「OK! Travel★ タイが大好きなセレブ達 (2011年7月号特集)」より
Learning tomato(旧Sanno Learning Magazine) 読者の皆様
こんにちは。
前回発行したのが2014年の11月なので9か月ぶりのメルマガ発行となります。実は静かに廃刊と思っていたのですが、盟友のシバタ氏から「そろそろ夏休みに入って時間もありそうだから再開してみては?」というメールがありました。
そう夏休み。世間は夏休みですが、コガは普段以上に忙しい8月を過ごしております。ゼミで土日ごとに大学の地元のお祭り支援をやっており、平日はゼミ合宿や学会、さらには後学期からスタートする新規科目のコンテンツ作りと、現在16日連続勤務中です。本当は先週の土日もとある試験のため机にかじりついていたので、それを含めると23連勤ではないか・・・。一体いつになったら私の夏休みは訪れるのでしょうか?
そんな状況だったので、シバタ氏からのメールにものらりくらりと返事をしていたのですが、なぜかこのタイミングで大学生と思われる読者から「ハイブリッド教員のふぁかるてぃ相談室」に相談メールが届いたのです。早速相談内容をシバタ氏に送ったところ、なんと数時間で回答が戻ってきたではありませんか。こうなってくるとメルマガを配信せねばならない。
ということで「メルマガ再開」とまでは行きませんが、今回は夏の臨時号として、ハイブリッド教員のふぁかるてぃ相談室 第16回
「世界放浪の旅に出たい」をお届けいたします。
ご相談内容:「世界放浪の旅に出たい」
就活中の大学4年生です。就職活動が本格化する前に東南アジアに一人旅に出かけました。その時の感動が忘れられず、世界各国に放浪の旅に出たいと考えるようになり就活に身が入りません。
ゼミの先生からは「現実逃避」と言いわれ、親からは「大学まで出てまともな職につかないなんて」と嘆かれております。考えてみると、放浪の旅に出ようにも先立つお金もなく、働かねばならない事は重々承知しています。しかし、何というか本気になれないのです。
たとえ働くとしても、放浪の旅の資金稼ぎとしか考えていないので、3年もすれば退職してしまうと思います。そんな生半可な気持ちなので、志望理由なんて全く頭に浮かんできません。「世界を放浪」なんていう夢は諦めて、堅気にせっせと働く「大人」になる潮時なのでしょうか?それとも、そうした夢を持ちつつ、正社員として働いていくことは可能なのでしょうか?
ご回答:「就職こそ世界放浪」
私も仕事生活が嫌になって、夏休みの沖縄へ「ぷち放浪旅行」に出たことがあります。路地裏を歩いたり、相部屋のゲストハウスに泊まったり、地元の人しか行かないであろう商店や飲食店でおじいおばあと語らったりと、それなりの「ぷち放浪感」を自己演出しました。
しかしそれは同時に、シャワーのお湯は41℃に調整され、ウォシュレットはavailableで、喉が渇けばキンキンに冷えたキリンMETSがインフラ的にも経済的にも買える旅でした。おまけに旅の後半は、鍵のかかる那覇のビジネスホテルに大荷物を置き、小じゃれた服を探してバーゲンセールの国際通りを何往復も歩いていました。
私の放浪の旅はそんなものでしたが、あなたの求める放浪の旅とはどんなものなのか、東南アジアの旅の何に感動したのかが気になるところです。未知の文化との危うげな遭遇でしょうか、地図を頼りに目的地を目指すワクワク感でしょうか。あるいは初対面なのにかくも優しくしてくれる情け溢れる出会いなのでしょうか。
さて、これは経験則なれど確信をもって言えることですが、会社に入るとそれらのことに、かなり濃厚な形と高い確率で遭遇できます。もちろん、パワハラやそれによる抑うつや自殺などのリスクもあります。しかしそれはアジアのジャングルで毒蛇に噛まれても携帯など当然通じず、蛇の毒がゆっくりと回り徐々に死んでいくリスクがあるのと同様です。
洒落た表現でいえば、会社生活そのものが世界放浪であると言ってもいいでしょう。
ですので、ご相談への答えはYESです。世界放浪の夢を持ちつつ、正社員として働いていくことは可能です。
世界放浪のある確率の前提は、帰国、つまり旅の終わりがあることですね。嫌になったり、ムリになったら途中でもやめて帰ってくればいい。それは会社生活も同じで、嫌になったりムリになったら、辞めたり転職したりすればよいだけの話です。
いま、人生第2の放浪の旅を就職にし、嫌になったらその期間に貯めたお金で、異国の地への第3の放浪の旅へ出ればよいのです。その逆は成り立ちません。なぜなら、いくらサバイバル感あふれチープシックでも、学生でもないのに親の金で行く旅は、放浪ではなく放蕩でしかないからです。
あなたの目指す放浪は、「ジャングルの毒蛇」と「クレジットカード持って国際通り散策」の間のどのあたりでしょうか。いずれにしてもそれは、会社生活という放浪で実現できると確信します。そしてそれは、就職活動という「宿さがしの寄る辺ない旅」も同様です。(回答 シバタ)
では今回はこのへんで
次回は月末までにCIEC PCカンファレンス@富山大学の参加報告記を書きます(と宣言しておこう)。