姫路城英語ガイドのひとりごと

姫路城英語ボランティアガイドでの出来事や姫路城のあれこれを綴ります。

姫路城天守は大丈夫?

2015年07月05日 | 作事
姫路城は3月末のグランドオープン後、毎日数千人の観光客が訪れています。
ピーク時には15,000人も来城しています。けれど、そんなにたくさんの人が天守に入っていったい大丈夫なのでしょうか?三左衛門はそれが心配でなりません。なぜなら、池田輝政は籠城時の人数を何千人と想定していなかった筈だからです。



兵庫県立歴史博物館学芸員の堀田浩之氏によると、
「小天守と渡櫓群の固定兵力を取りつけられた銃架から算定すると、東小天守32人、乾小天守60人、西小天守36人、イの渡櫓12人、ロの渡櫓40人、ハの渡櫓18人、ニの渡櫓12人となり、計200人余りの人員をもって、銃眼(狭間)一つに2人が割り当てられるという。大天守と合わせて約600人の兵力が、姫路城の最終ラインを固めていたわけである。」(歴史群像名城シリーズ10 姫路城)

なんと天守群すべて合わせても600人の兵力なんです。
何千人も人が入るなんて想定外でしょう。
以前も天守階段のタイトル
で下り階段の事を触れたことがありますが、下り階段はもともと観光客用の仮設階段で昭和の大修理後の予想される大勢の観光客の為に作られました。観光客が落ち着いたら元に戻す予定だったらしいです。でも、当初想定していたよりずっと多かったのでそのままにしているそうです。



50年前でさえ修理後の観光客の多さは想定外だったのに、今回の観光客の多さは当時の修理担当者には全く想定外でしょう。もちろん、池田輝政や大工棟梁の桜井源兵衛も予想だにしなかったでしょう。本当に大丈夫かな?

ちなみに手前がオリジナルの上り階段。向こう側が下の仮設階段。比べてみると違いが分かるでしょう。
上り階段には扉が付いています。







コメント (4)
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