天の川を渡って

井上紗羅の波間の泡のように消えてゆく日常の防備録です。

未来への切符

2012-08-31 13:26:51 | ニュース
今日の東京は晴れ。蝉の声がかまびすしいですが、今日で8月も終わりです。そして今日も猛暑日すれすれの厳しい暑さとなっています。

ここ数日、北朝鮮との拉致被害者に関する交渉が話題となっています。報道を待つしかないのですが、“知りすぎてしまった”という理由で半生を台無しにされてしまった女性たちの無念を考えざるを得ません。

それ以外にも、脱走を試みた、連絡を取ろうとした、などで処刑された者たちもいるような内容も伝わっており、情報も錯綜していることから、何が事実で何が偽りなのかを、正しく判断出来るようにすべき時なのではないでしょうか。

そして、生きているのなら、一国も早く家族の下へ戻してあげることこそが肝要なのではないでしょうか。北朝鮮のほうからのコンタクトがあったということなので、人命最優先で、多少超法規になろうとも、国民を守るのが国家なのであるというお手本を示して欲しいと思います。

他国のいたいけな少女や若者たちをを拉致するという、この前代未聞の国家的犯罪を許すわけにはいきませんが、目の前に人影があるのなら、その人を保護するほうが最優先です。

運良く先に開放された人たちからは、マインドコントロールが解けた後、驚くべき事実が次々に明らかになっており、権力が異常な形で集約することの危険性を露呈しています。

紙切れ1枚で命を投げ出すような、戦時中の日本のような状態が長らく続いているとすれば、その内実は疲弊しており、人心は荒廃し、深く傷ついているのではとも思われます。

そのような場所から早く救い上げなければならないと思いつつ、そのような国でも母国と思わなければならないような境遇にいる人々にも思いを馳せてしまいます。

生まれた時から、正常が異常だったら、本当の正常がどんなものかもわからなくなってしまうのでしょう。自らの権力の掌握のために、他人の人生をも捻じ曲げてしまうことの功罪を思わざるを得ません。

思えば、恵まれた国に生まれ、恵まれた生活をしているのだということに気づくためには、持っているものを手放すか、自分より悪い境遇に置かれてしまった人たちからの見聞をする必要があるようです。

そのような機会に出会ってしまった場合は、それを不幸と思わず、幸せを知るための試練と捉えれば、ポジティブに生きられると聞いたことがあります。

試練と言うにしては、余りにも重い試練だったと思いますが、未来への希望は、誰にだってあるものなのです。彼女たちに、早くその未来への切符が手渡せるよう、祈らずにはいられません。

ラスク書簡

2012-08-30 18:06:10 | ニュース
今日の東京は晴れ。雨の気配はありません。連続20日の無降雨量を更新しているところです。東北も旱魃が深刻になって来ました。ダムの貯水量が底を突き掛けているところもあるようです。

竹島は、ラスク書簡にあるように、1905年以降島根県の管轄下にあり、韓国が領有権を主張したのは、戦後のどさくさに紛れてでした。

米国もその点はわきまえており、韓国からの竹島を日本が放棄するようにとの申し入れに、竹島は日本の領土であると返答しています。

その後も韓国は、根拠のない領有権の主張を繰り返しており、それは自国が武力的暴挙によって制圧した島が、不法占拠という名によって、世界的制裁を受けないための言い逃れに見えてなりません。

くれといってもらえなかったものを、いつまでも自分のものだと言っている言い分は、まるで子供のダダにしか思えません。その島に対して、自国民に幼い頃から自国の領土だと教え込み、世界の場でスポーツマンらしからぬ恥ずかしい真似をさせるように持っていったのは、国の罪だと思います。

領土において紛争が起きれば、双国にとってメリットはありません。そこで、世界的な境界が決められて世界地図が成されているのですが、それを不服に思うならば、やはり決められた場所でそれを確定する必要があります。

その場にも着きたくないというのであれば、世界的に権利を放棄したと思われても仕方ないというものでしょう。

従軍慰安婦に関しては、日本軍が強制徴用したという話は、民間に数多く残っており、被害に遭われた女性たちには気の毒に思いますが、これもまた、戦後処理で国家間の補償は行われております。

云わば、補償を訴えるのであれば、補償金を自国民に対して支払わなかった自国の政府に対してであり、すでに法的制裁の済んでいる他国ではありません。

これもまた、韓国政府が責任逃れのために、日本国を敵とし、自分たちに矛先が向かないように盾としているように見えてなりません。

自国の消費が落ち、国力が落ちた時は、戦争に走るのが今までの歴史の常でした。他国に敵を造れば、国家を軸にして、容易に人心を纏めることが出来ます。

これは中国伝来の兵法だったでしょうか。さぞ若者たちに兵役を与える絶好の口実となることでしょう。

時の政府としては、これほど有難いことはありません。何にせよ、韓国民が冷静さを取り戻し、この同じ歴史の過ちを繰り返さないことを祈っています。

灰色のマトリョーシカ

2012-08-28 16:29:46 | ニュース
昨日、浅田次郎さんが出演するニュース番組を見て、意を強くする思いでした。

現代の企業を牽引する我々の世代の育ってきた環境について。高度経済成長期の恵まれた時代だったこと。

そしてその親たちの世代の持つ、戦争は子孫に引き継いではならないという強い意志や確固たる信念、そこには宗教や思想はなく、ただ自らの経験を礎に築いてきたものなのでしょう。

それらの凝縮されたエネルギーが豊かになりたいという国民的願望と相まって高度経済成長期へと向かったのです。国民が皆、寝る暇を惜しんで働き、今の日本を築き上げました。

他人をいじめているなど時間が勿体なくて出来ません。一日数時間の睡眠で多重労働をしていても、過労死などは問題になることすらありませんでした。

自分で望んで仕事を掛け持ちをしたのですから。そして豊かになることを夢見て、みな喜んで仕事を掛け持ちしていました。

日本中どこを見ても、笑顔が溢れていました。人々は希望に満ちていたのです。頑張れば、テレビだって車だって買えるようになるのですから。頑張らないのは、自分が怠けているからだけなのです。

その購買欲が更に日本の経済を押し上げました。

今の時代はどうでしょうか。

生まれた時からモノが溢れていて、有るのが当たり前。モノを手に入れるためにガムシャラに働くこともなく、時間を持て余している。

どちらが幸せな時代なのでしょうか。

莫大なエネルギーを手に入れるために造られた原子力発電所。それが壊れるものであるということを我々は学び始めています。

ロシアのチェルノブイリでは、石棺となった廃炉からコンクリートの劣化により放射能が漏れ出し、チェルノブイリ事故を知らない世代によって、再び新たな石棺で覆う作業が進められています。灰色のマトリョーシカは、どんどんこうやって増え続けるのです。

我が国の福島原発もこれから同じ道程を突き進むことでしょう。そのつけは数十年先にも残されることとなるのです。

今年は全国的に節電も進み、大飯原発を動かさなくても猛暑の今夏をも乗り切れたのではとの観測もあります。経済界に押し切られた感のある原発の稼動を今後続けていくことは、不安のほうが先に立ちます。

だから私も原発の稼動には反対です。

声なき声を拾え

2012-08-27 19:38:26 | ニュース
晴れて高温の日が続き、イライラが募るのか電車の中でも足を踏んだ、蹴飛ばしたで女性専用車でさえトラブルになっているのを見ます。あと幾日このような日が続くのでしょうか。夕立すら来ない日々が続いています。

シリアでは、外国人ジャーナリストの狙撃が続いているようです。国民を弾圧している政府側としては、外国に知られたくない事実を映像や写真であからさまにされることは、自分たちの恥部であり、絶対阻止しなくてはならないことなのでしょう。

亡くなった山本さんの腕を貫いた銃弾は、明らかに撮影機材を狙っており、被弾した銃弾の多さからも、政府側の苛立ちが伝わってきます。

政府が自国民を弾圧・殺害していることは、世界的に見ても非難を免れる手立てはなく、それを良く承知した上での決断ということなのでしょう。

外国人ジャーナリストを惨殺すれば、しばらくは怖れて近寄ってこないのではないかという希望的観測も見えます。だから、敢えて狙撃し易い女性ジャーナリストを狙ったのでしょう。

権力の盲目に陥った政府に国家を制圧する手立てはなく、立ち上がった自国民によって倒される日が近いことは、歴史の流れから見て、極めて自然であり、どうあがこうが、この潮流を止めることは出来ないだろうと予感できます。

それまでの間、少しでも逃げ惑うしかない弱き立場の婦人や子供たちが、災厄から逃れることが出来るよう、心から祈るばかりです。

そして国連は、このような異常事態を傍観することなく、あらゆる手立てを使って砲撃を止めさせるよう勧告をするべきであり、見て見ぬは幇助と同じというくらいの気概で、極力安全に配慮しつつ、包囲網を狭めるべきであり、一日も早い平和を取り戻すべく、力を尽くすべきであり、このような発言こそ、日本国が今行えることなのではないかとも思います。

声なき声を拾うのも戦場カメラマンですが、利害を持たない国からも、この声を挙げるべきではないか、そのくらいは出来るだろう、というのがこのニュースを聞いた率直な感想であります。


大陸から学んだこと

2012-08-26 20:00:44 | ニュース
雲が多めながら、紫外線の強さを感じるような青空が広がっています。沖縄には大きな台風も近づいており、年々強大になる自然の威力には脅威を感じます。

日本国と周辺諸国との違いの一つに、日本は国民皆保険を基礎に持つ資本主義国家だということです。これは、民主主義に社会主義を組み合わせた、他国に例を見ない仕組みです。

先人の知恵に頭が下がる思いですが、良いところを巧みに組み合わせて柔軟に取り入れるという、日本人独特の工夫がなされています。

その背景には、一つの主義や宗教に囚われない、他人の権利も認める自由な思想が伺え、多宗教を同時に受け入れてきた歴史的背景から生まれるもので、戦時中を除いて思想教育を国家として行ってこなかった経緯も影響していることでしょう。

また、軽犯罪法も社会秩序の維持や環境の保護に役立っており、他国に類を見ない綺麗好きな国民風潮も相まって、世界的評価を受ける、律儀で真面目な日本人という民族評を受けるようになっています。

もともと家屋も土足で上がらない習慣もあり、周囲や他人に迷惑を掛けないという倫理観もあり、これらが総じて日本国全体の美的環境の保護に役立ったのだろうと思われます。

ただ、これらの思想も、元々は大陸から伝来したものであり、その大陸の現在の倫理観のなさを考えると、経済発展、利益至上主義に走ったつけは大きいと思わざるを得ません。

古来より伝来したさまざまな宗教には一長一短があり、それらを巡って国家間で諍いが起きている国もありますが、日本ほど宗教に拘らない国はないのではないかとも思えます。それが、輸出時に敵国を作らなかった原動力になったとも思います。

他国から国民性について賞賛を浴びることは、日本人として嬉しい限りですが、日本も成績至上主義に走ったつけの学校でのいじめ問題や、経済が長期デフレでによる企業及び個人の資産破綻や就職難などによる生活保護受給者増などによるひずみなどで、国民は疲弊しています。

これからは、消費税増税による影響もどのように出るかが試されており、極端な個人主義による孤独死への対応など、国民が知恵を出し合って乗り越えていかなければならない課題は山積しており、これから政府を担おうという方々には、柔軟で前向き、そして学ぼうという姿勢を忘れずに頑張っていただきたいと思います。