束に明らかに反する行為です。
 なぜなら、宜野湾市長選(1月24日)で、候補者に内定していた伊波氏を、翁長氏が強引に引きずり下ろし、代わりに息のかかった志村恵一郎氏(落選)を擁立した際、そのバーターとして参院選では翁長氏が伊波氏の選対本部長として選挙戦の前面に立つ、というのが、翁長氏と「オール沖縄」会派の約束だったからです。

 「知事側と県政与党の政党関係者らが面会し、『オール沖縄』の枠組みを来年7月の参院選まで維持することを確認した。元県議で知事選出馬経験もあり、全県的な知名度がある伊波氏を参院選、志村氏を市長選という形で決着を見た。伊波氏は志村氏の選対本部長、翁長知事は伊波氏の選対本部長を務める方向で調整しており、双方の連携を強化する考えだ」(2015年9月21日付琉球新報)

 「最終的に『市長選選対本部長は伊波氏、参院選本部長は知事』とのセット人選でようやく態勢が整った。『形の上では伊波氏を参院選で処遇する代わりに志村氏を受け入れるバーターになったが、これで「オール沖縄」で戦える』と地元選考委員の1人は話す」(2015年9月23日付沖縄タイムス)

 この約束(バーター)は、どこへ行ってしまったのでしょう。

 関連して、もう1つ奇妙なことがあります。「3人の顧問」の中に、「オール沖縄会議」共同代表の呉屋守将・金秀グループ会長(写真右の左端)の名前がないことです。
 ただないだけではありません。顧問には長浜徳松・沖縄ハム会長、當山智士・かりゆし社長とともに、金秀グループの古謝光弘副会長が名を連ねています。呉屋氏はあえて自分の代わりに古謝副会長を充てたとしか考えられません。

 呉屋氏は翁長氏の盟友。宜野湾市長選の敗色濃い昨年12月27日には、「伊波洋一さん、もしこの市長選を落とすことがあれば、あなたは参院選を降りる覚悟をここで示すべきではないか」(1月26日付琉球新報)と、伊波氏に責任転嫁しようとした人物です。

 翁長氏と呉屋氏は今回の県議選で、かつて自民党で翁長氏の側近グループ・新風会の仲松寛氏、山城誠司氏の2人を立候補させ、それぞれ「全面支援」(琉球新報)しました。しかし結果は2人とも落選(那覇・南部離島区)。

 「オール沖縄」の中でも日本共産党など「革新」が議席を増やし、新風会が共倒れした県議選の結果が、翁長氏や呉屋氏の「伊波選挙」に対する姿勢に影響を与えているとすれば、きわめて問題です。

 翁長氏は「伊波選挙」の前面に立つとした「オール沖縄」との約束にどう責任をとるのでしょうか。翁長氏や呉屋氏は参院選をどうたたかうつもりなのでしょうか。
 「オール沖縄」の実態が問われています。
 


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沖縄県議選結果は「翁長信任」ではない

2016年06月06日 | 沖縄・翁長知事

     

 5日投開票された沖縄県議選の結果について、翁長雄志知事は、「大勝利だ。1年半の県政運営にご理解いただけた」(6日付琉球新報)と述べました。メディアでも「翁長県政への信任」(6日付朝日新聞社説)だという論調が少なくありません。この評価ははたして妥当でしょうか。

 まず事実を確認しておきましょう。
 選挙の結果、県政与野党の勢力は次のように変わりました。県政与党(共産、社民、社大など)23→27、県政野党(自民など)14→15、中立8→6(6日付沖縄タイムス。写真中はNHKで、無所属の分類などでタイムスと多少違います)
 県政与党が4議席増やしたのは確かですが、政党別にみると共産党、社大党が各1増やし、社民党は8から6に減らしています。一方、翁長野党も1議席増やしています。「県政与党が引き続き過半数を堅持した」(6日付沖縄タイムス社説)という指摘が相当で、「県政与党が地滑り的な大勝を収めた」(6日付琉球新報社説)は過大評価と言わざるをえません。

 重要なのは、県政与党の議席増・過半数確保が、けっして翁長知事への「信任」を意味するものではないということです。

 第1に、県議選は立候補した政党・個人の政策の是非を問うものであり、けっして知事の「公約」や「1年半の県政運営」の是非を問うものではないということです。この点は知事選と明確に違うところです。

 それが、首長と議員を別々に直接選挙する地方自治の「二元代表制」の基本的特徴です。議会選挙の結果で自分の「公約」や「県政運営」が理解・信任されたとする翁長氏の主張は、「二元代表制」の原則を踏まえない我田引水と言わざるをえません。

 第2に、選挙の結果「辺野古新基地反対」の「民意」があらためて確認されたことは間違いありませんが、今回問題になったのは、「辺野古」にとどまらず、基地問題全体だったことです。

 県議選の最大の特徴は、なんといっても告示の8日前に米軍属女性遺棄事件が起こったことでした。「最も注目された論点はやはり米軍基地問題だった」(6日付琉球新報社説)、「相次ぐ事件・事故の発生によって県民の怒りはかつてないほど高まっており、それが選挙結果に影響したものとみられる」(6日付沖縄タイムス社説)とみるのは当然でしょう。

 では、今回の事件で「県民の怒り」は、どこへ向いているでしょうか。
 琉球新報・沖縄テレビ合同の世論調査(3日付)では、「沖縄からの全基地撤去」が42・9%で「在沖米軍基地の整理縮小」(27・1%)を大きく上回っています。さらに、日米安保条約は「破棄すべきだ」(19・2%)と「平和友好条約に改めるべきだ」(42・3%)を合わせると、実に61・5%の県民が日米軍事同盟としての日米安保条約の廃棄を求めています。これが世論調査に表れた沖縄県民の「民意」です。

 ところが翁長氏は、「全基地撤去」にも「日米軍事同盟の廃棄」にも賛成ではありません。「日米地位協定の改定」と「基地の整理・縮小」止まりです。こうした翁長氏の持論・政策が、今回の選挙でどうして「信任された」と言えるでしょうか。

 逆に、「辺野古」を除けば、「全基地撤去」「日米軍事同盟の廃棄」を求める県民世論と「翁長県政」はかけ離れる一方ではないでしょうか。八重山への自衛隊配備・強化、高江ヘリパッドも同様です。

 県議選を終えたいま、次の指摘はきわめて重要です。

 「議会も首長もそれぞれ住民が選ぶ『二元代表制』だ。協働ではなく、対等に競争する関係でなければならない。…議会はそもそも住民の多様な意見を代表する機関だ。…知事を支えるのか反対するのかで争うのではなく、どのような沖縄県をつくるかという点で議論するべきだ。…立法院の伝統を引き継ぐ県議会が自覚的に県知事と対等な緊張関係を築き、積極的に政策形成することを期待したい」(仲地博沖縄大学長、3日付琉球新報)

 「知事と対等な緊張関係」。まさにこれこそ「県政与党」=「オール沖縄」会派に今最も求められているものではないでしょうか。
 議会の質問権を放棄する(2015年12月9日)などのなれあいが言語道断なのはもちろん、「オール沖縄」の名の下に、言うべきことを言わない、主張すべき政策を主張しないことが、いかに民主主義に反し、県民に背を向けるものであるかを、あらためて銘記すべきでしょう。
 


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沖縄県議選でなぜ「自衛隊配備・強化」が争点にならないのか

2016年06月04日 | 沖縄・翁長知事

    

 あす5日は沖縄県議選の投票日です。「米軍普天間飛行場の返還、名護市辺野古への新基地建設の是非、日米地位協定の改定など、施政権返還から44年たっても変わらない基地問題」(5月26日付琉球新報社説)が問われることは間違いありません。

 しかしその一方で、きわめて重大な問題が争点としてクローズアップされないまま投票日を迎えようとしています。与那国、宮古、石垣の「先島諸島への自衛隊配備・強化」です。

 例えば、告示日にあたり県内の8政党(自民、公明、社民、共産、社大、生活、民進、おおさか維新)は「アピール」を出しましたが、その中で「自衛隊配備」に触れた党は1つもありませんでした(5月27日付琉球新報掲載分)。

 政党だけではありません。告示にあたっての琉球新報の社説(26日付)も「自衛隊」には触れていません。沖縄タイムスの社説(30日付)には「自衛隊配備」はありますが、「宮古や八重山では自衛隊配備の問題が重要な論点となっている」と「宮古や八重山」に矮小化しており、かえって問題です。

 先島諸島への自衛隊配備・強化は、日米軍事同盟の新ガイドライン(防衛協力指針)に基づくものであり、戦争法体制を進める安倍政権によって事態は切迫しています。それは与那国への陸上自衛隊配備強行(3月28日)や宮古島、石垣島の現状を見れば明らかです。
 にもかかわらず、沖縄にとっても日本全体にとっても重大なこの問題が県議選の争点になっていないのはなぜでしょうか。

 ここに翁長雄志知事をかつぐ「オール沖縄」の重大な問題があると言わねばなりません。

 翁長氏は今回の県議選の争点について、こう述べました。
 「やはり21世紀ビジョン。その中の第1番目の基地問題、アジア経済戦略構想、子どもの貧困」(5月27日付琉球新報)

 「21世紀ビジョン」とは、仲井真前知事時代に決定された「県のビジョン」です。その「基本計画」(2012年5月)で「基地問題」は、「第4章 克服すべき沖縄の固有問題」の中で「基地問題の解決と駐留軍用地跡地利用」として取り上げられていますが、そこでは基地の「整理・縮小を求めていきます」としているだけで、全基地撤去はありません。さらに、「21世紀ビジョン」の中に「自衛隊問題」は一切ありません。

 そもそも翁長氏自身、自衛隊配備・強化に反対ではありません。最近も中谷防衛相との会談(3月27日)で、与那国への自衛隊配備について、「地域住民の安全管理に万全を期していただきたい」(3月29日付琉球新報)と言うだけで、配備を容認する姿勢を改めて示しました。

 こうした翁長氏を戴く「オール沖縄」の県議選候補らは、当然のことですが、自衛隊配備・強化についての政策(見解)はバラバラです。
 県議選に立候補している「オール沖縄」の翁長与党は37人。その中で、「先島諸島への自衛隊配備」について、「全面撤去」を主張する候補は「革新」を中心に25人(68%)、「縮小すべき」が5人(14%)、「どちらともいえない」が7人(19%)です(6月4日付琉球新報の一覧表から分析)。
 
 つまり、「オール沖縄」候補の3分の2は先島諸島への自衛隊配備に「反対」であるにもかかわらず、翁長氏に同調する残り3分の1に引っ張られる形で、「自衛隊配備・強化反対」を前面に掲げることができない。琉球新報や沖縄タイムスも争点化していない。それが今回の県議選の構図ではないでしょうか。

 永年沖縄で平和活動に尽力している村椿嘉信牧師はこう指摘します。

 「辺野古の代替施設建設の問題ばかりに注目が集まる中、沖縄の軍事要塞化が加速しているのに気づかないなら、辺野古の新基地建設は阻止できても、危険はさらに増すだけだろう。…日米安保条約は容認するという翁長雄志県知事を先頭とするオールオキナワのたたかいの中で、『日米安保反対』とか、『自衛隊基地反対』の声があげにくくなっている。普天間飛行場の『県内移設』に反対するたたかいと、日米の軍隊による沖縄の『軍事要塞化』に反対するたたかい、また東アジア各地の『反戦平和』のたたかいを、いかに結びつけていくかが、今、まさに求められているのではないか」(「靖国・天皇制問題情報センター通信」2016年5月号)

 まったく同感です。

☆当ブログは前タイトル「私の沖縄日記」から通算して、今回が801回になります。お読みいただいた皆様に厚くお礼申し上げます。これからも私なりの「アリの一穴」ならぬ「一言」をめざして書いていきます。今後ともよろしくお願いいたします。
 


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沖縄米軍属女性殺害④オバマ大統領に会って何を言うのか

2016年05月24日 | 沖縄・翁長知事

    

 翁長雄志知事が23日安倍首相と会談した際、「オバマ大統領に直接話をさせてほしい」と発言したことが注目されています。
 翁長氏はオバマ大統領に会って何を言うつもりなのでしょうか。

 問題は会うか会わないかではなく、会って何を主張・要求するのかです。
 ところが肝心のその中身について、翁長氏は何も語っていません。ただ「県民の生命と財産、将来の子や孫の安心安全を守るため」という抽象的な「理由」を述べただけです。
 これでは「日本政府がそれに応じる訳がないと分かってのことだろう」(佐藤学沖縄国際大教授、24日付琉球新報)とみるのが当然で、政治的パフォーマンスであることは見抜かれています。

 仮にオバマ氏と直接話ができたとしても、その場で的確な主張をしなければ、意味がないどころか、かえって事態を誤った方向へ収束させるだけです。
 翁長氏はいま、オバマ大統領に何を言うできでしょうか。

 それは今回の事件によって沖縄県内に広がっている県民の切実な声、「沖縄に暮らす人びとの真に安全な社会を実現するため、沖縄から全ての基地・軍隊の撤退を求める」(「女性16団体要求書」5月20日)、すなわち沖縄からの全基地撤去にほかなりません。

 ところが翁長氏は、安倍首相との会談で、「全基地撤去」については一言も触れませんでした。
  琉球新報は社説(24日付)で、安倍首相と会談した翁長氏に対し、「物足りなさを禁じ得ない」として、こう指摘しています。「大統領との面会要求のほかは地位協定見直しを含めた『実効性ある抜本的対策』を求めたくらいだが、それだけで基地に由来する凶悪事件を根絶できないのは明らかだ。やはり全基地閉鎖要求に踏み込んでほしかった

 首相との会談後の記者会見でも、翁長氏に対し、「全基地撤去の声が高まっている」と水が向けられました。翁長氏はこう答えました。

 「県民がそういう気持ちを持つのは(理解でき)、私も県民の一人として思う。ただ政治は結果でもあるので。こういったこと等を踏まえた上で、今私たちが新辺野古基地は造らせない、普天間基地は県外移設だと訴えている。全県的に基地は要らないということは、そういったことを踏まえた議論の中で、やるべきだろう」(24日付琉球新報)

 例によって明瞭ではありませんが、要は、自分は「全基地撤去(閉鎖)」という主張はしない、ということです。20日の記者会見となんら変わっていません(22日の当ブログ参照)。

 いま、この時に、オバマ大統領に対しても、安倍首相に対しても、「沖縄から全ての基地・軍隊の撤退を求める」という県民の痛切な要求を突きつけることができない人物に、沖縄県知事としての資格があるでしょうか。


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沖縄米軍属女性殺害②翁長氏は沖縄の知事にふさわしいか

2016年05月22日 | 沖縄・翁長知事

    

 「容疑者逮捕」から数時間後の19日午後8時すぎ、翁長雄志沖縄県知事が訪問先のアメリカから帰国しました。成田空港で会見した翁長氏に記者が質問しました。
 「(総統就任式の)台湾訪問日程に変更は」。翁長氏の答えはこうでした。

 「公式日程なのでここ(東京)から直接飛ぶ。数時間ですぐ沖縄に戻る。その間副知事をはじめ担当者と連絡を取ってしっかり調整したい」(20日付琉球新報)

 しかし実際に翁長氏が那覇へ戻ったのは翌20日午後8時すぎ。丸1日沖縄を留守にしたのです。
 この間、在沖米軍トップが県庁に「謝罪」に訪れるという重要な動きがありましたが、知事不在のため、安慶田副知事が応対せざるをえませんでした(写真中)。

 歴史的な重大事件です。沖縄県知事ならアメリカから帰国後直ちに那覇に戻り、陣頭指揮を執るのが当然ではないでしょうか。沖縄をしり目に台湾へ向かった翁長氏の責任は見過ごせません。現にそれによって在沖米軍トップに知事が直接抗議する重要な機会を逸してしまったのです。

 翁長氏はなぜ沖縄に戻らず台湾へ行ったのでしょうか?緊急重大事態に際し、「公式日程なので」が理由にならないことは言うまでもありません。翁長氏にとっては今回の事件より台湾総統就任式の方が重要だったということでしょうか。
 それとも、「(蔡英文台湾新総統は)安倍晋三首相とのパイプが知られ、昨年10月の訪日時に極秘会談したとされる」(21日付中国新聞=共同)という人脈と関係があるのでしょうか。

 いずれにしても、沖縄県知事として重要な1日を「不在」にした責任は免れません。

 「基地がある限りこのような事件はなくならない」。事件後、沖縄からすべての基地をなくする(全基地撤去)の声がかつてなく急速に広がっています。

 「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」(高里鈴代、糸数慶子共同代表)ら16団体は、20日県庁で記者会見し、「基地・軍隊は、人間の心と身体を深刻なまでに破壊しており、それはフェンスの内と外を問いません」として、3項目の「要求書」を発表しました(写真右)。
  被害者を取り巻く人びとへの謝罪とケアが丁寧に行われること
  真相が究明され、加害者への厳正な処罰が行われること
  沖縄に暮らす人びとの真に安全な社会を実現するため、沖縄から全ての基地・軍隊の撤退を求める
 要求の相手は、オバマ大統領、安倍首相、そして翁長知事です。

 しかし翁長氏は、台湾から帰国した直後の20日午後8時半ごろ、那覇空港での記者会見(写真左)で、「県政与党や市民団体から県内の全基地を撤去するよう求める声が強まっている。知事の受け止めは」と聞かれ、こう答えたのです。

 「そういう思いを持つというのは、私からしても理解できるところだが、この問題はご家族のこととかいろいろ視野に入れてやっていかなければならない部分もあると思う。全部(撤去)かということについては県民の思いを一つにするようなものの中で、見通しを立てながら頑張っていくべきだと思う」(21日付琉球新報)

 例によってのらりくらりと逃げていますが、要は「全基地撤去」とは言わない、賛成できないということです。それは「保守」に対する配慮であると同時に、「日米安保の重要性は誰よりも知っている」が持論の翁長氏の本音です。この点、翁長氏は知事になる前も、なってからも、そして今回の事件が起こっても、なにも変わっていないのです。

 基地・軍隊が起こす犯罪の根絶のため、沖縄からの全基地撤去こそが必要であり、その世論がかつてなく高まろうとしているとき、それに賛成しない、賛同できない人物が果たして沖縄県知事としてふさわしいと言えるのか、改めて考え直すべきではないでしょうか。

 次回(明日)は、今回の事件で問われる「本土に住む日本人」について考えます。


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理不尽な「伊波降ろし」、候補者選考の基準は「基本政策」

2016年03月08日 | 沖縄・翁長知事

  

 翁長雄志知事を支える「オール沖縄」の中から、宜野湾市長選の敗北を口実に、参院選の予定候補者に内定している伊波洋一氏(写真左=琉球新報より)を引きずり降ろそうとする動きが強まっています。きわめて理不尽な動きで、「オール沖縄」の実態を示すものとして注目されます。

 伊波降ろしの急先鋒は、翁長氏にきわめて近い呉屋守将・金秀グループ会長(写真中の左端)。呉屋氏は宜野湾市長選告示前の昨年12月27日すでに、「伊波洋一さん、もしこの市長選を落とすことがあれば、あなたは参院選を降りる覚悟をここで示すべきではないか」(1月26日付琉球新報)と詰め寄る異常な言動を行っていました。
 そしてさらに選挙後、「与党(県政―引用者)の一部や経済界から伊波氏への不満が表面化」(3月3日付沖縄タイムス)してきました。

 参院選候補者について、「選考委(参院沖縄選挙区・候補者選考委員会=座長・新里米吉県議―引用者)は、昨年9月に伊波氏に出馬を正式に要請し、受諾」(同沖縄タイムス)されています。すでに内定済みです。それを呉屋氏らが蒸し返したため、2月28日の選考委では伊波氏擁立の正式決定が先送りされました。

 宜野湾市長選の敗北を、伊波氏に押し付けるのはまったく筋違いです。
 敗北の責任を問うなら、真っ先に翁長氏の責任を問わねばなりません。
 「オール沖縄側の候補者選考から選挙戦まで、翁長雄志知事が前面に立った以上、翁長知事への審判と取られることは避けられない」(佐藤学沖国大教授、1月25日付沖縄タイムス)

 ところがここにきて、「市長選敗北」は伊波降ろしの口実ではないかと思われる動きが出ています。「(伊波氏擁立に―引用者)難色を示す経済界が懸念するのは、伊波氏で保革を超えた『オール沖縄』の枠組みを維持できるかどうかだ。市長選では、翁長県政が普天間飛行場の県外移設を訴える中で『無条件の閉鎖撤去』を前面に掲げるなど、主張の違いが分かりにくさを招いた」(4日付琉球新報)と報じられていることです。
 政策的に「革新色の強い伊波氏」(同)は「オール沖縄」の候補としてふさわしくない、というわけです。

 これはきわめて奇異な言い分です。なぜなら、選考委で伊波氏が内定したのは、事前に決定した「参院選基本政策」(2015年8月21日決定)に基づくものだからです。
 選考委が決定した「基本政策」はどのようなものでしょうか。6項目の「全文」(8月22日付琉球新報)を引用します。

 日本国憲法の理念と9条を守り、安保法案の廃案(廃止)を目指す。日米地位協定の全面改定に取り組む。
 米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、辺野古新基地建設断念を求める。オスプレイ配備を撤回させ、新たな基地は造らせない。基地返還の促進を求め跡地利用や基地従業員の雇用問題に取り組む。
 「21世紀ビジョン」「アジア経済戦略構想」の実現に協力し、観光産業、地場産業、農業・漁業および中小企業の振興を図る。くらしと経済を壊すTPPと消費税増税に反対する。
 社会保障制度の拡充を図り、くらし・医療・福祉の充実を目指す。雇用の安定・安心に向けて失業率の改善と若者の雇用創出に取り組み、不当な賃金格差是正と非正規雇用の改善を図るとともに公契約法の制定を目指す。
 子どもが主人公の教育を進め、30人以下学級等教育環境の整備に取り組む。子どもの貧困解消、子育て支援、男女平等社会の実現に取り組む。
 原発の新設と再稼働を許さず、再生可能エネルギーを推進する。自然環境の保全、回復に力を入れる。

 この「基本政策」は、選考委を構成する11団体で了承・決定されたものです。その中には呉屋氏の金秀グループも入っています。

 「基本政策」第2項は、「米軍普天間基地を閉鎖・撤去」です。「県外移設」とはどこにも書いてありません。むしろこれは「無条件閉鎖・撤去」を意味するととる方が自然でしょう。少なくとも翁長氏が主張する「県外移設」が選考委の「基本政策」にないことは確かです。

 選考委の候補者決定は、上記6項目の「基本政策」に基づいて、それを実行する意思がある人物を選ぶべきであるのは言うまでもありません。

☆以前書いた「天皇・皇后訪比」についての計4回のブログ(1月23日、2月1日、2日、4日)に、乗松聡子氏(「ピース・フィロソフィー・センター」代表)が質量ともに大幅に肉付けしてくださったものが、共著の形で英文オンラインジャーナル『アジア太平洋ジャーナル:ジャパンフォーカス』に掲載されました。乗松さんに深く感謝し、お知らせいたします。
http://apjjf.org/2016/05/Kihara.html

 


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「暫定和解案」の危険と翁長知事の屈服

2016年03月01日 | 沖縄・翁長知事

   

 辺野古新基地建設をめぐる「代執行訴訟」は29日結審し、4月13日に判決の予定です。しかし、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)による「和解」工作は継続しており、「係争委訴訟」の判決が予定されている3月17日までまったく予断を許しません。

 翁長知事は「和解案」のうち「暫定案」は「前向きに検討する」(2月15日)として受け入れる方向です。一方、安倍政権は「暫定案も根本案も受け入れられない」とし、とくに「暫定案」については「絶対に乗れない」(防衛省幹部、1日付沖縄タイムス)としています。
 「暫定案」は沖縄県に有利で、翁長氏は前向き、国は否定的、という図式です。しかし、はたしてそうでしょうか。

 「暫定和解案」は実は安倍政権の窮地を救うものであり、逆に、辺野古新基地阻止にとってはきわめて危険な“毒まんじゅう”になる可能性が大きいと言わねばなりません。

 ① 「違法確認訴訟」で「埋立承認取り消し」が「違法」とされる危険性

 「暫定案」の中身は、①国は「代執行訴訟」を取り下げ、工事を停止する②国と県は「違法確認訴訟」などの判決まで協議する③別の訴訟の判決が出たら従う、の3点です。

 さらに29日の裁判後、多見谷裁判長は「和解後は地方自治法に基づく是正措置を速やかに実行するよう求める暫定案の修正案を提示」(1日付沖縄タイムス)しました。

 「地方自治法に基づく是正措置」とは、まず国が県に対し、「埋立承認取り消し」の取り消しを求める「是正指示」(地方自治法第245条の7)を行うことです。そして県がこれに従わない場合、「高等裁判所に・・・違法の確認を求める」(同第251条の7)ことができます。これが「違法確認訴訟」です。

 もともと、「多見谷裁判長は強権的な代執行手続きではなく・・・違法確認訴訟で翁長知事の埋め立て承認取り消しの違法性を争う道を探っていた」(1月30日付沖縄タイムス)のです。

 「代執行訴訟」では「国勝訴」にはしにくい、しかし「違法確認訴訟」なら「承認取り消し」は「違法」(「国勝訴)の判断を出しやすい。それが「暫定案」の最大の狙いです。

 そして国・県とも「違法確認訴訟」の判決には従うというのが「和解案」に内容です。翁長氏はすでに自ら「判決通り、(承認取り消しを)取り消す」(2月15日の反対尋問)と明言しています。「違法確認訴訟」で「違法」判決がでれば、その時点で翁長氏は「承認取り消し」を取り下げ、埋立工事が強行される危険性がきわめて高いのです。
 そうなれば、「暫定案」は「暫定」でなくなります。

 ② 「代執行訴訟」取り下げは安倍政権の救済

 「代執行訴訟」を取り下げることは国の譲歩だという見方がありますが、それは逆です。
 もともといきなり代執行訴訟を起こすのは地方自治法(第245条の8)に反しており、このままでは「国敗訴」は必至とみられています。それは安倍政権にとって大きなダメージです。

 それを救うのが「暫定和解案」です。「国には代執行訴訟における『敗訴判決』を回避する点で和解のメリットを有する」(新垣勉弁護士、2月4日付沖縄タイムス)のです。

 ③ 「工事停止」の期間を短縮

 翁長氏が「暫定和解案」を受け入れようとしている最大の口実は、判決までは工事が「停止」するということです。政府・防衛省が「暫定案」に難色を示しているのも、「工事停止」のためです。
 そこで多見谷裁判長は、この「工事停止」の期間を短縮することに乗り出しました。

 29日に多見谷裁判長が示した「修正案」は、「率直に言うと、手続きは迅速に進めるという部分」(松永和宏弁護士、1日付琉球新報)です。「それは国側への配慮か」との記者の質問に、松永氏は、「というふうに考えていいと思う」(同)と答えています。

 つまり、多見谷裁判長は、「暫定案」で一時的に「工事停止」となっても、その期間をできるだけ短くするために「国側への配慮」として「手続きは迅速に進める」ことを修正案として示したのです。

 これに対して翁長知事側はどう答えたか。「その点で私たちも協力はします」(松永氏、同)と答えたのです。ここにも翁長氏の安倍政権への妥協・屈服の姿が表れています。

 ④ 予断を許さない「根本案」

 29日の「和解協議」では「根本案については一切話題に出ていない」(松永氏、同)といいます。一方、多見谷裁判長は和解協議の中で、「根本案を先に検討するよう求めている」(2月23日付産経新聞)という報道もあります。

 およそ受け入れる可能性のない「根本案」を出しておけば、「暫定案」は受け入れやすい。「国寄り」といわれる「根本案」ではなく「県寄り」といわれる「暫定案」を、国が受け入れたとなるいと、いかにも柔軟な姿勢をみせたように映る。「根本案」は「暫定案」のためのおとりではないのか、という疑念がふくらみます。

 同時に、きわめて政治的な問題である「根本案」をめぐる協議は、公開の場ではなく、安倍政権と翁長知事の間で、極秘に水面下で進行している可能性もあります。

 安倍ファッショ政権との間で「和解」などありえません。「根本案」はもちろん、危険な「暫定案」もきっぱり拒否し、文字通り「あらゆる手法」を駆使して徹底的にたたかうこと。それこそが辺野古新基地を阻止する道です。


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「戦争(安保)法廃止」に賛成しない翁長知事

2016年02月27日 | 沖縄・翁長知事

  

 25日の沖縄県議会代表質問で、日本共産党の西銘純恵議員は、きわめて重要ないくつかの問題で翁長雄志知事の見解をただしました。
 ところが翁長氏はそれにまともに答えず、町田優知事公室長らに代わって答えさせました。こうした翁長氏の姿勢、そして町田氏らの答弁の内容は、けっして見過ごすことはできません。

 最も注目されたのは、目下の国政の最大課題といえる「戦争法(安保法制)」廃止についてです。「戦争法は廃止すべき」として「知事の見解をうかがう」とした西銘議員に対し、翁長氏は自ら答弁することを避けました。町田公室長の答弁はこうです。

 「十分な理解がえられていない法案を強引におしすすめる政府の姿勢は容認しがたい。沖縄の基地負担の強化につながることがあってはならない」

 これは半年前とまったく同じ答弁です。戦争法案採決のやり方には異議を唱え、沖縄の基地負担の強化には反対していますが、戦争法制自体には反対せず、もちろん「廃止」には賛成せず、結局戦争法を容認しているのです。これが翁長氏の立場です。

 戦争法を容認・賛成する翁長氏の立場は、「集団的自衛権を容認」する翁長氏の当然の帰結です。翁長氏は新聞のインタビューでこう明言しています。

 「ぼくは非武装中立では、やっていけないと思っている。集団的自衛権だって認める」(2012年11月24日付朝日新聞)

 集団的自衛権を容認し、戦争(安保)法を容認する翁長氏が、本気で「辺野古新基地」に反対できるでしょうか。

 西銘議員の質問に対する重大な答弁はこれだけではありません。主なものを挙げます。

★ 西銘議員「宮古、石垣、与那国への自衛隊配備強化に反対すべきだ」
  翁長知事(答えず)
  町田室長「自衛隊は島しょに大きく貢献している」「情報収集に努める」「政府は地元の理解を得られるよう丁寧に説明すべきだ」

★ 西銘議員「高江ヘリパッド建設は中止すべきだ」
  翁長知事(答えず)
  町田室長「さまざまな意見があり、情報収集に努めている。建白書に基づいてオスプレイ配備に反対する」

★ 西銘議員「嘉手納基地への外来機飛来を禁止すべきだ」
  翁長知事(答えず)
  町田室長「負担の増大にならなういよう日米両政府に粘り強く働きかけていく」

★ 西銘議員「消費税の10%増税は中止すべきだ」
  翁長知事(答えず)
  平敷昭人総務部長「消費税は安定財源確保のうえで重要な役割を果たしている」

★ 西銘議員「TPPの批准に反対すべきだ」
  翁長知事(答えず。だれも答えず)

 西銘議員が求めた重要課題での「反対・禁止」は、ことごとくかわされてしまったのです。
 この質疑であらためて分かるのは、「辺野古」以外で翁長氏と安倍政権・自民党との間に政策の違いはないということです。

 さらに、こうした翁長氏の政治姿勢は、解釈改憲や消費税増税、TPPへの反対を明記した翁長氏と革新会派との「知事選にのぞむ基本姿勢および組織協定」(2014年9月13日)に明確に反しているということです。

 こんな翁長氏を、共産党はなぜ「全面的に支える」ことができるのでしょう。
 戦争法はじめ重要な質問でことごとく答弁を回避され、公室長らの重大答弁を聞きながら、西銘議員はなぜ再質問で翁長氏自身の見解をたださなかったのでしょう。

 重要問題での不一致は見て見ぬふりをし、「辺野古反対」(翁長氏のそれははじめから疑問だらけですが)の1点だけで「翁長氏を全面的に支持」することがいかに重大な事態をもたらすか。「思考停止」はもう許されません。

 ※沖縄県議会の中継ビデオは、県議会のHPから見ることができます。関心と時間がある方は、翁長氏の実像をぜひご覧ください。


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