マルハニチロの群馬工場で製造された冷凍食品から高濃度の農薬マラチオンが検出された。すでに健康被害が出ており、全国から群馬工場の製品全てを回収しているようだ。
全ての製品に均一に農薬が混入されているというわけではなく、多品種の製品から検出されているので、単独犯が製品を選んで混入したとは考えられない。
バイト・社員も担当部署が細かく決まっていて、誰でもが工場内を自由に歩き回れるわけではないので、多種目の製品に混入することは難しい。
日にちの違った製品にも混入しており、複数回混入され続けていたのが、今回発覚したと見たほうが自然ではないか。そしてその時、最も考えられるのは、やはり水道水への混入だろう。
この場合、水道局の貯水池に混入した場合と、敷地内の接合管、たとえば水道メーターのBOXなどから混入したと見るほうが自然と思われる。
工場内で農薬のような異物を混入していれば、人目にもつくだろうが、工場の敷地内で、建物に隠れて、もしくは水道検針員に扮すれば、誰にも怪しまないで犯行ができる。
以前、貯水池に侵入し、ボートを浮かべ、サンオイルを置き去りにした犯人は、まだ捕まっていない。サンオイルだって、飲み水に混入されれば、毒物となりうるのだ。しかし、その危険性を誰も指摘しなかった。
しかし今回は、特定の商品に高濃度に混入していたようなので、水道水への滴下が最も疑われる。
流れる水道水に、一滴二滴と垂らせば、ロシアンルーレットのような製品が出来上がる。しかも、どの製品に混入したかは、犯人にもわからない。
ほとんどゲーム感覚でやっているのに等しい。単独犯なのか、後ろに組織があるのかも含めて、警察の捜査力が問われる事件だろう。
花火帰りの少女殺害事件も含めて、最近謎のような事件が多い。つまり常識に囚われない、突飛な犯行が増えているということだろう。
もう日本に安全神話などないのだ。そして、大陸で起きる事件は、次に日本で起きるのだ。まるで流行のように。