セーラの独り言2

お年寄りの独り言・・・・

制服美人

2016-05-31 | 日記
 薫風に身をまかせて過ごした五月も今日でおしまい。
明日からは六月、衣更えの季節。軽やかになった夏制服の女学生たちの
明るく朗らかな声とともにその姿は眩しく目に映るでしょう。
NHK朝ドラマ「とと姉ちゃん」姉妹が着ていた赤いリボンの制服姿に
たまらなく懐かしさが込み上げて来た。
私が60年近くも昔に着ていた高校の制服と同じだったからである。
多聞、このドラマをみているであろう同期生、同窓生達も過ぎ去った青春時代を
思い起しているに違いない。
物語のモデルの鎭子さんの女学生時代は昭和10~12年頃のことであったから
わたしの高校時代からはずいぶん昔にさかのぼる。
そんな時代を越えて偶然にも同じ制服だったなんて・・・(時代考証済み?)
そう思うと不思議な気持ちになる。
鎭子さんたちが本当に着ていた制服だとすると、当時はとてもお洒落だったろう。
年表を見ると鎭子さんと母は3歳違いであった。
母が女学生時代、セーラー服を着て友と微笑んでいる一枚の記念写真がある。
そこには、きれいでかしこそうな母がいた。
 母は私の制服の白いブラウスを毎日洗い、アイロンをあててくれていた。
私はそれを当たり前のように着て通学していた。
母は、制服のお洒落はビシッとアイロンのあてられた真っ白のブラウス、そして
スカートの襞もきちっとすること、洗いたての靴下、磨いた靴を履くことなど
こんこんと教えられた。
きちんとした制服を着ること、それが制服美人というそうだ。
全く母の言う通りだと思う。
スカートの寝押しを失敗し学校に行く前に大急ぎでアイロンをあてたことを
思い出した。寝相がわるいからよ、と笑われた。それからはその日のうちに
アイロンをあてることにした。
 女学生の年頃に一番似合う装いは清潔感漂う制服なのではないかと私は思う。



古い本の中から

2016-05-17 | 日記
 四月から始まったNHKの朝ドラマは、長いこと雑誌「暮らしの手帖」に携わって
こられた大橋鎭子さんの生涯を描いています。
ドラマに取り上げられたということで、ブームとなり、書店では「暮らしの手帖」
「すてきなあなた」や大橋さんに関しての本が数多く並べられています。
母と同世代であったこともあり、内容もまじめで生活に密着した内容の雑誌で
母はよく読んでおりました。
若き日の鎭子さんの生き生きとした笑顔の写真を見かけると、その頃の髪型や、
洋服や背景に映っている品々にその頃の母を偲んでおります。
なんだかとても懐かしくなって新しい本を買い求め読みました。
随分昔に読んだので内容もすっかり忘れてしまっていました。 
 ところが、ある章のなかに増田れい子さんの随筆集の中に書かれている話と
全く同じものが書かれていることに気付きました。
れい子さんの随筆集も古い本なのでどの随筆集に載ってかを思い出せなくて、
何冊か持っている本を片っ端から読んで、とうとうその話に出合いました。
読み合わせてみると内容はすっかり同じなのです。
 ここからは私が想像するに、鎭子さんとれい子さんは年齢的、職業婦人としても
仕事上でも相通じるとても良い親しい友人関係にあったに違いないのである。
そして、その話の中にもう一人の職業婦人が出てくるのですが、この人を加えた
三人は共通の友人であるらしく、その人が話したことが鎭子さんとれい子さんの
心に印象深く刻まれ、偶然にもその話を其々の本に書かれたのではないかと、
私は推測するのです。それはとてもよいお話なのです。
こんなケースはめったにないことだと思いませんか。
れい子さんの本は1979年に出版されているので私の手元の本は黄ばんでます。
きっと鎭子さんも記憶が鮮明なうちに書かれたのではないかと思っています。
 ここでわたしはちょっと自慢したいのです。
なぜって?ずっと昔に読んだ本と最近読んだ本に全く同じ話が書かれている、
ということに気付いたのですもの。このことってやっぱりすごい!

鎭子さんは1920年~2013年没 93歳
れい子さんは1929年~2012年没 83歳
お二人は天国で今の世の中の女性の生き方についてどのように話し合って
おられるのでしょうか。お話を聞いてみたいものです。
 もう一人の方はこのお人ではないかと想像しているのですが、
 確証がないので私の心にのみとどめておくことにします。


からすが笑った!

2016-05-11 | 日記
 三月初めのまだ寒い頃、家の近くで信号待ちをしていた時のこと、
向い側の電信柱のてっぺんにからすがとまっていた。
すると、そのからすがいきなり「ワァ―ハッハッハッ」と笑った。
ほんとに人が笑うように「ワァ―ハッハッハッ」と豪快に笑ったのだ。
隣にいた若者も驚いたらしく、思わず私と顔を見合わせてしまったほど。
私の空耳ではない。確かにもう一人の人も聞いたのだから。
もう一度その笑いを確かめたい、もうひと笑い聞かせて欲しいと思ったが、
そのからすは寒空の中を向うの林の方へ飛んで行ってしまった。
 向うの林の中には、七羽の子がらすがママからすの帰りを待っているのかも。
 ♪かわいい可愛いとからすは鳴くの~♪
私の聞いたあのからすの笑い声は太くて、力強くて、豪快そのもの。
いかにも男性的な声であった・・・・するとあのからすはパパからす?
 からすはカァカァカァとかカーカーカーとカッカッカッとかカカカとか
いろんな鳴き声鳴き方をして仲間達と連絡をとりあっているらしいとのこと。
数年前 私がピアノでスターカットの練習をしていた時、なかなか思うように
弾けなくて手を休めていた時、窓の外でからすが歯切れよくカッカッカッと
素晴らしいスターカットで鳴いている。とっても自慢げに。
私はからすに負けたぁ~と思わずしゅんとしてしまった。
その話をピアノの先生に話したら大笑いされた。
 オウムやインコのように人の口真似が出来る鳥もいる。
からすは鳥の中でも知能の高い鳥と言われている。
堅いクルミを自動車の行き交う道路におき、その上を車が通ってクルミが
割れて中の実が飛び散ると、それを見て即刻取りに来るというその知恵。
烏合の衆、からすの行水、からすが群れて鳴くと不吉なことが起るとか等々
不吉な鳥と言われ忌み嫌われている。
あの全身の濡れ羽色やするどい目、大きな嘴などからそう思うのかも知れない。
でも、からすは親孝行、親子の愛情が深い鳥とも言われているそうな。
童謡♪七つの子♪にもその優しさは歌われている。
そしてこんな可愛いほっとする俳句を見つけた。
  食べ飽きてとんとん歩く鴉の子     高野素十
何処かでもう一度あの豪快な「ワァーハッハッハッ」という笑い声を
聞いてみたいものである。
追伸 聖書 列王記上 17章6節 鴉がエリヤに朝夕パンと肉を運ぶ場面がある。
   からすの子は親孝行に報いるため老いた親に食べ物を口移しに与え養うと
   いう。まさに介護からすである。