姫路城英語ガイドのひとりごと

姫路城英語ボランティアガイドでの出来事や姫路城のあれこれを綴ります。

姫路城大天守の展示ーAR?

2015年02月22日 | 作事
いよいよ姫路城グランドオープンまで約1ヶ月になりました。
グランドオープンというと、デパートなんかの改装オープンみたいでイマイチですが、適当な言葉がありませんので仕方がないですね。

既に色々な情報が入ってきています。その中でも代表的なものは「大天守には見事なほど何もない」です。
聞くところによると、以前あった展示物はすべて無くなり、説明文もないそうです。なんと武具掛けの槍や火縄銃も西の丸に移動されるみたいです。



どうも天守は素のまま見せて、余分なものは一切置かないということらしいです。
その代わり西の丸百間廊下・長局に説明文・案内板がそこかしこに設置してあります。





つまり、西の丸で十分予習をしてから天守に入って下さいということです。
でも、それではあまりにも素っ気ないので新しい見せ方が導入されました。
それはARという新しい技術です。

毎日新聞によると
http://mainichi.jp/select/news/20150217k0000e040174000c.html
>兵庫県姫路市は、世界遺産の姫路城が3月27日に大天守の一般公開を約5年ぶりに再開するのに合わせ、城内の歴史や背景などを動画で紹介するスマートフォンアプリを開発している。城の敷地内15カ所の観光スポットでスマホをかざすと、防御の仕組みや城兵が活躍する姿などが現れる。

もう既に三の丸ではこのようなものが置いてあります。





AR( Augmented Reality)は拡張現実と訳されます。現実世界を補う「何か」を追加することで、目の前にある現実以上の情報を提示する技術や、その技術によって表される環境そのものを含めたものがARと呼ばれるそうです。
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1109/26/news136.htm

今は存在しない三の丸の御殿がスマホをかざすことによって現れてくるのでしょう。言わばスマホやタブレットを使った仮想現実でしょうか。でも、なんかおかしい。
姫路城は安土城なんかと違ってまさしくリアルの世界なのに、仮想現実とは。
それに、すべての観光客がスマホやタブレットを持っているわけでもないし、仮に持っていてもすべての人がそれを使いこなせるわけでもないでしょう。
以前にも増してガイドが付いていなければ、姫路城天守は観光客には理解できないような気がします。
ということで、英語ガイドの重要性がますます高まると予想されます。三左衛門はiPad も持っているから楽しみにしていますが、客観的に考えるとどうでしょうか?

ところで、西の丸の説明文の英訳は姫路城外国語ガイド協会(VEGA)が協力しています。
プロの翻訳家が英訳したものをVEGA のメンバーが再度手直しをしています。なぜなら、翻訳家よりも私達のほうが城郭に関しては遥かに詳しいからです。特に語句の選択には厳しいチェックをいれていますし、場合よっては原文を大幅に書き変えたところも少なからずあります。
今回、城内パンフレットも刷新されました。以前と違って大変詳しいものです。少なくなった天守の案内板を補う役目を担っているようです。このパンフレットの外国語チェックもVEGA が担当しました。
でも、皆さん、これらの作業も私達が外国人に行っているガイドと同じように無償です。というのも私達はできるだけ姫路市とは協力していきたいと思っているからです。でも、市長さん、副市長さん、こんなことをご存じでしょうか?
コメント (2)
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