セーラの独り言2

お年寄りの独り言・・・・

私の耳は・・・・

2013-07-24 | 日記
 それは4、5日前のことでありました。
鏡に向いお化粧をし、いつものようにイヤリングをつけました。
ところが、その日に限り何故か右耳のイヤリングの位置がピタッとしないのです。
何度も付け直しても気にいらないのです。
付けたり外したりしているうちに耳たぶが赤くなってきました。
そこで左のイヤリングをはずし、じっと鏡を見つめました。原因がわかりました。
鏡に向い化粧をし髪を結い日に何度も鏡を覗いていたにもかかわらず、
全く気付きませんでした。
私の右と左の耳の大きさが違うということを。すごいショックでした。
違うとわかってから改めて見てみるとはっきりとその違いが見て取れるのです。
何十年もの間、気付かなかったなんて私は何を見ていたのでしょうか。
左右対称だと思い込んでいたのですね。
思い込みって恐ろしいものです。
父母、妹、子供達、誰一人として気づく者がいなかったということでしょうか。
気付いた日から気になって仕方のない日々が続いています。
ハカセに耳の大きさを測ってもらいました。やはり、右の耳の方が4、5ミリほど
大きいと何となくニャッとした表情で言われました。
「これって片ちんば?」と尋ねると「人の体は耳であれ手足であれ必ずしも
同じではないのだよ」と慰められ私の気持ちは少しは静まりました。
だからもう気にするのはや~めた!とのつもりなのに今朝も鏡をみてはやっぱり
違うと溜息をついている私。
昔のお年寄りは人を見る時、先ず福耳かどうかでその人の運の幸か不幸かを
判断したという。
私は、祖母から「この子の耳は福耳だから幸をもっている」と
言われたことを思い出した。よく見ると意外とかわいらしい耳をしている。
私の耳はいつもいい事ばかりを聞いていたい。が、しかし善きこと、悪しきこと
にも心底傾ける耳でなければならないのである。
     私の耳は貝の殻
       海の響きを懐かしむ   (ジャン・コクトー) 

愛猫カール君の近況

2013-07-13 | 日記
 今年も日本に押し寄せてきた猛暑で日本地図は真っ赤に塗りつぶされている。
「もうこの暑さはたまらん」と思うのは人間ばかりではない。動物たちとて同じ。
医学、科学などはどんどん発達・発展しているのに、この自然の気象状況だけは、
人間は手も足もでず、どうにも出来ない現象なのだと思い知らされている。
夢みたいな話だが、雨や雪の降水量、降雪量、気温の高低、竜巻、雷、地震、
台風の目の消滅など人間の手である程度操作できればどんなにいいものかと、
何時の日かそんな時が来ないものであろうかなどと暑さにうだりながらぼんやりと
でも半分本気で考えた。
 さて、我が家の愛猫カール君もこの暑さにはまいっている。あちこちの部屋へ
移動してはパタン・バタリと倒れている。その時、その時の彼の居場所が少しは
涼しい所らしいのである。エアコン、扇風機はお好きでないらしい。
昨年の猛暑の時、姿がまったくみえなくなり、探しに探すとなんとまぁ!風呂桶の
中でぐっすりと寝ていたことがあり、これにはもうびっくり仰天。
今夏も5、6時間姿がまったく見られず気になり探すと、なんとまぁ!
今度は内玄関の三和土の上で寝ていたのである。これにもびっくり!
薄暗く床はタイルなのでひんやりと気持ちよかったのでしょう。
予報ではしばらくはこの暑さは続くそうだ。
さて、カール君の次のパタン・バタリと倒れこむ場所はどこであろう。
 最近のカール君のいたずらには思わず笑ってしまった。
彼は私の外出がじつに面白くないらしい。
出かける支度を始めると、なんとなく意地悪そうな目をしてじろじろと
私から目をそらさない。私はとても出にくいのです。
「今日はどちらへお出かけですか」「またお出かけですか」「お暑いのによくもまぁ」
と言っているであろうカール君の冷ややかな声なき声を背中に受けて出かける。
以前は鍵をカチャカチャあけていると玄関先まで迎えに来てくれていたのに、
最近は帰りを迎えてくれる様子がみられない。ちょっと淋しい私。
彼はお留守番の腹いせ?にこんないたずらをするようになりました。
洗面所にある整理ダンスの一番下の引出に私の寝間着や下着が入っています。
私の留守の時に限り、引出を開け私のパンツのみを床に引き出しているのです。
「開けたら閉めて」と言いながらも彼の行動に思わず笑ってしまいます。
猫好きの作家やタレントなどが自分の猫はこんなに可愛いのだとそのメロメロな
心情を書いている本を今読んでいる。
どんなに彼らが美辞麗句を並べ立て彼らの猫達を自慢しようとも、
私のカール君はだんとつに飛びぬけて可愛いということは言うまでもない。
たとえ、私のパンツをひっぱり出しても・・・・・
   ※私の年代ではその下着をパンツとかズロースといっていた。
    今はハイカラにショーツというらしい。



絵本のなかへ

2013-07-05 | 日記
 五月の私の誕生日の贈物としてハカセから金一封をいただいていた。
さて、この嬉しい贈物を何か記念になるものに、とずっと考えていた。
 お気に入りの書店がある。
七階にある子供の本ルームが、とても心地よく落ち着きほっとする場所なので
私は、そこを「秘密の隠れ家」と称してたびたび訪ねるのを楽しみとしている。
私の行く時間帯が平日の午前中であることのせいか、ほとんど人はおらず、
時折店員が本の整理に来るくらいなので、人に邪魔されることなく静かにゆっくりと
本に目を通すことが出来る憩の場所なのである。
「今日は「秘密の隠れ家」に立ち寄ってきます」と外出時の行先をハカセに
伝えるのですから、決して「秘密の隠れ家」とは言えないのですが・・・・
そんな会話を楽しんで出かけます。
 六月の初め、その「秘密の隠れ家」で、私はずっと欲しくて心にかかっていた
絵本を見つけたのです。それも一度に五冊も。
とっさにハカセからの贈物はこの本に変えようと決めた。
務めていた時に出合ったグリム童話の挿絵のスイスの画家フェリクス・ホフマンの
画風に魅了されていた。
偶然にもハカセもこの画家がとてもお好きであることがわかった。
かつて、「クリスマスものがたり」を自分のために一冊購入してから
すでに20数年もの時が経っていた。
ホフマンはグリムのお話を自分の子供たち一人一人に描いていた。
長女には「ラプンツェル」を、次女には「ねむりひめ」を、
三女には「おおかみと七ひきのこやぎ」を、長男には「七羽のカラス」を。
そして一人目の孫に「うでききの四人きょうだい」二人目の孫には「くまおとこ」を、
三人目の孫には「あかずきん」の絵本である。
なんと幸せな子供たち孫たちであろう。なににも代えることの出来ない素晴らしい
贈物である。そんな意味のある素晴らしい贈物を私はこの度得ることが出来た。
昨年、ホフマンの生誕百年を記念して新たに「あかずきん」が出版された。
と当時に今までの絵本も増刷されていた。
何度もこの「秘密の隠れ家」に来ていたのに不覚にも気付かなかった。
その時本がなかったのか、別の本に興味があったのか・・・・
絵本だけど、やっぱり自分のために欲しいとの思いが強く駆け巡った。
絵本は子供たちだけのものではない。
絵本は大人の癒しのためのものでもある。
私は、ホフマンの絵本をあたかも画集をめくるようにして丁寧に見ている。
絵本の中に私の充分に満たされた時が吸い込まれていく。